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2020年01月07日
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テーマ:ニュース(99632)
カテゴリ:ニュース
数年前におきた相模原障害者殺傷事件に関連して、社会学者の立岩真也氏は12月26日の毎日新聞に、次のように書いている;


 人を殺傷してしまったのは特異ですが、植松聖被告(29)の考えと我々が思ってしまっていることの間に、そう距離はない。事件の根には「社会に対する無駄な危機感」があります。「世の中が悪くなる」という話が本当なのか問わねばなりません。

 少子高齢化で働き手が不足し、今は暗く未来はもっと暗いとの世界観を彼も刷り込まれています。その見立ては間違っています。

 寿命が延びて働ける期間は長くなり、働きたい高齢者も増えています。例えば、定年は余った人に穏便に退場してもらう仕掛けだったので、変えたらいい。介護など局所的に人が足りない部分は、見合ったお金を払っていないからで、足りるようにすることは可能です。「無駄な危機感」の前提を一つずつ検証する必要があります。

 優生思想は「他人にとっての損得・価値によって、時に人を生まれないようにし、時に死んでもらおうという考え」です。楽で都合がいいから、私たちには支持してしまう部分がある。その自覚は必要ですが、「根絶は無理」だからと、思考停止するのは最悪です。

 優生思想は人を支える負担の重さの下で栄えます。負担そのものはなくせなくとも、―人にかかる重さは減らせます。優生主義を根絶できなくても、弱くすることはできます。

 老いを考えるなら、障害は多くの人が既に巻き込まれていることです。それでも関心がない人たちに「関心を持て。理解せよ」とは言いません。しかし、関心を持とうが持つまいが、してはならないことがあることは認めさせる。人が暮らしたい場で、暮らしやすいように暮らすことを止めることは誰にもできないのです。

 してはならないことの中には言葉で人を攻撃することも含まれます。そうした害を垂れ流す人たちに毅然(きぜん)とする。同時に漠然と抱いてしまっている不安・危機感に対して冷静になり、考え、落ち着く。両方が大切と考えます。
【聞き手・上東麻子】


 たていわ・しんや 立命館大大学院先端総合学術研究科教授(社会学)。著書に「私的所有論」(第2版、生活書院)、「弱くある自由へ」(第2版、青土社)、共著に「相模原障害者殺傷事件 優生思想とヘイトクライム」(青土社)。


2019年12月26日 毎日新聞朝刊 14版 25ページ 「相模原事件を考える-誤った危機感 検証を」から引用

 この記事は短い文章であるが、その主張は正鵠を射ていると思います。企業は人手不足だといいながら、その対策としてより良い待遇を示して人材を集めようとする努力をせずに、より安価な労働力を外国人労働者に求めようとしている。無駄に内部留保を積み上げても労働者の待遇が改善しなければ、消費活動の低迷は続き、やがて企業活動も疲弊することになります。この窮状を打開するには、外国人労働者を組織して共に労働者の権利を学び、労働法制の正常な運用を求める運動に取り組むことが必要と思います。





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最終更新日  2020年01月07日 01時00分05秒
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