テーマ:TVで観た映画(3822)
カテゴリ:映画鑑賞
『ダイ・シージエ監督が自らの体験をもとにフランス語で執筆したベストセラー小説「バルザックと小さな中国のお針子」の映画化。』と、やはり作成した監督(中国人で文化大革命を経験した)の思い入れのある作品。
ストーリー 1971年、文化大革命真っ只中の中国。2人の青年マーとルオは、反革命分子の子として再教育を受けるために山奥に送りこまれた。彼らを待っていたのは過酷な労働だった。そんなある日、彼らは年老いた仕立て屋の美しい孫娘のお針子に出会う。3人は仲良くなり、彼らは文盲のお針子に内緒で手に入れた外国文学を読み聞かせるようになる。外国の文化に触れ、しだいに自由な感情に目覚めていくお針子。そして彼女はついに…。(BSジャパンHPより) 私が見た中国の桂林ではないだろうが、似たような中国の山奥。尾根に石畳があり、過酷な農業をしなければならない風景が美しく映し出される。南画に出てくるような山の上の小屋。 そんな村での素朴な生活。そこへ繰り広げられる異色の世界文学の名作の数々。美しく可愛いお針子に読み聞かせる青年二人。 「罪と罰」ドフトエフスキー 「アンナカレーニナ」トルストイ 「ジャン・クリストフ」ロマン・ロラン 魯迅、「紅楼夢」等々文学者が文学作品が画面に飛び出す。 そしてバルザックの作品がお針子の心をもっとも捉える。 「従妹ベット」「ゴリオ爺さん」「谷間のゆり」 バルザックの作品の次々と朗読され、その印象的な一節に観ている者にも染み込んでいくようだ。 人間は感情のままに生きるものにあらず、文字によって観念というものがあるのを知る。 ああ、かたちの無いものに目覚めてしまった小さな可愛いお針子。 映画は青春の輝きをも照らす。観終わって心に残る映画のひとつだ。 私はひそかに本棚のバルザックを取り出してしまう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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