テーマ:本のある暮らし(3216)
カテゴリ:読書感想
おもしろうやがて悲しくなったベストセラー、評論本であった。 ベストセラーなのに、読んでいる人が周りにほとんどいないのはなぜか?今まで誰もが気づきながら口にしなかった出版界最大の謎に、気鋭の文芸評論家が挑む。(帯より) 先世紀末から今21世紀にかけてのベストセラー本41冊を、読書代行業兼評論家と称して斎藤美奈子が、読んでいない人の替わりに読んでくださり、ベストセラー作家にとっては恐怖の辛口評論をおもしろく述べてある。 題名は知っているが読んでいなかった本ばかり。ちなみに5/41冊。批評能力はないのだけれど、なぜかいつもほとんどのベストセラーに食指が動かないだけ。 ああ、こんな内容だったのね、とミーハー心が満足させられてよかったのだが、やはり読みたくはならなかった評論ではある。辛すぎるにしても納得させられてしまう説得力。 ベストセラーってそんな風でいいんだろうか心配してしまったが、でも売れるのだから。 この本によると、「読書依存症」ないし「過食型の読者」の私、ベストセラーはほどほど、これからも好きなものを食べていくのねと確認。 斎藤美奈子式読書人分類。 読書する人は少数民族で、多民族社会で、次のように分けられるそう。 「偏食型の読者」:「…」だけしか読まない人。「…」に健康、ミステリ、ビジネスとかが入る。特定作家の追っかけ的になりその作家の本ばかり読む人もはいる。 「読書原理主義者」:本であればなんでもいいひと。乱読。本信奉者。人にも勧める。 「読書依存症」ないし「過食型の読者」:新刊情報にやたら詳しく、本におぼれている。頼まれないのに書評のブログを書いたりする。「本の置き場所がない」と嘆いていても、捨てる勇気はない。 「善良な読者」:健全で友好的な、素直に感動する人たち。ベストセラーを支えている主な読者だそう。 ところで、私の読んだそのころのベストセラー5冊は「海辺のカフカ」「話を聞かない男、地図が読めない女」「朗読者」「鉄道員(ぽっぽや)」「白い犬とワルツを」で、みんなそれぞれに適当に泣けて、つぼがあり、面白かった記憶が…、ということは「善良な読者」の素質もあるのだろうね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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