「いつも週末だったら、私たちはまちがいなく木端微塵だ。南の島で木端微塵。ちょっとあこがれないこともないけど」
まさにこれに近い結婚生活になっているわたし、
「これは結婚してもうじき二年、という秋から、もうじき三年、という秋までのあいだに書いたエッセイです。」
と「おわりに」書いてあるから、結婚したての若い感性だと思うのに、
今これだよ!とうなづいてしまったのだった。
ただし「新ショウガの酢漬け」と「ひね生姜」の違い。みずみすしさからほど遠く、ひねて使いではあるけど、見てくれが悪い。
「木端微塵」にならないように、そこはそれ長年の経験と悪知恵を働かせている。古くて新しい結婚生活。
ところでいつも思うんだけど江國香織の本に出てくる本、読みたくなる。この本にはミステリの本が出てきてやっぱりメモってしまったよ。
たとえばカーター・ブラウン『ゼルダ』とか「あんまりおもしろくない長編ミステリ(と彼女が書いてる)」タミー・ホウグ『夜の罪』とか。夫婦の愛憎活写がおもしろそう。