今朝もうなされて叫び声をあげたようで、夫に起こされて夢から抜け出した。夢自体はたいした内容ではないが、恐怖にかられたことだけは覚えている。
今、わたしには頭から離れない悲しみがある。内容は控えるが、屈託があると本が読めないというのは本当だ。特に情緒的な文章は心に入ってこない。
仕方がないから、外でも見る。雪国日本海側の人には申し訳ないが、関東地方は寒いけれどもとても晴れている。ここもおだやかで青い海に透明な空気で、遠くの半島がよく見えるし、雲が白銀にひかっている。どこまでも青い空にとんびが輪をかいている(演歌ではないけれども)。
この瞬間はしあわせといえる。ぼんやりなにもしなくても、忙しく働いいても、なにも考えなくてすむなら、なんとしあわせなことだろう。しかし、人間はいろいろちまちまと思い煩う。
ああ、それなのに、次から次へと情報がはいってきて、勉強しないとわからないことだらけで、きりがないことおびただしい。
だから文学的な本をうちゃっておいて、硬い本を読まなければならない。硬いといったって新書がせいぜいなのだけれども、文学書のようには簡単でない。
好物の文学書もそぞろなのに、こむずかしい本が読めるか?
真摯に生きるのが好きだけれど、真面目っていうのも疲れる。