黄 砂 し ぐ れ の 女
雨になりそう・・・
庭に干している洗濯物を取り込んだ
太陽も見えずどんよりとした曇り空である
今にも雨が落ちてきそうな曇りの日である
そして午後・・・
私は俳句仲間の女友達と吟行にゆく
車の窓から見えるものが霞んでいる
車の速度も普段よりも遅く感じられる
助手席の友人がこれは黄砂ですよ
そういったものだから驚いてしまう
中国の砂が風にのって日本へ来た
黄砂の空だとはまったく知らなかった
しばらく運転していると雨が降ってきた
車の窓にポツリポツリと音がして
降ってきた雨は黄砂の雨であった
雨は止んだり降ったりしている
この雨は「 黄砂しぐれ 」でしょう
友人は真顔になって私を見つめた
黄砂しぐれが新しい季語になる””
車は大渋帯になり動かなくなった
友人は俳句でも詠もうかという
そういって私に一句を献上した
「 ドライブの大渋滞や黄砂しぐれ 」
あなたも俳句を詠んでみて・・・
そういったから私も詠んだ
「 くもり空しぐれてわかる黄砂かな 」
友人はいい俳句であるといった
この「 黄砂しぐれ 」は二人だけの
季節の言葉にしましょうか””
新しい季語「 黄砂しぐれ」ですね
その時に後続の車のクラクションが
プープッーと鳴り響いたのである
雨も止み車は動きだしたのであった
車の中で詠んだ女二人の俳句は
「 黄砂しぐれ 」という季語になった
二人だけで決めた季語であった
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最終更新日
2023年04月09日 16時45分41秒
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