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テーマ:試写会で観た映画の感想(678)
カテゴリ:邦画(か行・さ行)
監督 : 三池崇史 出演 : 役所広司 、 山田孝之 、 伊勢谷友介 、 沢村一樹 、 古田新太 、 高岡蒼甫 、 六角精児 、 波岡一喜 、 近藤公園 、 石垣佑磨 、 窪田正孝 、 伊原剛志 、 松方弘樹 、 松本幸四郎 、 稲垣吾郎 、 市村正親 試写会場 : よみうりホール 公式サイトはこちら。 <Story> 島田新左衛門(役所広司)の下に集められた13人の刺客は天下万民のため、将軍の弟・松平斉韶(稲垣吾郎)に一世一代の戦いを挑む。 生来の残虐な性質で罪なき民衆に不条理な殺戮を繰り返し、幕府の権力を我が物にしようとする史上最凶の暴君・斉韶。 その軍、総勢300人超。 斉韶の名参謀にして新左衛門のかつての同門・鬼頭半兵衛(市村正親)との知力を尽くした戦いを制し、斉韶暗殺は果たせるのか。 参勤交代の帰国の道中、要塞へと改造された落合宿で、想像を絶する壮絶な戦いの火蓋が切って落とされる。 [ 2010年9月25日公開 ] 十三人の刺客 - goo 映画 <感想> なかなか応募しても当たらないこの試写会だったんですが(笑)、 ご厚意で譲っていただきました。 ありがとうございます。 本作、とにかく最初から最後まで血がいっぱいです。 それを覚悟して下さいね f^^; (私も血は苦手なんですが。。。) (楽天でもYouYubeが貼れるようになったんですね。 早速やってみます^^) 片岡千恵蔵さん主演のオリジナルが1963年に作られています。 動画を要所要所見てみました。 オリジナルは白黒ですが、ずいぶん画面が綺麗なのに驚きます。 最後の方なんてみんな戦ってヘロヘロなはずなのに、オリジナルは小綺麗だったりします(笑) 当時は今みたいに映像技術が発達してなかったし、モノクロだったから、 血や汚れは単に真っ黒に映ってしまうだけですし。。。 戦って血が流れるという臨場感が本作の場合は見せどころであり、 ここらへんは三池作品に軍配が上がるでしょうね。 絵としてはオリジナルをほぼ踏襲しているようですが、 13人の描き方はこちらの方が絶対にリアル感あります。 設定はいちいち残忍で、 明石藩主松平斉韶の命を何故狙いたくなるのかが丁寧に描かれています。 斉韶はどえらい残虐暴君に仕立て上げられています。 本当なら老中になる前に処罰されてもおかしくない行動だと思うけど。。 「将軍の腹違いの弟」というだけで周りはちやほやしてくれる。 しかし自分が心底から必要とされることはない。 斉韶はたぶん、生きている実感も何もなかったんでしょう。 その境遇が彼をさらに高慢に、残酷に仕立て上げていく。 「戦のない世がつまらん」ことを嘆いていたボンボンの暴君の役はよかったと思います。 この役を稲垣吾郎がよく受けたなあと思いました。 彼の澄ました感じをうまく生かしています。 そして斉韶を狙う側の心境も十分伝わってくる。 (実際は幕府の老中が斉韶暗殺を命じることはまずないとわかってはいてもですが) 命じはしないにしても、命じたくなるようなことが山ほどあるに違いありません。 それは江戸幕府のことのみならず、今の社会だってそう。 人を人と思わず私益に走り、あぐらをかく人間はいつの世でも存在します。 「天下万民のため」という立派な名目はあるものの、 新左衛門はじめ、この計画に賛同した者は、自分が役に立てていない、 自分の活躍の場所はどこか。 ほぼそう思っている。 もしも本気で自分が必要とされるのならば、喜んで役に立てたい。 命を捧げてもいいと思える人がいるならば、また捧げるに値することならば、捧げても一向に構わない。 その気持ちが彼らを動かした。 松平の血筋のものを狙うということは幕府に弓を引くことと同罪というのは当時の常識なだけに、 談合の場面で、「こういうところから謀反が発覚するんだな」と思いながら見ていました。 誰かリークする奴がいるんですね。 だからどれだけ「命を預けられるか」が、クーデター成功のカギだったんでしょう。 逆に斉韶を守る側からはどうだろうか。 主君の命は絶対である。 ではしかし、命令を実行するだけの内容なのか? 自分がしようとしていることは人のためになることなのか? そう自問自答したところで、所詮は武士、主君に忠節を尽くすことが全てと教わっている以上は、そこに無理やりにでも意味を見出して、従うしか生きる道はない。 そう運命づけられてしまう虚しさがありました。 「武士はいろいろ面倒」という言葉の意味がわかる。 今回はベテランから若手まで揃えた三池チームでした。 ベテラン勢、よかった。 平幹二朗、松本幸四郎、松方弘樹、役所広司、市村正親、みんな仕事をきっちりとしてました。 彼らもまた、命を預けたんでしょうね。 そしてクローズZEROから山田くん高岡くんを引っ張り、若手からも伊勢谷くん波岡くん、そして窪田正孝くん(彼すごいよかった!)、その他大勢取り混ぜてやってました。 みんな力入れて作ったんだろうなあ・・・ という手ごたえを十分に感じます。 13人の刺客、1人1人たっぷりと見せ場も作っていますし。 ラストの方で少々いらないかなあ・・・ という映像もありますが、 それはあまり気にならないです。 とにかく圧倒されてしまいました。 圧巻です。 *********************************** 今日の評価 : ★★★★★ 5/5点 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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4回当たったこの試写会。結局2回観てしまいました。おっさんの方が当りやすかったんですかね。珍しいことがあるもんだ。
(2010.09.20 15:26:07)
こんにちは~
>4回当たったこの試写会。結局2回観てしまいました。おっさんの方が当りやすかったんですかね。 ----- そうなんだ。 またどんだけ当ててるって。。。 笑 出しているのも少ないから当たらないっていうのもあるけどね(笑) (2010.09.20 15:44:22)
私は何と言っても吾郎ちゃんと松方さんかなぁ。
あの酷薄で狂気と紙一重の暴君、これ吾郎ちゃんホント上手かった。元々彼はクールな雰囲気を持ってるけどそれが良いほうに作用してたと思う。ファンの方には悪いけどマジムカツクもんね。(笑) んで松方さん。マジあの殺陣は凄い!もはや芸術の域ですよ。もちろん他の方々も頑張ってたしよかったけど、一人だけ輝きが違うんだもん。時代劇は流石に松方さんに一日の長がありますね。 市村さんは時代劇初めてで、役所さんは映画では2回目なんですって。2人は元から友人だそうで、その流れで役所さんが市村さんに「馬から落ちました?」ってからかったんで、市村さんは意地でも落ちるもんかと気張ったんだそうです。 (2010.09.24 01:56:41)
こんにちは~
うん、吾郎ちゃんなかなかやりますねえ。 これは小憎らしい役だけど、彼の持ち味に合ってます。 もっとたくさん映画に出ていただきたいですね。 別の演技も観てみたくなりました。 松方さん、流石って感じ。 キャリアの差はありますね。 松本幸四郎さんも男だなーと感動しました。 あとよかったのは波岡一喜くん。 彼も時代劇似合いますね。 (2010.09.24 11:58:45)
なのに、いつものように俳優目当てで観に行ってきました。
しばらく食欲がわかずに文字通り閉口していますが… お目当ては市村さんと伊勢谷くんでしたが、描き方にビックリするところはあっても、 期待通りにいい存在感を見せてくれて嬉しかったです。 それにしても、やっぱり松方さんは凄いですねぇ。鍛え方や場数の踏み方が違うんだ、と言わんばかりで、 吾郎ちゃんも予想を上回るハマり方だったし・・・と お話そのものより、俳優さんたちの演技や存在感が何より強烈な印象でした。 (2010.09.25 15:25:56)
三池崇史監督の色が随所に濃く見られた映画でしたね。
やっぱりこの監督さんは本気で合戦しているところを映像に収めたいと絶対に思っているタイプの映画監督だと思いますよ。 でもそれだからこそ三池監督なんですけどね。 (2010.09.25 16:31:03)
こんにちは~
キャスティングの勝利ですね。 これだけ豪華どころを揃えて、そして三池監督の徹底的に残虐な脚本が彼らを生かしています。 松方さんちょっと見直しました。 最近はワイドショー関連も多かったし。 だけどやっぱり経験の差ですね。 若手もそれぞれ濃い演技で大したものです。 吾郎ちゃんはすごかったですね。 (2010.09.26 08:11:29)
こんにちは~
実戦ってこうですよね。 というか実際はもっと残虐ですが。 綺麗綺麗ではリアル感ないし。 その再現にこだわっているように感じました。 (2010.09.26 08:13:32)
ベテラン勢は言うに及ばずですが、山田、高岡、窪田らがまたよかったですね。
障子越しにやられるのは高岡くんでしたっけ。あのシチュエーションはほぼ間違いなくああなると思っていて、それでもびくっとなりました。 刺客たちも明石の侍も、正義と忠義のために本気で斬り合う・・・。 いやあ圧巻でした。 (2010.09.26 09:36:26)
斉韶の役を吾郎ちゃんがホントよく選んだと思う
ばかりですよね。 彼のイメージからして全く思いつかないですが、 今になって思うと逆にそのイメージが斉韶の役に 見事ハマったのかなぁとも。 彼は役者として一段に上に上がったかも知れませんね。 合戦シーンの圧巻さも然ることながら両腕両足を斬 られた女性のあまりの惨たらしさを観て島田が笑う しか出来なかったあたりや、合戦場で泥を踏みしたと きに滲み出る血に染まった水の演出は秀逸でした♪ (゚▽゚)v (2010.09.26 15:26:58)
こんにちは~
>ベテラン勢は言うに及ばずですが、山田、高岡、窪田らがまたよかったですね。 >障子越しにやられるのは高岡くんでしたっけ そこ読めちゃうんですよね~(苦笑) あんなに悠長にしてるんだもん。 高岡くん今回影が薄かったかも。。。 >刺客たちも明石の侍も、正義と忠義のために本気で斬り合う・・・。 >いやあ圧巻でした。 ----- 圧巻でしたねー。 それしか思いつきません。 (2010.09.26 16:10:14)
こんにちは~
>斉韶の役を吾郎ちゃんがホントよく選んだと思う >ばかりですよね。 >彼のイメージからして全く思いつかないですが、 >今になって思うと逆にそのイメージが斉韶の役に >見事ハマったのかなぁとも。 >彼は役者として一段に上に上がったかも知れませんね。 実はこういう才能は彼にあったと思うんだけど、ここに来て生きましたね。 これからも骨のある役をやってもらいたいなと。 >合戦シーンの圧巻さも然ることながら両腕両足を斬 >られた女性のあまりの惨たらしさを観て島田が笑う >しか出来なかったあたりや、合戦場で泥を踏みしたと >きに滲み出る血に染まった水の演出は秀逸でした♪ >(゚▽゚)v ----- 細かいところまでちゃんと作っているのは、観ている方も見ごたえがあります。 あの女性も凄かったな。。。 (2010.09.26 16:12:32)
お邪魔いたします^^
おお!予想通り満点評価だあ~(笑) 吾郎ちゃんは、予告編でも観ていて悪いヤツと思っていましたが、これほどの役だったとは(^^; 私もよく引き受けたなあと思いました(笑) キャストは3世代共演みたいな感じで良かったですね。 それぞれにみんなキッチリ仕事していましたよね^^ 窪田君は、最近、TVのジョーカーで観ましたが、この時に すごく印象に残っていて、上手いなあって思っていたのですが、今回もインパクトありました。 >ラストの方で少々いらないかなあ・ あれかな?(笑)山の民?違う? 私も満点・・・と思いましたが、いらないかなあと言う シーンもあって、ちょっと原点してしまいました(^^; とは言え、久々に観た邦画が、当たりで満足です(笑) (2010.09.27 15:00:39)
こんにちは~
ちょこっと、いらないよね。。。 っていうところもあったけどね。 惜しい。 ですが相対的に満足です。 これだけ見せてくれたらもう、ね。 窪田くん、私も結構印象に残りました。 なかなかいい役だったと思いますけどね。 (2010.09.27 17:37:03)
rose_chocolatさん、こんばんは。
観応えありそうな作品ですね☆ 女優さんは登場しないのかな? 三池監督なので気になっているけど、 忙しい時期はミニシアター映画や映画祭を最優先している私なので 観逃してしまいそうです。。。 (2010.09.27 23:47:40)
こんにちは~
>観応えありそうな作品ですね☆ >女優さんは登場しないのかな? 主なところでは吹石一恵さん、谷村美月ちゃんが出ます。 美月ちゃんは必見。 でもこれは男くさい映画かなあ。 >三池監督なので気になっているけど、 >忙しい時期はミニシアター映画や映画祭を最優先している私なので >観逃してしまいそうです。。。 ----- 私もこれから映画祭一色です(笑) ですけどこれ、お時間あったらご覧いただきたいですね。 面白かったです。 (2010.09.28 07:03:31)
やっと記事UPしました! そしてまた長文です(笑)
稲垣吾郎が暴君と聞いて心配していたのですが、よかったですね。 roseさんのおっしゃるとおり、彼の個性を生かしていたと思います。 ベテラン勢はさすがの存在感でしたが、若手俳優たちも良かったです♪ (2010.10.14 00:48:17)
こんにちは~
吾郎ちゃん、やたら評判がよかったのでどうして? って思ってたんだけど、 これは納得ですよね。 もっといろいろ出ていただきたい。 ベテランも若手も必死でしたし、それがよかったですね。 (2010.10.18 13:00:13) |