テーマ:社交ダンス(8689)
カテゴリ:映画のはなし
最近は手紙を書かなくなりました。
インターネットが普及する以前は、毎日のように誰かに手紙を書いていたんです。 人見知りな自分にとって、直接会って話すより、電話で話すより、手紙は便利な伝達手段でした。 途中で遮られる事無く言いたい事が全部言えて、あとの判断を相手に丸投げ出来ますもんね。 今はそれに変わるツールとしてブログを書いています。 さて、今日ご紹介する映画は東野圭吾の小説を原作とした2006年公開の日本映画です。 獄中の兄・剛志(玉山鉄二)は唯一の家族である弟・直貴 ( 山田孝之)に日々の事を綴った手紙を書き、返事を楽しみにしていました。 剛志にとって手紙は心の支えだったんですね。 そもそも剛志は弟を大学に行かせるための金欲しさに罪を犯してしまった弟思いの兄貴だったんです。 しかし直貴にとってみれば兄の存在は障害でした。 進学も就職も、夢だった漫才コンビとしての活躍も、実りかけていた恋も、すべてが『強盗殺人犯の弟』という1点で潰されて行きます。 唯一の理解者であった由美子(沢尻エリカ)と結婚したものの、今度は娘がまた同じ理由で仲間はずれに。 直貴は今まで一度も手紙を書かなかった兄に対し、決別の手紙を送る決意をします。 犯罪者の家族というだけでこんなに不当な扱いを受けるものなのかと改めて考えさせられましたね。 罪を犯してしまった兄は、被害者の家族にも謝罪の手紙を書き続けるんです。 被害者の家族にとってみれば、死んでお詫びしてもらったって許せないでしょうから、手紙なんか見たくもない訳です。 坊主憎けりゃ袈裟まで憎い。 弟の直貴が訪ねた時も複雑な心境です。 『この人には罪はない』って分かっていても、『こいつの兄が母を殺した』という目で見てしまうでしょう。 世の中にはたくさんの犯罪が横行しますが、サスペンスのように被害者と犯人とそれを捕まえようとする警察という構図ではなく、犯罪者と被害者の家族に視点を置いた作品は新鮮に感じました。 自分の人生をめちゃくちゃにされた弟が、最後に見せる兄への愛にきっと誰もが涙するでしょう。 予告編はこちらです。 手紙お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|
|