カテゴリ:読書
鎌倉東慶寺に駆け込んだ朝鮮女性うねを取り戻すため、秀忠と 家光の幕府を二分した争い。うねを守るために柳生十兵衛の姉 矩香(のりか)が活躍するという伝記小説。 どこかの書評に(隆慶一郎+山田風太郎)÷2の面白さという 記事が出ていて、この作者の本を始めて読んでみた。出版社も 朝日新聞社なもので、訳の分からない時代小説ではないだろう と期待して。 ちなみに帯には「司馬遼太郎の歴史観、山田風太郎の奇想天外 な構想力、柴田錬三郎の波乱万丈の物語展開を受け継ぐ時代小 説家の登場」とあった。 しかし、これはいったい何だ!という内容。幕府内の柳生と老 中の権謀術数の限りを尽くしたかけひきも中途半端で終わり、 後半は仲直り。最強の刺客という前フリで何ページも使い、主 人公とどのように戦うのかと思えば、あっさり数行でやられて しまったり、柳生十兵衛が何とも幼稚な人格だったり・・・ 朝鮮の妖術使いもまったく恐くないし、だいたいこのラストな んぞ肩透かしという感じ。 とにかく、あっさりしすぎの展開、はらはらドキドキ感がない。 こてこての伝奇小説・剣豪小説を期待していた自分にとっては、 すっかり期待外れの一冊だった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年09月22日 17時33分18秒
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