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つまずく石も縁の端くれ

つまずく石も縁の端くれ

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2008年10月11日
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カテゴリ:アート
先日の前期の展覧会ですっかりこの画家に魅了されて、
後期初日に出かけることにした。

この展覧会は、製作年度順に展示されているので、画
風の変遷も分かりやすい。

ゴーギャンの影響を受け、クロワソニズムの様式で描
かれた戦後すぐの作品が好きだ。「少女」「襟巻」「午後」
などの作品は、赤・黄・緑などの幅広い色面が、パッ
と飛び込んでくるのだが、決してどぎつくなく、とて
も優しい雰囲気なのである。

戦前の「夕べ」は、風呂に入るおかっぱ頭の少女二人。
掛軸になっている。懐かしい風呂桶である。ほのぼの
という言葉が良く似合う。

後年は、色面構成の絵から打って変わり、砂岩の中に
塗り込められたような人物像の絵が増えてくる。前期
に見たときは、最初はとても違和感を覚えた。ところ
が、だんだんとこの絵に惹かれていく自分を感じるよ
うになった。

今回は、人物像の手の表情を中心に眺めた。何かをす
くっている様な様子、包みこむような様子、軽く押さ
えつけるような様子、それぞれが面白い。仏像の印の
ようにも思える。高山は自分の感情を掌の上に載せる
ようにイメージして理解しようとしたとのこと。自分
を客観的に眺める手段なのだろう。これはうまい方法
だ。

国立近代美術館にある「いだく」という作品。嬰児を
抱く母親ともう一人の女性。白く輝く嬰児の顔。子を
抱く手が完全な円となっており、胎内のようにも思え
る。高山の描く聖母子像である。

見れば見るほど、心に迫ってくる作品ばかり。先日の
ピカソを見た後とはまったく異なり、ストイックな気
分にさせられた展覧会であった。





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最終更新日  2008年10月12日 02時04分38秒
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