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カテゴリ:Engineering
HALくんからリクエストがありましたので、年をまたいでの連載が終わってからの2010年最初の連載はAudi R8の試乗記から。
こういう仕事をしているといろんなコネクションができます。クルマ業界やレース関係者はもとより、僕の場合はクルーザーやヨットの建造業界や海運会社、さらに知人の知人、またその知人などなど、ここでは書きつくせないほど超リッチな方々と接する機会が多く、信じられないハプニングやイヴェントに出くわします。 そんな中でも僕との付き合いが長い方ほど僕が無類のクルマ好きにしてクローズドコースを走りこむマニアであること知っています。そんな僕の元に2009年のある日一本の電話が入りました。 「良いブツがくるから試してみないか?」と。 ちょっと意味深長で一歩間違えれば危ない取引に聞こえなくもありませんが、僕と彼の付き合いも長く、この一言でどんなイヴェントなのか推して知るべしです。 今回、その良いブツはAudi R8 5.2 FSI Quattroです。 ホィールスピンなどという言葉とは無縁のマシンは0~100km/h加速で4秒を切るアスリート純粋培養タイプのマシン。 矢のように猛然と加速するR8の中でドライヴァーやパッセンジャーはシートバックに押し付けられたままになるので、シートポジションをしっかり決めて乗り込まないと肩こりや首の周りの筋肉痛を招くことになります。 スーパースポーツを思いっきり走らせたことがないかたや、所有して乗ったことがないかたは解らないかもしれませんので書き添えますが、こういったマシンが時折魅せる闘争本能、あるいは資質の片鱗によってもたらされる強烈なGは、こちらが常に健全な肉体を維持し、深層筋に常に負荷をかけながら日々筋力維持に努めていなければ度々筋肉痛を引き起こすマシンも少なくありません。 世界の選ばれたスーパースポーツだけがもたらす横Gの試練がR8には用意されています。Audiの中でこれほどのGがもたらされるクルマは僕の記憶の中にもありませんでした。 ほんの僅かな短い加速区間でもR8は一気にスピードレンジを150km/h、170km/hと簡単にあげてしまいます。そこからタイトコーナーに進入するためにシフトダウン。2速まで落としながら右足の足裏に意識を傾注しながらフルブレーキング。シフトショックらしいシフトショックを感じることなく一気に減速し回転を合わせてくる。ここまでマネジメントがしっかりしているとかえってブレーキングの上手い下手ははっきりと出るでしょうね。 適正速度まで落としてしまうと旋回性能がダルになるので、ややオーヴァースピードでR8をコーナーに放り込むと、アンダー気味になるR8。このあたりも良くできた4WDの見本といえます。 しかし、スポーツカーとしてのパフォーマンスやポテンシャルだけの視点で判断するなら、残念ながらAudi R8はNISSAN GT-RスペックVはおろかNISSAN GT-Rにさえも総合的なインプレッションでは一歩譲るように思われます。 特にステアリングの中立位置からの操舵感や反応は4WDをあまり感じさせないGT-Rに対し、R8は洗練されてこそいるものの依然として4WD。 無論、3.9秒で100km/hに達する動力性能や4WD車としての最高到達速度などパフォーマンス・スケール的にはGT-Rと互角以上のクルマなのですが、むしろこのあたりのパフォーマンスにとどまっている部分がR8の価値に影を落とすことにならないとも言えません。 なぜならR8はプライス面においてスペックVよりも高価となるためコスト・パフォーマンスの面において大きく水を開けられてしまいます。 100km/hに3.9秒で到達する5.2リットルV10FSIエンジンは非常に魅力的ですが実質的なパフォーマンスにおいてGT-Rに楽勝というわけにはいきません。 GT-Rが搭載する「VR38DETT」とエンジニアリング的なトピックスでも五分。 もちろん最新鋭の5.2リットルV10FSIエンジンは大変素晴らしいエンジンです。しかし、この素晴らしいエンジンに対して互角の勝負に持ち込んでしまうGT-Rの資質はやはり侮れません。 今回、改めて思いましたがNISSAN GT-Rというクルマは3,000万円未満クラスの4WDハイパースポーツの価値観や序列をブレイクスルーしてしまったことを痛感せずにはにいられませんでした。 と、ここまでなら、おそらくはR8とGT-Rを乗り比べたアッパークラスのドライヴァー誰もが思うことで、僕までここで終わっては何の面白みもありません。 さらにモノ、特にクルマのヴァリューはコスト・パフォーマンス、動力性能や到達速度によって決定されるものではありませんのでR8、GT-R惨敗ということではありません。 続きはまた後日に・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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