1027209 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

外資系経理マンのページ

外資系経理マンのページ

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

カレンダー

お気に入りブログ

政治を諦めないで(… New! 佐原さん

空白だらけの日記帳… New! 白山菊理姫さん

ブドウ畑、秋の作業 New! みらい0614さん

年収106万円の壁、撤… 山田真哉さん

アートビジネス ち… kaiser1さん
iPodを使いこなして… 職業道楽家さん

プロフィール

呉雅力

呉雅力

ニューストピックス

コメント新着

プロじゃないから恥ずかしくないもん@ 正統派美少女 正統派美少女正統派美少女正統派美少女正…
5dolphin@ 米にやられた感じも? 「最近、銀行系サラ金のCMが減り、銀行直…
5dolphin@ 産経と読売はいらない! JALと同じで、将来、破綻すると思いま…
heliotrope8543@ Re:産経新聞 削除された記事(02/07) 三流軽薄新聞とはよく言ったものです。
heliotrope8543@ Re:産経新聞 削除された記事(02/07) 三流軽薄新聞とはよく言ったものです。
佐原@ 民主主義の危機 こんにちは。 検察の暴走は、危険です…
武則天@ Re:日経ビジネスアソシエ1月4日号(01/04) 今年もよろしくお願いします~♪ iPhoneの…

日記/記事の投稿

フリーページ

(小説)おれは中小外資サラリーマン


小説(2)


小説(3)


小説(4)


小説(5)


小説(6)


小説(7)


小説(8)


小説(9)


小説(10)


小説(11)


小説(12)


小説(13)


小説(14)


小説(15)


小説(16)


小説(17)


小説(18)


小説(19)


小説(20)


小説(21)


小説(22)


通勤風景シリーズ


サラリーマンA氏


A子


おやじA


就活女子大生A


金策起業家A


不倫旅行A氏


再就職初日B氏


有給休暇B男


リハウス


徹夜勉強


夢のそのさき


1 発端


2 女


3 現実


4 追跡


5  松林美佳


6 同僚


同じ夢


二人


あの女


いったい!


きのうと今日


あの女 またしても


夢うつつ


ある噂


ふたたび上井草へ


わたしの噂


「友達」からの電話



正夢


ユーラシア大陸横断 9000キロ


北京出発


東北地方をいく


長春、ハルピン


国境前夜


国境の駅


シベリア鉄道へ


イルクーツク到着


イルクーツク


バイカル湖


イルクーツク出発


モスクワ到着


二都物語


たそがれのカツドウヤ 1


たそがれのカツドウヤ 2


たそがれのカツドウヤ  3


たそがれのカツドウヤ   4


たそがれのカツドウヤ 5


たそがれのカツドウヤ 6


たそがれのカツドウヤ 7


たそがれのカツドウヤ 8


たそがれのカツドウヤ 9


たそがれのカツドウヤ 10


たそがれのカツドウヤ  11


たそがれのカツドウヤ 12


たそがれのカツドウヤ 13


カテゴリ

キーワードサーチ

▼キーワード検索

バックナンバー

2024.11
2024.10
2024.09
2024.08
2024.07
2005.03.15
XML
カテゴリ:連載小説
 今週もよろしくお願いします。きょうが初めてのかたはフリーページからどうぞ。


松田がアメリカに行っている間に、ひとつのプロジェクトが進行していた。これまでは、アンテラジャパンはアメリカ本社製のゲームタイトルを日本向けにローカライズして国内で販売していた。しかし、売れない。どんなに売りこんだところで、そして問屋に押し込んでも、それは借りをつくるだけ。ゲームをつくればつくるほど、損がふくらんでいく。
 それを、日本のプロダクションがつくった日本市場むけのゲームをアンタラの名前でリリースしようというのだ。それは、これまでになかった試みであった。
 その第一段が、飯山健司の「Jの朝食」だった。開発の神野によれば、できはかなりのもので、メガヒットとはいわないまでも、ヒットはするだろうという。そして、この「J」を軸に3本ほどを日本でリリースしていくということだった。
 この話を聞いたとき、川越も案外、深田と同様に戦略家なのではないか?と松田は思った。アメリカに日本の路線を認めさせ、なおかつ、売れ筋となる可能性を秘めたゲームソフトを引っ張ってくるコネクションを持っている。それは、なんらかの手腕がないと難しい。その手腕が川越にあるののかもしれない。とにかくトウショウヘイのことばではないが、黒い猫でも白い猫でもねずみをとる猫はいい猫。会社に利益をもたらせてくれるなら、多少のわがままもいいのかもしれない、と思ったのも事実だった。熊本は、このプロジェクトがはじまって、進行管理を神野とともにやるようになっていった。そこそこ、この兄弟は、やってくれるのかもしれないと淡い希望的観測を松田はこのとき持った。この日も、飯山が来社したと知ると、大沢との移転先の話を切り上げ、開発部隊をまじえた会議に入っていった。

 それまで熊本と一緒に打ち合わせをしていた大沢はしばらくの間、不動産デベロッパーのパンフレットなどをペラペラとながめていたが、パタンと閉じると松田の背面にある、だれも使っていないデスクに移動、いつもの大きなバックを机の上に置いた。その中から、大型の5センチ幅の紙に計算結果を記録できる機能のついた電卓をとりだした。
「安藤さんが作られていた報告書のファイル、みせてくださる?」
そういって、松田のデスクの引き出しにいれていたファイルをうけとると、ファイルをみながら、なにやらカタカタ電卓をたたきはじめた。

 大沢という存在は、松田にとって相性がいいとは言いがたい存在なのはあきらかだった。それはアメリカですでに実体験として感じていた。大沢はしばらく電卓と格闘していたが、ほどなく川越が経理のセクションに顔をだし、そして
「ご相談したいことがあるので、昼いきませんか?」
そういうと、大沢も、
「いいですよ」
と答えると、二人で社外にでていった。時間はまだ11時になったばかりであった。

「いい気なもんだわね」
広田が言う。
「まったくだ。ただ、仕事のほう、会社のほうをしっかりやってくれるんなら、いいんだけどな。」
会議室からは、神野の笑い声が時折、聞こえてきた。議論は白熱してきている様子であった。松田としては、大沢という存在が目障りきわまりないが、会社としてはいい方向にむかっているような気がした。

 しかし、翌週の伊香の入社が、うまくからみ合いながらまわりはじめた歯車を空回りさせるきっかけをつくることになろうとは、社員の誰も知らない。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2005.03.16 07:42:38
コメント(1) | コメントを書く
[連載小説] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.
X