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カテゴリ:連載小説
 きょうで3月もおわり。日本の会社の経理はこれからが大変。外資はお正月てんてこまいで、3月はマイペース。ま、これが経理なんですね。

 きょう初めてのかたはフリーページからどうぞ。

 当面、資金面での危機は回避したが、万全とはとてもではないが言えない。

朝、すでに広田は出社していて、ふき掃除をしていた。
「おはよう」
「おっはよう。そういえばさ、引越したら、いよいよ秘書の人くるみたいよ」
「例のトイダラケで川越さんと一緒だったひと?」
「そうみたいよ。そしてわたしはお払い箱!」
「何言ってる、経理でがんばってくれよ、専従でさ」
「ま、いいか。まつさんのために人肌ぬぎますか」

他愛もないこうした広田との会話が、とかく落ち込みがちな気持ちをやわらげてくれる。

「でも、銀座にうつっても来てくれるね」
「まあね、そのつもりだけど」
広田がきてくれるのは、心強いかぎりだった。

引越まで2週間。Jの朝食のあがりまで1週間。この1週間のうちにマスターをあげなくてはゲームそのものが出せなくなる。熊本の話によれば、スケジュール的には多少遅れ気味ではあるが、問題になるほどの遅れではないという。

「金のほうは、大丈夫なのか?」

アメリカから送金をうけた日、そう聞いてきた熊本に、

「当面は大丈夫ですけど、もう柱友が駄目なら、あてにできなくなった2億をどこで調達するか、そこが一番の問題ですね」

もう、柱友は相手にできない。それは明らかだった。

「でも、川越さん、いろいろと動いてるみたいだから、大丈夫だよ。」
「アメリカから借りることはもうできないんですかね。」
「川越さんは、川越さんなりに考えてるようだよ」

アメリカに関する質問には、熊本はなにも答えなかった。

熊本は川越からアンテラ本体も資金的に安定しているとは言いがたい状況にあることを、十分に承知していた。実際、アメリカの資金は火の車であって、支払いが滞り、信用問題に発展しつつある状況だった。株価も一桁まで落ちていた。

「熊本さん、アンテラ、変になるってことはないですよね」
「まつさん、そんなこといっちゃだめですよ。Jだって出すんだから。」

 熊本もアメリカが当てにならないことは、そんなわけで誰よりも強く認識していた。だからこそ、Jへの思い入れが強いものになってきていると言えた。

 そのとき、川越から松田に社長室にくるように内線があった。
「おお、ちょっと座って」
なんとなく、いい話ではないように松田は感じた。

「トム、知っているよな。」
「トムがきょうでアンテラをやめたよ」
「突然ですか?」
「突然でもないんだけどね」

なにか含みのある言い方に思えた。どこか、そう言った川越の目の焦点があっていないように感じた。

Jの朝食がアップしようとするこの時期に、その勢いをそぐようなニュースばかりが続く。こうなると、一枚でも多く売れることを祈らざるを得なかった。

ただ、日本のことに関心をもって、日本での商売に理解を示してくれていたトムの退職という事実は、予想以上の重みをもって松田たちの将来に影響を及ぼすことになる。





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最終更新日  2005.04.01 09:01:07
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