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2007年05月15日
カテゴリ：地域の歴史・伝承
現在の首里城は、１９９２年に復元されたもの。 正殿・南殿・北殿の館があり、 南殿は和風の拵えで、薩摩藩の接待所として使われ、 北殿は中国風で、中国の使者を接待する時に使用されたといいます。 薩摩侵攻後の琉球王朝は、日本に対して、又中国に対しての外交儀礼が その大きな国家行事となっていきました。 日本に対しては、慶賀使（けいがし）といって、 琉球王の即位の時と、江戸で新将軍が就任した時に、 琉球王が、江戸に上り将軍に拝謁することを続けました。 臣従の証ということだったでしょうか。 一方、中国からは、冊封使（さっぽうし）といって、 琉球王の即位の時に、使者を迎えます。 これは、中国皇帝が朝貢貿易を許可し、 ”親中国”として認証するという意味合いを持った、 壮麗な儀式でありました。  守礼の門です。 「守礼之邦」の扁額が掲げられていますが、 これも冊封使を迎える時に掲げていたものでした。 「礼を守る邦」を強調するためです。 琉球王朝は、外交や親善に努める事により、琉球存続の道を見いだそうとしていたのです。 そして、琉球王朝では、こうした儀礼・接待に力を入れた事により、芸能が発達しました。 創作舞踊の組踊りや三線を奏でる沖縄民謡など、 沖縄独特の芸能文化が形成されていきます。 現在のＪ－ＰＯＰで、沖縄出身者が多く活躍しているのも、 こうした伝統が底にはあるのではないかと思われます。 又、この時期、沖縄で空手が考案されています。 薩摩は沖縄民衆に対して、一切の武器所有を認めなかったため、 素手で戦える工夫をしていった事によるものです。 琉球王国は、世界でも珍しい武器のない国でありました。 色々な制約を受けながらも、独自の発達を遂げてきた琉球王国。 しかし、琉球王国も崩壊の時を迎えます。 琉球王国の最期は、日本の明治維新に伴うものでした。 １８７１年（明治４年） 版籍奉還が行われて、薩摩藩も鹿児島県となりました。 琉球王国も、それに伴い、鹿児島県管轄となります。 １８７３年（明治６年） 明治政府からの招きがあり、琉球王国は東京に慶賀使を派遣します。 薩摩藩が消滅した事で、永年の薩摩からの束縛から解放されると 喜んで出発した使節一行。 しかし、彼らは明治政府から、 ・琉球王国を琉球藩とする。 ・琉球王を廃止し、琉球藩主とする。 ・中国との朝貢貿易は廃止する。 といった内容の命令を受けます。 琉球王は東京に邸宅を用意し、 ５０万石の大名並の華族に列するという条件でした。 この時の琉球王は、尚泰。 これらの対応について、琉球王国内では、意見が紛糾しました。 ５００年にわたる中国の恩義を捨てられない、とする意見も強く、 琉球は決して承服しませんでした。 琉球問題は長引きます。 １８７９年（明治１２年） 明治政府は、兵４００を沖縄に送りました。 首里城に乗り込み、有無を言わせず、沖縄県の設置を宣言。 尚泰王は首里城を明け渡し、沖縄県が成立します。 この時、各村の有志が提灯を持ち寄って、 琉球王朝の葬式を見送ったといいます。 琉球王国の歴史は、こうして幕を閉じることになりました。 その後は、沖縄県として太平洋戦争をむかえ、 国内唯一の地上戦を経験。 戦後は、アメリカ軍による占領。 １９７２年(昭和４７年) 本土に復帰し、 現在に至ります。 今日５月１５日、沖縄は本土復帰３５周年を迎えました。 日本にとって、沖縄とはどういう存在なのか。 この機会に、沖縄について見つめ直してみたいと思います。 お気に入りの記事を「いいね！」で応援しよう
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