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2012年06月10日
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カテゴリ:地域の歴史・伝承

「ベンガラ色の町並で知られている吹屋ふるさと村という銅山の町に興味がある。」
とは、旅の計画をしている中での楊ぱちさんからのリクエスト。

古い町並みが残っていて、なかなか良さそうなところなので、
備中松山城の後は、そこへ行こうと決めていました。

***

備中松山城から降りてきた時間が、ちょうど昼の12時頃だったので、
一旦、駅まで戻って、昼食を取ろうとタクシーを呼びました。

途中、タクシーの運転手さんに「吹屋ふるさと村まで、どれくらいかかりますか?」
と聞くと、30分くらいとのこと。

「吹屋ふるさと村へ行かれるんかね。」と聞かれ、
行くつもりにしているけど、まず、駅の近くで食事をしてからというような話をしていると、
どうせ、ふるさと村に行かれるなら、このままふるさと村に行ったらどうか、と運転手さん。

「昼飯なら、ふるさと村で美味いうどん屋を知ってるから、
着いてから食事にすりゃ~ええが。」

料金についても、観光目的のタクシー利用は、30分につき1000円の助成が出る
備中高梁市の制度があり、割安になるということ。

結局、3時間タクシーを借切りにして、吹屋をまわることにしました。

でも、まあ、吹屋ふるさと村というところは、交通の便が悪いため、
元々、タクシーで行くつもりでしたから、丁度良かったんですが・・・。

駅方面に向けカウントされていたメーターをクリアして下さって、
一路、吹屋ふるさと村へと向かいます。

タクシーの車中。
この運転手さんが、また良く、喋る、しゃべる。

平安時代の希少なよろいが発見され、それを買う機会があったのに、
買わずに惜しいことをしたという人の話や、
ふるさと村を訪れた芸能人の裏話、ふるさと村の観光情報等など。

さすが、観光タクシーの運転手さんですね。
観光客の興味を、よくご存じでいらっしゃる。

そうした話を聞いているうち、いつのまにやら、吹屋ふるさと村に着いていました。


  • ベンガラの町並み.jpg



吹屋ふるさと村。

ベンガラ格子の家並みが続く、その町並みがとても素晴らしいです。
思わず、おーっと声を上げたくなるくらい。

想像していた以上に、すごく情緒があります。

昼食を済ませるや、さっそく町並みを歩きました。


  • 片山邸.jpg



明治期の商家跡「郷土館」
江戸時代からのベンガラ釜元の屋敷である「片山邸」など。

座敷や米蔵、女中部屋などを見て回っていると、
まるで、時代がタイムリップしたかのような雰囲気があります。

そして、この町並みからはずれて、少し歩いたところにあるのが「吹屋小学校」。

つい最近まで児童が通っていた現役最古の小学校校舎。
今年3月に廃校になったとして、ニュースでも取り上げられていましたね。


  • 吹屋小学校.jpg



100年以上も小学校として、児童たちが通い続けていた、この木造校舎。

実際に訪ねてみると思ったより立派な校舎で、風格のようなものさえ感じます。

こんな学校に通ってみたかったな、と思うほどに、歴史を感じさせる校舎です。


  • ベンガラの町並み2.jpg



家に帰ってから、吹屋地区の歴史についても、少し調べてみました。

吹屋の歴史というのは銅山とともに、という感じですが、
この銅山の存在は、平安時代の頃から知られていたようです。

戦国時代には、ここをめぐって尼子氏・毛利氏による争奪戦が行われ、
江戸時代に入ってからは、幕府直轄の天領とされました。

本格的な銅山開発が進められたのは、江戸時代中期くらいのこと。
これにより、銅の採掘量も飛躍的に増えていきます。

そして、さらに、この吹屋の名を高めたのは、
銅とともに、ここから掘り出されていた酸化鉄を加工するということを始めたこと。

これが、塗料や染料として用いられるベンガラであり、
この製造・販売により、吹屋の町は江戸から明治にわたり繁栄を極めます。

ベンガラ格子が続く家並みというのは、
この頃の繁栄の様子を、今に伝えるものなんですね。


さて、このベンガラ色の街並みを離れ、
タクシーで、吹屋のもう一か所の見どころへと向かっていきます。

ひと山超えて向かったこの地区にも、
吹屋、繁栄の歴史を今に伝える遺跡が残されているのです。


  • 笹畝坑道.jpg



江戸から大正にかけて、銅の採掘が行われていたという鉱山跡。
「笹畝坑道」です。

入口に置いてあるヘルメットをかぶり、鉱山の中へと入っていきます。

中はとても薄暗く、でも、意外と広くて、結構、距離があります。

少し不気味な坑内ではありますが、鉱山の中の様子がとても実感でき、
これも、なかなか経験できないことかなと思います。


  • ベンガラ館.jpg



明治の頃のベンガラ工場の様子を復元したという「ベンガラ館」です。

吹屋に繁栄をもたらした、このベンガラというのは、
吹屋が全国にさきがけて製造を始めたものだったということで
当時においてベンガラというのは、きっと、画期的な商品だったのでしょうね。


  • 広兼邸.jpg



この銅山とベンガラ製造により、巨万の富を築いたという富豪の邸宅跡「広兼邸」です。

このとてつもなく大きな邸宅。
石垣の上に建てられている、この建物は、まるで城郭のようであり、
いかに、この富豪が大きな富を手に入れていたか、ということがわかります。

この広兼さんという人、横山大観のパトロンをしていたともいうことで、
大観が龍を描いたというついたても、部屋の中に飾ってありました。

この壮大な屋敷は、映画「八つ墓村」のロケ地にもなったのだそうです。

***

午前中に行った備中松山城も良かったけれど、
この吹屋というところも、とても興味深かったですね。

ご案内頂いた楊ぱちさん、そしてタクシーの運転手さん、
大変、お世話になりました。

今回の備中高梁の旅は、本当に印象に残る、充実した一日でありました。






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最終更新日  2012年06月10日 17時58分23秒
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Re:備中高梁の旅・その2 ~吹屋ふるさと村(06/10)   KAZNY さん
日本でもこのような素晴らしい昔の街並みが残っているところがあるのですね。
いつまでも後世に残してほしいですね。 (2012年06月13日 06時03分44秒)

知らない場所が・・   ほほえみ塾 さん
沢山あると、いつもgundayuuさんに教えていただけますね。
今回も昔ながらの町並みや女郎部屋、、銅山、ベンガラ工場、そしてベンガラで財を為したお大尽様のお屋敷までご紹介いただいて感動しました!!

歴史を紐解くことで、その時代の経済状況も分かるし、
諸行無常、、全ては移りゆくもので息吹は感じられても、
同じとして残るモノはないんだと思い知らされます。

私たちは移ろう世界の住人であると言うことが良く分かります。

幸せも苦しさも永遠に続くものでないことを歴史の証人である場所が教えてくれます。
移ろう世界であろうとも、確かにその時代に生きた人が居たことを教えてくれる名残をこうして画像で見せていただくことで、
色々なことが想像されて楽しいし、自分の人生を振り返ることも出来ます。

そうそう、現代の面白さはおしゃべりが好きな運転手さんですね。
でも、その運転手さんのお陰で良かったこともあって出会いの大切さを感じました。
楽しい歴史の旅になってよかったですね。
ここもいつの日か、、私も出掛けてみたいと思いました。
素敵なブログをありがとうございました。

16日に大阪で開催される出版関係のセミナーに参加します。
午後7時過ぎから最終のバス時間までにお会いできればと思いますが・・
急なことなので無理かな??
(2012年06月14日 17時02分48秒)

高梁・・・備中松山城   ゆうあいママtosa さん
7月9日にバスツアーで行きます。
一足先に,ここで拝見して行った気分になっています。
いつもの,宅間館長のご案内です。
吹屋も行きますよ。
いつものメンバーです。 (2012年06月15日 22時04分09秒)

Re[1]:備中高梁の旅・その2 ~吹屋ふるさと村(06/10)   gundayuu さん
KAZNYさん
>日本でもこのような素晴らしい昔の街並みが残っているところがあるのですね。
>いつまでも後世に残してほしいですね。

本当に素敵な街並みでした。国からも重要伝統的建造物群保存地区に指定されているとか。今でも、このような古き良き町並みが、いくつか残されているんですね。
(2012年06月16日 10時55分17秒)

Re:知らない場所が・・(06/10)   gundayuu さん
ほほえみ塾さん
>歴史を紐解くことで、その時代の経済状況も分かるし、
>諸行無常、、全ては移りゆくもので息吹は感じられても、
>同じとして残るモノはないんだと思い知らされます。

>私たちは移ろう世界の住人であると言うことが良く分かります。
>幸せも苦しさも永遠に続くものでないことを歴史の証人である場所が教えてくれます。
>移ろう世界であろうとも、確かにその時代に生きた人が居たことを教えてくれる名残をこうして画像で見せていただくことで、
>色々なことが想像されて楽しいし、自分の人生を振り返ることも出来ます。

なるほど。
この吹屋ふるさと村というのは、移ろう世界を象徴しているのかも知れません。
どうしても、今の状況にとらわれながら過ごしてしまいがちですが、
長い目で見ると、それも移ろっていく中での一断片であるに、過ぎないのだと思います。
色々、勉強になりますね。

>そうそう、現代の面白さはおしゃべりが好きな運転手さんですね。
>でも、その運転手さんのお陰で良かったこともあって出会いの大切さを感じました。
>楽しい歴史の旅になってよかったですね。
>ここもいつの日か、、私も出掛けてみたいと思いました。
>素敵なブログをありがとうございました。

ええ、素敵な旅でありました。
いつか、訪れる機会があればいいですね。
いつも、有難うございます。
(2012年06月16日 10時56分27秒)

Re:高梁・・・備中松山城(06/10)   gundayuu さん
ゆうあいママtosaさん
>7月9日にバスツアーで行きます。
>一足先に,ここで拝見して行った気分になっています。
>いつもの,宅間館長のご案内です。
>吹屋も行きますよ。
>いつものメンバーです。

へえ~、今度は備中高梁なんですか。
7月9日(月)に行かれるんですね。

備中高梁、松山城も吹屋もとても良かったですよ。
楽しい旅になりそうですね。
備中高梁の旅、またブログで拝見させて頂きます。
(2012年06月16日 11時05分54秒)

祟りなんじゃあ、祟りなんじゃあ!   楊ぱち さん
gundayuuさん、こんにちは。
先日はほんまにお疲れ様でした。
思い出に浸りながら記事を読ませていただきました。
色々な所を見て回りましたが、個人的には武家屋敷と笹畝坑道が強く印象に残っています。
動く人形が不気味すぎて…(^^;
吹屋ふるさと村も思っていた以上に良かったです。
「広兼邸」は映画やドラマで何度か観ていましたが、実際に生で見てみるとあまりの大きさに圧倒されました。
思わず渥美清さんが金田一さんを演じた「八つ墓村」を十数年ぶりに観返してみたのですが…怖かったっす(><)

今回は楽しい旅に御一緒出来て、嬉しゅうございました。
有難うございました。
またいつの日か京都・大阪に旅する機会があれば、その時はまた宜しくお願い致しまする~m(_ _)m (2012年06月16日 11時57分57秒)

Re:祟りなんじゃあ、祟りなんじゃあ!(06/10)   gundayuu さん
楊ぱちさん、こんばんわ~。

>先日はほんまにお疲れ様でした。

どうも、おつかれさまでした。
特に山登り、体にこたえましたね。

>思い出に浸りながら記事を読ませていただきました。

私も、色々と思い出しながら書いておりました。

>色々な所を見て回りましたが、個人的には武家屋敷と笹畝坑道が強く印象に残っています。
>動く人形が不気味すぎて…(^^;

そうですね。動くからくり人形にはびっくりしました。
そんなところに、お金をかけなくてもいいと思うんですけどね。
笹畝坑道は、ちょっとしたお化け屋敷のような雰囲気で、確かにスリルがありましたね。

>「広兼邸」は映画やドラマで何度か観ていましたが、実際に生で見てみるとあまりの大きさに圧倒されました。
>思わず渥美清さんが金田一さんを演じた「八つ墓村」を十数年ぶりに観返してみたのですが…怖かったっす(><)

広兼邸、もの凄い邸宅でしたね。
「八つ墓村」のイメージどおり、
あまりに大きすぎるあの邸宅、住んでいても怖いような気がするくらいでした。

>今回は楽しい旅に御一緒出来て、嬉しゅうございました。
>有難うございました。

こちらこそ、有難うございました。
そう仰って頂けると嬉しいです。

>またいつの日か京都・大阪に旅する機会があれば、その時はまた宜しくお願い致しまする~m(_ _)m

ええ、また、機会があれば。
都合さえつけば、いつでも、ご案内させて頂きます。
(2012年06月17日 18時00分17秒)

Re:備中高梁の旅・その2 ~吹屋ふるさと村(06/10)   picchuko さん
gundayuuさん、こんばんは~☆
吹屋ふるさと村、いいですよね~。^^
私も去年の9月に初めて訪れたのですが、ベンガラの町並みは懐かしいような感じで、その素朴な雰囲気が気に入りました。
一番印象に残ってるのは、やっぱり吹屋小学校かな。^^
廃校になってしまったのは残念ですけど、これからも村の中心として、なんらかの形で活躍してほしいですね。
ピカピカに拭きこまれていた廊下が印象的でした。^^ (2012年06月17日 21時26分47秒)

Re[1]:備中高梁の旅・その2 ~吹屋ふるさと村(06/10)   gundayuu さん
picchukoさん、こんばんわ~

>吹屋ふるさと村、いいですよね~。^^
>私も去年の9月に初めて訪れたのですが、ベンガラの町並みは懐かしいような感じで、その素朴な雰囲気が気に入りました。

ほんと、古き良き時代を感じさせてくれる素朴さがありましたね。
素晴らしい町並みだと思います。

>一番印象に残ってるのは、やっぱり吹屋小学校かな。^^
>廃校になってしまったのは残念ですけど、これからも村の中心として、なんらかの形で活躍してほしいですね。
>ピカピカに拭きこまれていた廊下が印象的でした。^^

吹屋小学校の廊下はピカピカに磨かれているという話は聞きましたが、中には入れなかったんですよね。
それでも、校舎に貼られていた学校新聞などを見ていると、就学中の雰囲気も感じることができました。
この吹屋小学校の校舎。こんなにも立派で、長い期間の風雪に耐えてこられたというのも、吹屋地区が繁栄していた時期に、財を惜しまず良い校舎を建てたから、ということがあったのだそうです。
(2012年06月18日 21時54分53秒)

zveocllmzte@gmail.com   プラダ 財布 さん
お世話になります。とても良い記事ですね。 プラダ 財布 http://www.kfsmtv.net/prada_ladys_purse.html (2013年07月08日 16時18分16秒)

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