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元SF小説家・春橋哲史のブログ(フクイチ核災害は継続中)

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haruhasi@ ややこしい記事を読んで下さり、有難うございます きなこ様  度々、コメントを頂戴して有…
きなこ@ Re:フクイチの汚染水(処理水)放出までの経緯 2012年11月~23年8月(10/13) 詳しい経緯のまとめ、ありがとうございま…
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2021.09.18
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​​​※1 本記事は「緊急アップ」と題していたものを改題・加筆・訂正。
​※2 2022年5月19日、控訴審判決が言い渡され、原告の控訴は棄却された(→ ​判決概要等を記載したブログ記事​)



21年9月にフクイチ過労死訴訟、控訴審が開始

​​​​ フクイチ過労死訴訟(※)の控訴審の動きです。

※「福島第一原発過労死訴訟」の略。福島第一原発構内の自動車整備工場で働いていた二級自動車整備士の猪狩忠昭さんが、2017年10月26日の昼休憩明けに致死性不整脈で亡くなったことについて、遺族3人が、責任の明確化・謝罪・損害賠償を求めて、2019年2月に東京電力ホールディングス株式会社(発注元)・株式会社宇徳(元請け)・いわきオール㈱(雇用元)を提訴したもの。
 2021年3月30日、福島地裁いわき支部は、いわきオールと同社元役員らの責任を認めて約2500万円の損害賠償支払いを命じ、宇徳・東電への請求は棄却した。
 4月12日、遺族(原告)は、フクイチ構内の救急医療体制に関して宇徳・東電の責任が認められなかったことを理由に、仙台高裁へ控訴した。

 9月16日11時~、仙台高裁101号法廷で過労死訴訟・控訴審の口頭弁論が行われ(小林久起 裁判長/※※)​、忠昭さんの配偶者と長男が意見陳述しました。

※※ 小林 久起[こばやし ひさき]/1960年生まれ。1981年司法試験合格。1982年東京大学法学部卒。同年司法修習生(第36期)。1984年東京地裁判事補。最高裁事務総局行政局付、自治省財政局課長補佐、広島地裁判事補、法務省民事局付、同民事局第五課長、東京地裁判事、法務省大臣官房司法法制部参事官を経て、2001年12月~04年12月に司法制度改革推進本部事務局内閣参事官。
その後、東京高裁判事、大阪高裁判事、大阪地裁総括判事、東京地裁総括判事、さいたま地裁統括判事を経て、2017年10月から仙台高裁総括判事・仙台簡裁判事。
(​引用元のブログ​)

(リンク)
●​原告・配偶者さん控訴陳述書

●​原告・長男(第一子)控訴陳述書

●​原告・長女(第二子)控訴陳述書

 私は、高裁向かい側の小公園で開かれた集会に短時間だけ参加した後、弁論を傍聴しました。抽選は無かったです。傍聴席最前列の記者席(12席)には誰も来ていませんでした。
 傍聴者の凡そ3割は、被告側と思われるスーツ姿の男性達でした。
 被告側代理人は、宇徳が2人、東電が1人の計3人でした(原告側は、弁護人2人)。

 原告の意見陳述は凡そ10分間で(配偶者さん11:05~12、長男さん11:13~16)、その後、小林裁判長が話し始めました。
 私は、裁判長の話は「争点・論点の整理」かと思いつつメモを取っていましたが、今後の流れを一挙に決める内容で、判決にも等しいものでした。
 以下、原告お2人の意見陳述のほぼ全文と(読み易さを優先して句読点を適宜補い、改行していますが、文言は変更していません)、メモと記憶に頼った小林裁判長の話の書き起こしです。


​原告2人の意見陳述​

====Aさん(忠明さんの配偶者)の意見陳述====​

 4年前の9月に、夫は、連休を使って電車で家族に会いに来たことがありました。
 土浦駅まで迎えに行った時、助手席の窓から顔を出し、夫の姿を探す愛犬の後ろ姿があまりにも可愛くて、思わず写真に収めた事を思い出します。駅の階段を降って来た夫の姿を見つけるや否や、しっぽを振りまわし、耳を下げて喜んでいた姿を今でも忘れません。
 夫も1ヶ月ぶりに会う愛犬と、楽しそうに戯れていました。まだ昨日の事のようです。
 我が家にやって来た時から8ヶ月間、夫と暮らした愛犬にとって、夫は今でも一番大好きな人に違いありません。
 夏が終わり、空が高く青く、一年で一番好きな季節が来ると、最後に会った日の夫を思い出し、辛くなります。
 今生きていれば61歳。仕事も辞めてのんびり暮らしていたのでしょうか。
 休みの日も早起きの夫は、きっと私や子供たちの車を常にいじっていたんだろうと思います。
 夫がいなくなってから、車のメンテナンスが、こんなに大変だったと知りました。
 いつも私の車を整備してくれた事に本当に感謝しています。
 そして、運転が上手になった子供達の車に乗るのは、何よりの楽しみだったでしょう。

 私は今、自身の仕事がコロナ禍で自粛されている為、看護師で忙しい娘にお弁当を作ったり、ご飯を作ったりする時間を持てています。何を作っても、これも夫に食べてもらいたかった、あれも食べてもらいたかった。そればかり考えます。本当に何でも美味しそうに食べてくれる人でした。その時の笑顔はやっぱり忘れられません。

 なぜ私が仙台高等裁判所に控訴したのかを述べます。

 福島地裁いわき支部は、いわきオールと当時の役員の過労死責任を認めましたが、その一方で、救急医療体制について、東京電力と宇徳に過失が無く、安全衛生対策及び健康管理にも問題が無かったと判定しました。
 しかしこの判定は、事実に基づいておらず、間違っています。東京電力は作業員に配布した「傷病者発生の連絡カード」で、傷病者がでた時は事前にER室へ電話で通報するように指示していました。ところが2017年10月、夫に異常が生じた時、宇徳の整備工場に固定電話が無く、周りに居た人誰もが携帯電話を持っていませんでした。その結果、ER室へ電話をかけることができず、一刻が生と死を分ける心疾患の治療準備と治療開始が遅れたと言えます。「除染室到着後の治療に遅れはない」と言う判定は明らかに誤っています。携帯電話を持っていた責任者がなぜ一人も現場に居なかったのかも明らかになっていません。
 
 又、宇徳に安全衛生対策での責任が無いと言う判定も誤りです。
 宇徳は、夫が心疾患の基礎疾患を持っている事を十分知っていましたから、健康の確保に万全を期す義務がありました。宇徳の答弁書には、「労働者の健康の確保に万全をきすこと」に対し、これは「宇徳の雇用する労働者に対してのみの義務であり、下請け企業の労働者に対しては健康管理をしなければならない義務を負うことを根拠づけることはできない。」とありました。
 これが、原発廃炉作業を担う企業が発言する言葉とは思えません。
 そして夫が倒れた当日の状況説明を現場に居た全ての方から聞きたいと、当初から宇徳に求めておりますが未だ全員から説明されておらず、検証もされておりません。

 又、東京電力の答弁書において、「治療開始時間が数分程度早まったとしても、予後が確実に改善された可能性があるなどと言うことはできない」との、延命・生存の可能性を否定する発言は、万全の体制での治療を受けられた場合の発言であり、仮にも確実に数分の遅れがあった事実を無視して責任を認めず、転嫁しています。
 そして、コロナ禍だったとは言え、東京電力も宇徳も、証人尋問が誰一人もなされなかった事も、これまでの裁判を通して、納得の行かない所です。
 このように、私はいわき支部の判決が納得できず控訴しました。
 この夏も猛暑が続き、防護服と全面マスクで廃炉作業に従事されている作業員の方々が、被曝とコロナ感染と二重三重の闘いの中、汗だくで労働されている事を思うと、本当に頭が下がります。彼らが居てくれなければ、原発廃炉作業は進みませんし、国民の安全な暮らしも保障されません。

 夫の無念を晴らしたい、作業員の命を守りたい、そう祈りながらここまで来ました。

 コロナ禍が感染爆発した時、私は母として「辛ければ看護師を辞めてもいいんだよ」と娘に言いました。しかし娘は「今私達がみんな辞めたら、患者さんはどうなるの?辞められない」と即答でした。夫の遺伝子をしかっり受け継いた、芯の強い娘を誇らしく思います。

 原子力発電所という極めて危険で特殊な労働環境下で、賃金を搾取され、命まで脅かされるような事は、絶対にあってはならない事です。作業員が心身共に安全に労働出来るように改善して欲しいと願います。
 そして、当たり前ですが、命をかけて働く国民を守れる国にして下さい。作業員の命を軽視しないで下さい。

 特権階級の人間であれ、上級国民であれ、作業員であれ、命の重さは皆平等なはずです。
 大企業の意見は嘘でも通すのに、庶民がこれだけの時間を費やし調べた事実を無視しないで下さい。夫が生きていて真実を話す事が出来たら、隠蔽は出来なかった筈です。
 真実が白日の元に晒される事を願います。
 仙台高等裁判所におかれましては、事実に即した公正な判決を下していただきたく、切にお願い申し上げます。

​====Aさんの陳述、ここまで====​

====忠昭さんの第一子(長男)の意見陳述====

 父が亡くなってから、もう4年の月日が経とうとしています。
 ようやく家族で笑いながら父の思い出話も出来る様になった気がします。

 そうなれたのも、父の周りの友人や仲の良い職場の方などの話で、父の姿や人となり、周りに愛されていた父を知ることが出来た事、僕たちには見せなかった父の色んな顔を教えて頂けたからです。とても感謝しています。そのお陰で、今は家族全員で前に進めてる気がします。
 現在、私は地元に戻り、車を走らせる事が多くなり、次第に車に興味を持つようになりました。父が生きていたら、整備士である父と、どんな話で盛り上がったのかな?と、最近はそう思うようになりました。父が残していった車を、修理しながら今も大事に乗っています。壊れるまで乗るつもりです。そして私の運転で、いろんなところに連れて行きたかった。それが何より心残りです。
 次に、私が福島地裁いわき支部の判決で不服に思った点を述べます。

 私は2017年12月4日、母と叔母と3人で青森市に出向き、父が倒れた当時のER室の医師に面会しました。面会の時の録音もあります。
 医師の説明では、「あの日は急に壁が叩かれ、……事前連絡が無かった為、治療にあたり準備を行うことが出来なかった」という事でした。ER室に事前に電話連絡が出来なかった為、治療準備が遅れたという事です。
  私は、この時の医師の説明を今年3月1日にいわき支部で証言しました。母も医師から聞いたことを証言しました。しかし、いわき支部の判決文は医師の説明を無視して「除染室到着後の治療に遅れはない」と断言しています。普通に考えて治療準備が遅れれば、治療開始も遅れるのではないでしょうか。

 又、宇徳に安全衛生管理責任が無いとした判決についても理解出来ません。
 宇徳は責任を持つから、体温、血圧、放射線量の計測を行い、朝礼でKYを実施していたのではないでしょうか。

 仙台高等裁判所に、再度の審理と公正な判断をお願いいたします。

====長男の陳述、ここまで====


​被告側に反論の余地を与えなかった小林裁判長​

​====小林裁判長の話、ここから====​

 提出された証拠・証言と、いわき支部の判決を基に、本訴訟を整理したので、お伝えする。
 先ず、忠昭さんの死亡については、いわき支部の判決50頁からの項目に「業務に起因する死亡」である旨が記載されている。
​(春橋注:過労死訴訟の一審判決50~51頁。「忠昭は、発症前6か月間において、特に過重な労働に従事したことにより著しい疲労を蓄積させ、血管病変等がその自然的経過を超えて著しく増悪し、これにより致死性不整脈を発症したものと推認され、忠昭の死亡と業務との間に因果関係を認めるのが相当である」)​
 その「業務」を提供していたのは、宇徳と東電である。

 甲17号証・小笠原医師のカルテ。上から4行目に「突然、ERのドアが叩かれ(連絡なし)」と記載されている。そして、忠昭さんと働いていた同僚から聞いたのでしょうが、「数日前から『胸が痛い』と言っていた」との記載がある。
(春橋注:小笠原医師は、2017年10月当時、フクイチのERに勤務していた医師)

 甲9号証・いわき共立病院で忠昭さんの心臓手術をした医師の証言。忠昭さんは「左胸が痛い」と言っており、医師は「仕事が忙しいのだろうな」と察している。
(春橋注:忠昭さんは、2016年11月に心臓の手術をしている)

 乙C7号証・ER室の記録。ERは、ドアが叩かれる物音で緊急事態、つまり、急病人の発生に気付いた。この現代社会で、しかも原発の中で、緊急救命室が物音で気付くような状態で良いのか。普通に考えて疑問に思うだろう。

 乙C11号証・ERの担当だった東電の森社員の証言。5頁に「ガラス越しに、作業服姿の人が立っていて、身振り手振りで後方の車両を示していた。それで私は、急病人の発生に気付いた」とのこと。
 身振り手振り。これが、現代社会で、人の命に関わる緊急事態を伝える方法なのだろうか。

 乙B2号証の(福島第一の空撮)写真。車両整備工場からERまでかなりの距離が有りますね。この距離を防護服を着たまま、移動したんですよね。電話も無かった。
​ 私は、この裁判所に来て4年です。
 防護服を着て帰還困難区域を視察したことも有ります。汗だくになりました。私は全面マスクは付けませんでしたが、同僚の裁判官の中には、全面マスクを付けた者もいます。本当に息苦しくて大変だと言っていた。​


 更に証拠を示す。原発構内のERの出入り口の写真。ここには「内扉を叩いて知らせて」と掲示してある。叩いて知らせるのが、最新技術が集まっているとされる原発構内の事なのか。

 東電の担当者も、事前連絡が無かったのでサーベイや除染の準備が行えなかったことや、事前に連絡が有れば「2~3分の時間短縮の可能性」を認めている。東電の提出した証言では「準備が遅れても治療の開始には影響が無い」「短縮できても、救命できたかどうかは分からない」旨を言っているが、常識で考えて、準備が遅れれば、治療開始も遅れるだろう。又、「救命できたかどうか分からない・結果は変わらない」というのは、被告が言うべきことではない。

 電話があったとしても、実際にERへの連絡がなされていたかどうかは分からないが、連絡手段が無く、物音や身振り手振りで知らせるしかなかったのだから、遺族の心情として、この遅延に納得いかないのは当然だろう。
 又、周りの人も忠昭さんが体調不良を訴えているのに気付いていた。個人として気付けて、どうして組織として気付けなかったのか。この点の法的責任をどう評価するかはまた別だが。

 本訴訟は、いわき支部の段階で証拠・証言が提出され、双方とも、主張・立証を尽くしていると思うので、後は、提出されている書面や証拠を、裁判体としてどのように評価するかだと思う。本日は判決期日は定めないが、双方、弁論を終結させることで異議はないですか?

​(原告・被告とも沈黙)​

 それでは、弁論は終結します。
 双方、和解してはどうか。これから、7階の別室で和解協議を行うので、来て下さい。

 閉廷します。

​====裁判長の話、ここまで====​

 繰り返しですが、裁判長の話については、メモと記憶に頼った書き起こしであることにご留意下さい。
 裁判長の話から閉廷まで、11:16~40でした。
 専門的には「弁論終結・和解勧告」と言うそうです。

 弁論後の報告集会によると、

①宇徳・東電の代理人は、裁判長に「(和解について)持ち帰って検討する」ことを伝えた。
②次回は10月29日に非公開の和解協議が開かれる。

 とのことです。

 過労死訴訟は、20数分間の裁判長の話で、一挙に、原告有利の流れが決定づけられました。支援する会もブログに内容を掲載しています。

(リンク)
●​驚きの高裁・口頭弁論報告​(2021年9月18日記事)

 この訴訟は判決ではなく「原告に有利な和解」で決着を見るかも知れませんが、和解協議の結果は、支援する会等から伝えられると思うので、それを待ちます。

 裁判所前集会から、報告集会までの写真です。

↓ 裁判所向かい側の小公園で開かれた集会の一コマ。奥の建物が裁判所。


↓ 横断幕の横に立つAさん(匿名のため、顔が映らないように撮影)


↓ 裁判所の門



↓ 報告集会・開始前


​↓ 報告集会には、ひだんれん(原発被害者団体連絡会)共同代表・福島原発告訴団団長の武藤類子さんも参加​



個人的な所感

 裁判長の話は、判事が原告の代理人になったのかと錯覚する程でした。
 被告が控訴しなかった一審判決を引用する形で、「業務と忠昭さんの死亡には因果関係がある」ことを大前提とし、「物音」「身振り手振り」「時間短縮の可能性」「移動距離が長い」を被告側の証拠・証言から引用し、「準備が遅れれば開始も遅れる」と当たり前のことを指摘しました。
(小林裁判長は、フクイチの空撮写真も傍聴席に見える様に示し、「全体に向かって語っている」のが伝わってきました)

 その上で、「救命できたかどうかは分からない・結果は変わらない」は被告が言うべき事でないこと、「数分の遅れであったとしても遺族として納得がいかないのは当然」という、常識や人の道として当たり前のことを述べた上で、忠昭さんの健康状態について組織として気付けた可能性も指摘し、被告側が反論する余地を悉く塞いでいきました。

 この間、凡そ20分強。法廷ドラマを見ているようでした。
 裁判長の発言は、原告・被告とも予想していなかったようで、双方とも、裁判長が証拠の書面番号を発言する度に書類の束を捲って探していました。

 私は、裁判長が話し始めた時、論点整理や今後の進行に関する事務的な事かと思っていたのですが、判決に等しい内容を話し、弁論終結に持っていくとは全く予期していませんでした。このような展開の弁論を傍聴したのは初めてでした。

 裁判長が和解勧告をしたのは、被告側の上告や裁判官忌避の申し立てを防ぐ意味もあったのだと推測しています(「裁判長が一方的に進めた」というのは、忌避の申し立ての理由になり得ます)。
 しかも、小林裁判長は、結審(証拠・証言の提出は終了)について双方「異議が無い」ことを確認した上で和解協議に持っていきましたから、被告側から新たな反論はできません。
 被告(宇徳・東電)は、賠償金の多寡より、「フクイチ構内の救命体制に不備があり、働く人への安全配慮義務が欠けていたこと」が判例となるのを最も恐れている筈です。
 宇徳の法的責任が認められれば、宇徳だけの問題にとどまらず、フクイチに元請けとして入っている他の会社(東芝、日立、鹿島、等々)にも影響を及ぼすでしょう。

「同じ悲劇が繰り返されるような職場環境であってはならない」というのが、原告の思いです。 
 忠昭さんが亡くなってから約4年。
 ご遺族の思いは、東電(発注元)と元請けの法的責任を追及する道を大きく切り開きました。私の知る限り、原発の下請労働者の安全配慮義務に関して、電力事業者と元請けが揃って、ここまで追い詰められた事例は初めてです。

「苔の一念岩をも通す」と言うべきか、「至誠天に通ず」と言うべきか。ご遺族のこれまでの戦いに敬意を表します。


春橋哲史(ツイッターアカウント:haruhasiSF)​​​​​​​​​​​​​​





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Last updated  2022.05.23 04:09:26
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