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JINさんの陽蜂農遠日記

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2023.03.16
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カテゴリ:JINさんの農園
挑む」。



日本人による毒の解明
生物の毒は、体内に含まれる毒性を示す化学物質に由来します。毒の正体を解き明かすには、
その化学物質を純度よく集め、構造を決めることが第一歩となります。
ここでは、日本人化学者による毒の解明への貢献を紹介します。」



天然物化学とフグ毒
フグ毒テトロドトキシンに関する研究は日本の化学者によって発展しました。その構造は、
1964年の国際天然物化学会議で名古屋大学の平田義正(1915-2000 )、東京大学の津田恭介
(1907-1999 )、ハーバード大学のロバート・バーンズ・ウッドフード(1917-1979 )の3つの
グループによって同時に独立して報告されました。ウッドワードは翌1965年にノーベル化学賞を
受賞する著名な化学者であり、この出来事は日本の化学者を大いに刺激しました。」



テトロドトキシンの分子模型」



テトロドトキシンの分子模型
フグなどに含まれる神経毒。平田義正らと津田恭介らによって独立して構造決定され、
岸義人らによって人工的に合成されました。
化学式:C11H17N3O8」



パリトキシンの分子模型

スナギンチャクに含まれる毒成分。上村大輔らによって構造決定され、岸義人らによって
人工的に合成されました。人工的に合成された分子として、最大サイズ。

​化学式:C129H223N3O54」



「海洋生物の毒の起源
シガテラは熱帯および亜熱帯海域の魚介類による死亡率の低い食中毒の総称で、海外では
毎年5万人もの人が中毒症状を発しています。東北大学の安元健(1935- )らは、毒性の強い
タヒチ産サザナミハギから、新種の渦鞭毛藻を発見しました。この渦鞭毛藻から
シガトキシンが単離されたことで、シガテラ毒の起源が明らかとなりました。」



シガテラ毒」。



シガトキシンの分子模型
シガテラを引き起こす毒成分。安元らによって構造決定されました。有毒渦鞭毛藻によって

生産され、捕食した魚類や貝類に蓄積されます。有毒渦鞭毛藻から単離されたことで、シガテラの
起源が明らかになりました。
化学式:C60H86O19」

模型の後ろにはシガトキシンを生産する「渦鞭毛藻
安元健らが新種として発見した渦鞭毛藻。シガトキシンを産生します。海藻の表面に付着して
生育するため,海藻を餌とする魚や巻貝の毒化を引き起こします。



サザナミハギ
体のさざ波のような模様が特徴で、食べるとシガテラの恐れがあります。安元健らは、
サザナミハギの消化管からシガトキシンを生産する渦鞭毛藻を発見しました。」



ネットから「サザナミハギ」の写真を。



構造決定から全合成へ
天然化合物の構造の美しさに魅かれた化学者は、天然化合物をパズルのように人工的に合成する
全合成研究に取り組みました。フグ毒テトロドトキシンの構造が明らかになった後、世界に
先駆けて全合成を成し遂げたのは、岸義人(1937-2023)らです。岸はその後もさまざまな
天然物の全合成を驚異的な速さで成し遂げました。」



毒の解明から薬の開発へ
生体に大きな作用を及ぼす毒は同時に薬にもなりえます。ハリコンドリンBは、上村大輔
(1945-2021)らによってクロイソカイメンから単離、構造決定された化合物で、強力な
細胞毒性と抗腫瘍活性を示します。その全合成が岸義人らによって達成されたことで、
合成中間体の右半分の部分構造だけでも決定的な抗腫瘍活性があることが分かり、抗がん剤
エリブリンの開発へとつながりました。」



ハリコンドリンBの分子模型
強力な細胞毒性と抗腫瘍活性(がんなどの腫瘍の増殖を抑える性質)を示します。
上村大輔らによって構造決定され、岸義人らによって人工的に合成されました。
化学式:C60H86O19」
エリブリンの分子模型

ハリコンドリンBの抗腫瘍活性に着目して合成された化合物、抗がん剤として実用化されています。
その構造は、ハリコンドリンBの右半分と似ています。
化学式: C40H59NO11」



毒を操る
人間がはじめて毒を利用したのは、おそらく狩猟でしょう。
やがて、人間は毒を上手に操りながら、歴史と文化を築いてきました。
ここからは、人間による毒の利用を見ていきましよう。」



世界の矢毒文化
世界中の狩猟採集民は自然毒をうまく利用する技術をもっています。文化人類学者の行川元助
(1913-1981)は毒の種類に基づき、4つの矢毒文化圏に分類しています。」
ストロファンツス矢毒文化圏
ストロファンツスのストロファチンなどを利用。弓や槍などで用いる。」

​​「​​イポー矢毒文化圏​​
アンチアリスのトクシカリアやマチンのストリキニーネを利用。主に吹き矢で用いる。」
トリカブト矢毒文化圏
トリカブトに含まれるアコニチンを利用。手持ち弓や仕掛け弓などで用いる。
​​​クラーレ矢毒文化圏​​​
ストリクノスやコンドデンドロンなどから得られた毒を利用  手持ち弓や吹き矢で用いる。」​



トリカブト矢毒文化圏の弓と矢
アイヌ民族の弓と矢。トリカブト毒は神経毒で獲物を麻痺させます。調合された毒は矢じりの
くぼんだ部分にに取り付けられました。」



クラーレ矢毒文化圏の毒やじり

ペルー先住民族の毒矢用矢じり。クラーレ矢毒文化圏では毒の素材や効果も多様です。」



クラーレ矢毒文化圏の毒矢じり

ペルー・先住民族の毒矢用矢じり。毒が塗られた矢じりは、使う人の安全や扱いやすさなどの
点から、矢の棒の部分に差し込まれて使われました。」


​​​イポー矢毒文化圏の毒入れ容器(毒吹き矢つき)​​​
マレーシア・マレー属の毒入れ容器。毒塗布器の先端には調合された毒が付着しています。」



​​​イポー矢毒文化圏の毒入れ容器(毒吹き矢つき)
ボルネオ・ダヤク族の毒入れ容器。イボー矢毒文化圏では吹き矢が使われることが多いのです。
容器の中に入っているのは吹き矢で、先端は毒によって黒く変色しています。」



​​ストロファンツス矢毒文化圏​の毒入れ容器
アフリカ・サン族の毒入れ容器。毒を密閉するため、容器の蓋は動物の皮で造られています。」



​​ストロファンツス矢毒文化圏​の弓と矢
アフリカ・サン族の弓と矢。ストロファンツス毒は神経毒で、強心剤として利用されています。
矢の「矢じり部分」と「矢の棒の部分」は簡単に取り外されるようになっています。」



アマッポ用毒矢
通常の矢と同様、矢じりには毒を入れる窪みがありますが、アマッポ用の毒矢には
羽かざりが付けられません。」



アイヌの仕掛け弓「アマッポ」
北海道の先住民であるアイメ民族は仕掛け弓「アマッポ」を使用する独特な狩猟方法を用いて
いました.これを動物の通る道に設置して、自動で毒矢が発射される仕掛けです。アイヌ民族が、
毒を熟知し、自然と共存する文化をもっていたからこそ可能であった方法といえます。」​




オクトリカブト」。




エゾトリカブト」。




毒もみ(魚毒漁)
魚毒漁(ぎょどくりょう)は、毒で魚を麻痺させて捕る猟法で、古くから世界各地に見られます。
日本では、サンショウやエゴノキなとの魚類に毒性をもつ果実や樹皮を入れた袋を上流で揉んで、
魚を捕っていたことから「毒もみ」と呼びました。しかし、魚毒漁は破壊的な漁法になる恐れが
あり、日本では1951年に水産資源保護法により禁止されました。」
サンショウ
サンショオールという痺れを起こさせる辛味成分を含み、樹皮・果実・葉が全国的に魚毒漁に
使用されていた代表的な植物。」
工ゴノキ
サポニンなどの有毒成分が含まれる。」



サンショウの果実」。



宮沢賢治著「毒もみの好きな署長さん」
童話のテーマになるくらい当時は魚毒漁が一般的に行われていたことが分かります。」



エゴノキの果実」。




殺虫剤と忌避剤
人間は、植物が捕食者から身を守るために合成している毒を、殺虫剤や忌避剤として利用して
きました。1890年、日本で発明された、世界初の蚊取り線香には、殺虫成分をもつ
シロバナムショケギクの花の粉末が練り込まれています。また、インドセングンも天然の
忌避作用を有する農薬として注目されています。」
シロバナムショケギク
バルカン半島の西部が原産と考えられている。」
インドセンダン(センダン科)
ニームとばれる。種子はアザジラクチンという昆虫に対する摂食阻害活性を示す物質を含む。
人間や家畜には無害で残留性も低いため環境に優しい。」



シロバナムショケギク」。




蚊取り線香」。



シロバナムショケギクの粉末」。



世界初の蚊取り線香
棒状のため燃焼時間が短く、効果が続きませんでした。」
渦巻き型の蚊取り線香
1895年、発明王上山英一郎の妻の発想から燃焼時間を長くした渦巻き型の蚊取り線香が
誕生しました。ヘビがとぐろを巻いている姿を見て思いついたと言われています。」



インドセンダン」。




ラテックスの利用--天然ゴム
植物が捕食者や類から身を守るために生産すると考えられている乳液状の樹液(ラテックス)も、
人間はうまく産業に利用してきました。その代表例がパラゴムノキから得られる天然ゴムで、
自動車や航空機のタイヤ、輪ゴムから建物の免震装置に至るまで、私たちの生活に欠かすことは
できません。」
航空機タイヤは、その耐久性の高さから特に天然ゴム含量が高い」。



グアユール(キク科)
天然ゴムの原料をパラゴムノキ1種に依存しないため、研究されている代替種」。



暮らす
ここまでの展示で、毒と、人間の暮らしが切り離せないことが分かってもらえたかと思います。
ここからは、私たちの日常の暮らしのなかにある毒を見ていきましょう。」



日常のなかにある毒
ここには、本展覧会の冒頭のイラストに示した毒物の一部を展示しました。微量では毒性が
ないもの、人間には影響がないがペットには毒となるもの、アレルギーなど特定の人には
毒となるものなど、さまざまな毒があります。」



近づいて。



日常のなかにある毒」が並ぶ。



その先にも。



ポトス
ポトスは代表的な観葉植物ですが、サトイモ科のためシュウ酸カルシウムを含みます」。



セイヨウアジサイ

アジサイは、人間にもペットにも有毒です。フエプリフジンという成分か吐気、嘔吐を
引き起こします。」

セイヨウアジサイ

アジサイは、人間にもペットにも有毒です。フエプリフジンという成分か吐気、嘔吐を
引き起こします。」。


酒類(アルコール)
酒に含まれるアルコールも神経毒の1種です。」



ピーナッツ
イヌがピーナッツを食べると、下痢、嘔吐、腹部不快感などの消化器の症状が出ます。
神経毒性を示すことがあリますが、原因は不明です。」
タバコ
ニコチンは神経毒の1種です。」



洗浄剤(塩素系)
塩素を含む洗剤は、酸性洗剤と反応して塩素ガスの発生源になる場合があります。」
ネコの毛
ネコやイヌの毛はアレルギーの原因になります。」



ユリ
イヌやネコが誤って口にすると急性の腎障害を起こします。特にネコには猛毒になります。」


花粉(マツ)
植物の花粉は、アレルギーの原因にばります。スギやブタクサが有名です。」



アズマヒキガエル
脅威を感しると神経毒を含む白い液を分泌します。ロや鼻に付着すると激しく痛みます。」



​​​​                               ・・・​もどる​・・・



                 ・・・​つづく​・・・






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Last updated  2023.03.16 14:51:17
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