【星野伸之 緩急自在】 阪神・藤浪の制球難の原因、横振りから縦振りに矯正へ効果的
【星野伸之 緩急自在】阪神・藤浪の制球難の原因、横振りから縦振りに矯正へ効果的山本昌臨時コーチから指導を受ける阪神・藤浪晋太郎(右)=安芸市営球場(撮影・水島啓輔) 阪神秋季キャンプ(1日、安芸)チェンジアップを投げるには、腕を縦に振る必要がある。横に振るチェンジアップはない。常に縦振りの意識付けができていなければ、持ち球にはできない。チェンジアップで縦振りができれば、真っすぐを投げる時も必然的に腕が縦振りになる-。これが山本昌の主張であり、ある意味、野球の常識でもある。 藤浪の投球フォームはスリークオーター気味で、腕が横振り、つまり“寝た”状態になっている。これが制球難の原因で、右打者への死球や、左打者への引っかかった球に直結している。おそらく山本昌も、この横振りを縦振りに矯正するためにチェンジアップ習得を薦めたはず。私は的確なアドバイスだと思う。 傾向的にチェンジアップは右打者に向かっていく球であり、藤浪にとって1つの不安になり兼ねない球ではある。が、そのマイナス以上に縦のラインを意識させることが重要だと感じたのだろう。山本昌自身がスクリューという1つの新しい球を身につけることで、一気に視界が開けた。同じようにチェンジアップで現状を打開させたいという思いだ。 ただし、これを自分の引き出しにするかどうかは本人次第。藤浪がどう受け止め、消化するかに掛かっている。 (サンケイスポーツ専属評論家)