断熱のないドッキングハウスで冬を過ごすには
昨日も家族4人で一泊夕食宿泊実験しました。ここ最近の宿泊実験で得た知見というか、あくまで自分の感性なのだけど、自分としては冬を過ごせる見通しが立ってきたので、まとめてみます。以前書いた内容も含まれるので、そこも簡単に。フィールドのドッキングハウスを紹介したときに一番多い質問、「冬はどうするの?」「断熱はどうするの?」に対する現時点での回答にもなります。次の9つの要素により、乗り切ることを考えています。1.屋外との気温差2.体の慣れ3.ドラム缶風呂4.薪ストーブ5.食べる暖房、雑炊6.人体熱源7.究極の断熱、着る断熱8.起きたくなるまで寝る9.雪断熱1.屋外との気温差屋外で活動した後に屋内に入ると、風がないだけで暖かく感じる。実際の温度の差は5度程度(例えば屋外が0度、室内は5度)だとしても暖かく感じる。2.季節的な体の慣れ段々寒くなっていく秋にそのシーズン初めて感じる5度と、段々あたたかくなっていく春にそのシーズン初めて感じる5度は、同じ温度なのに秋は相当寒く感じて春はかなり暖かく感じる。最近でも、夜に初めて12度を経験した日は寒くてたまらなかったのだけど、2回目の12度は全然大したことがなかった。3.ドラム缶風呂ドラム缶風呂は6,7月に4回ほど入っただけではあるのだけど、あれはすごい。通常のお風呂は、お湯を入れても段々ぬるくなっていく。だけどドラム缶風呂を、火を焚いたまま入ると、最初ぬるくてもどんどん熱くなっていって相当体があったまる。そして出た後はなかなか体が冷えず、汗がいつまでたっても出てくる、ちょうど温泉に入った後のような感じだった。4.薪ストーブドッキングハウスに設置している薪ストーブでは、つけっぱなしにしても室温は5度程度しか上がらない。しかしストーブの前にいて15分ほどじっとしていると、体が芯からぽかぽか暖まってくる気がする。昔、なんかのテレビショッピングで、「この商品は遠赤外線が出てあたたまり方が違うんです」などという売り文句があったけど、灯油ストーブにはないあたたまり方が、薪ストーブにはある気がするのです(遠赤外線なのかなんなのかはよくわかりません)。5.食べる暖房、雑炊マンガ日本昔のイメージでは、囲炉裏を囲み、上から吊り下げられた雑炊の入った鍋を食べている(中身が雑炊かどうかは知らんけど)。昨日の夕食も薪ストーブで温めた雑炊を食べたのだけど、食べた後、室温18度にもかかわらず汗が出てきて暑くてしばらくTシャツで過ごしていた。だから冬は、常に鍋をストーブの上に置いておいて、減ってきたら野菜や汁や米をつぎたし、鍋を切らさないようにする。そして食事のとき以外にも寒い時にはそれを食べる。それでかなり暖かくなれそうだ。6.人体熱源人が集まると部屋が暖かくなる。人体は、実は一人あたり100ワット程度の暖房に匹敵する発熱をしているとの説がある。これは自分の実感としてはけっこう合っていると思う。昔の実家で、800ワットの電気暖房を使っていたのだけど、家族4人で過ごすとそれだけで半分の暖房があることになるのだろうか。7.究極の断熱、着る断熱一言で言うとスキーウェアです。あれは最高の着る断熱です。一般的な住宅は、家全体を断熱材で覆っているので、ストーブの熱が逃げにくく、家でも薄着でいられます。でもそれは断熱材をたくさん使うし、施工自体がぼくにとっては簡単ではありません。断熱は、規模が小さいほど簡単になります。というわけで、究極に断熱を小さくしたものが着る断熱、スキーウェアということになります。フィールドづくりの教科書(?)、ドラマ「北の国から」でも、純とほたるはよく青と赤のスキーウェアを着てましたね(室内で着ていたかどうかはあまり覚えてないけど)。常にスキーウェアを家で着ているのはゴワゴワしていやだけど、本当に寒い時はそこまですれば大丈夫なのでは?8.体温が上がってから起きる(早寝早起き)朝、寒くて布団から出られないと、よく言います。これは、朝、出かけなければならないのに、寒くて出られないということだと思いますが、そもそも一般的な日本人は忙しすぎて、慢性的睡眠不足ではないかと思っています。体温は、寝ているときには下がって、だんだん上がっていって目が覚めるとも聞きます。でも忙しい人は、体温が上がる前に起きなければいけない。だから布団から出られないということになるのかと。体温が上がってから起きると、それほど寒くない。でも普通は仕事や学校があるので、体温が上がるのを待っていられません。体温が上がってから起きても遅刻しないためには、睡眠時間を十分にとれるほど早く寝ることが必要になりますが、これができれば寒さを感じる度合いが小さくなるでしょう。9.雪断熱ドッキングハウス全体を、雪で覆います。これは今年の3月に実験し、ほぼ効果があることを、私の体感としてわかっています。(どれも科学的な実証は難しいので、ほとんどが私の体験をもとにした仮説です)ということで、特効薬的な対策はありませんが、これらを組み合わせることで寒さをしのげるか、はたまたやっぱりしのげないのか。今後の宿泊実験に乞うご期待です。(今年の冬はタイに行っちゃいますが)写真は、昨日の宿泊実験、夕食終了後19時半ごろの気温、18度でした。