形容詞と副詞、映画の種本
Sunday, March 15, 2020 午前4時起床。晴れ。終日、強い北西の風が吹きました。 昼までは書斎に。午後は録画した新米刑事モースを見ました。今日は野良仕事なし。 夕刻、石抜きをするために、松葉掻きでそれを寄せました。その足で、走りました。以下にカメランを4枚。1枚目は畦塗りの図。先日、そのアタッチメントを付けたトラクターの写真を載せました。それで塗ったと判ります。これを鍬1本でとなると、酷い目に遭います。 JのKやん宅前にある枇杷が実を付けました。食べ頃になるのは梅雨入りの頃です。 次は桜二題。大島桜かな? こちらは河津桜? 今日は日曜日だからでしょうか。走っていて、5人に行き遇わせました。うち3人とは足を止めて立ち話。一人はお寺の住職。時々、柴犬を連れた姿を見かけます。しばらくぶりでした。不整脈のあって、カテーテルによる手術をしたとのこと。書くこと能わずですが、宗派や寺の経営について話してくれました。その業界も厳しいご時世とのこと。K林業製材所に社長がいました。昨年末、一緒に倒した櫟にまだ駒を打っていないとのこと。その道に素人の私ですが、知る限り、周りの人は打ち終わったはずと返しました。最後の一人はKさん。薪ストーブのオーナーです。庭先に玉切って積んだ樫を割っていました。近くの山を切っている人に貰ったとのこと。上等の薪です。羨ましいな。 林道途中にタラノメが点在します。まだほんの2~3センチなのに、早くもちぎられた後。食べるに食べられぬ大きさのはずです。私の所有する山ではないので仕方ありませんが、なんとはなし、けしからん気がします。よし、それならば私も負けじ、その先を越さねば。 家に戻って風呂。今日のお勤めは最初からウィスキーのストレート。イギリスドラマのシーンに、それをグビリの場面が多いのです。刺激を受けてのことでした。当ては塩麹に漬け込んで小一週間の牡丹肉。柔らかくなっていました。 メインは里芋のラザニア風。パスタではありません。潰した里芋を平たく伸ばし、その上にシメジ、コーン、チーズなどを撒いて焼いた料理。薄味でしたがその分、材料の風味がよく出ていい感じでした。 書くことがないので、このところ気に障ることを。 或る方の演説です。その方、形容詞や副詞を多用します。 「あらゆる」「いち早く」「一層」「果断に」「切れ目のない」「しっかりと」「真摯に」「全て」「速やかに」「全力を」「大胆に」「断じて」「力強い」「着実に」「躊躇なく」「何としても」「万全の」「引き続き」「必要かつ十分な」「真正面から」「全く」「毛頭」「揺るぎのない」・・・。 形容詞は名詞や動詞、副詞は形容詞をそれぞれ飾る言葉です。面白いことに、どれもがカッコいい言葉です。修飾される言葉の程度を高め、持ち上げ、飾り立てようとするものばかりです。演説に使うには持って来いの言葉ですし、それを使うと格調が高くなります(なったような気がします)。 しかし、それは使う人に依りけり。或る方がこれらをたくさん使うと、己の言い分を100点満点だと飾っているように聞こえてなりません。それには理由があります。或る方は「真摯に受け止め」とか「丁寧な説明」とか言いながら、飾り立てた言葉とは裏腹、実際にはそうでない振る舞いと言動をしてばかりだからです。立場をわきまえず、人の話にヤジを飛ばしもします。加えて取り巻きの子分さんたちの言葉も嘘か本当かわからない、怪しいのです。時として馬脚を現しもしますが、それも不問。 私は、その方と会って話したことはありませんが、伝え聞くところを総合すると、人品の程はある程度推察することができます。巧言令色鮮し仁、その印象を持ってしまうと、尊敬の念は失せ、演説が空虚な言葉に聞こえます。鼻に付き、空言のような感じを覚えます。底の知れるとはこのことです。胸をそらせながら語っても、訴えるような目つきをしても、その方の口からだと、上げ底、言葉遊びのようなものに感じます。実態のない空言かと。 その方、、特によく使うのは「切れ目なく」と「しっかり」が多いようです。「しっかり」かぁ、よくよく考えると、物差しの及ばない言葉です。 余談です。上に書いたこととは関係ありませんが、形容詞ついでということで。 いつだったか、形容詞の少ないほど文章が締まる、というようなことをある文豪の本に読んだことがあります。それの少ない作品を書くことが作家の真髄なのでしょうか。漱石にしても川端康成にしても、気にかけて読むとそれの少ないことが判ります。 余談です。私、類語が好きです。久しぶりに今日の類語を。「馬脚を現す」の類語本性を露にする、ぼろが出る、化けの皮が剥がれる、アラが出る、仮面を脱ぐ、尻尾を出す、メッキが剥げる、、地金が出る、お里が知れる今日の一句唇の寒きことほど耳を立て今日のラン6km今日の酒ウィスキー3ショット 冷酒1合 ワイングラス1 今日の写真はSさんに貰った本です。双葉十三郎「外国映画ハラハラドキドキ僕の500本」文春新書950円。鑑賞の参考になります。 前にも掲載したことがありますが、私の所有する種本はこれ。写真の左です。1,000ページ、カラー版。5,500円です。世界の映画評論家60名の寄稿に依っています。双葉氏はストーリー中心の解説ですが、こちらは時代背景、映画の意図するところまで踏み込んで深い。 その一例が「戦場のピアニスト」の批評。略記します。「思想的な映画ではない。ホロスコートに対する明らかな視点もなければ、典型的ロマン・ポランスキー映画でもない。控えめで知的な作品。セピアに縁取られた濃茶色のスクリーン。何度となく涙を誘う。賢いポランスキーは、綿密に計画された恐怖を描くためには、細部に手を抜かないのが最善の策と決めた」