小鹿田焼
平成24年10月13日(土) 午前4時起床。終日晴れ。 今日は弊社の関係するイベントがありました。足を運ぶ予定でした。上司が配慮してくれました。代わりを買って出てくれました。そうさせて貰いました。ということで、今日は何をしようか、築良田のYさん倉庫裏に倒した木を運ぼうか。ボンヤリコーヒーを飲んでいて、そうだ、小鹿田だ。妻に提案したら、二つ返事が帰ってきました。昼前に出発。高速道路を一路日田向け。 写真は宮川内インターを過ぎた辺りです。晴れて由布、鶴見の山並みが美しい。手前左の白いのはビッグアイです。大分トリニータのホームスタジアム。日韓W杯の会場に使われました。イタリアがやってきましたし、決勝トーナメントではセネガルのディューフが大活躍しました。 さて、今日の目的は日田市皿山で開かれている民陶祭を覗くこと。「小鹿田焼」です。日田インターを降り、山の中に分け入りました。谷あいの集落は、稲刈りの最中でした。渡した竿に掛けて、旨味を出す所為です。写真は暗めですが、我ながらいい感じを切り取ったと思います。 目的地に着いたのは午後2時前。山あいですから駐車場がありません。集落手前の路上に車を停めました。日田駅とを結ぶシャトルバスも何台か停まっていました。歩いて300mばかり進むと、谷に沿って10数件の家並みがありました。そのほとんどが窯元です。それぞれが庭に、軒先に、縁側に、玄関の中に、倉庫中・・・、値札をつけた品物を並べていました。 客は多かったですが、ピークを過ぎたのか、一服の感もありました。焼物は、どれも独特の模様が刻んであります。皿は1,000円~2,000円。大皿は10,000円、徳利が1,000円前後、猪口やぐい飲み、カップは200円~1,000円といったところでしょうか。 窯は、共同利用するであろう昇窯と、それぞれの家に個別のものがあるようでした。こんな感じです。普段目にする機会がないため、その姿に惹かれました。なんだか炭焼窯に似た感じもあります。 写真は唐臼です。鹿威しの原理です。土を挽くこの音は「日本の音風景100選」に選ばれました。のんびりした風情は、分け入った谷筋ということもあり、旅情じみたものを感じさせてくれました。ちなみに100選では、北海道・鶴居村のタンチョウサンクチュアリ、岐阜・美濃市の卯建の町水琴窟などが有名です。 ここ皿山の小鹿田焼きは、柳宗悦(やなぎむねよし:民俗芸術の研究家、哲学者、思想家)やバーナード・リーチ(イギリス人陶芸家、芸術作品としての陶器に対し、民陶のもつ風情を前者と並び立つものと評価した功績大、戦後、2度にわたりここに逗留し器を焼いた)により、世に知られることになったそうです。陶器展の片隅に、リーチの写真を飾ってありました。 妻は皿を数枚、私は猪口とぐい飲みをしめて8つ、買いました。後者は1つ50円でした。軒先隅のかごにひとまとめとなって傷、ゆがみ物と書いた紙が貼られていた中から選びました。これらの写真は後日アップ予定です。 小腹が空きました。一軒だけのそば茶屋に入りました。カシワそば。器は当然ここの焼物です。そばは8割、いい出汁でした。2人で1杯をすすりました。おいなりさんを1つずつ食べました。 軒先でアユを焼いていました。写真だとよくわかりませんが、丸々太った養殖物です。1匹500円。これはスルー。 ここにいたのは2時間弱。とって返し、インター近く、三和種類の工場に寄りました。大分の銘酒いや銘焼酎「いいちこ」を造っています。 建物の中に入ると、酵母の甘い香りにつつまれます。左党の私、思わずニンマリ。どうですか、タンク内に膨れる卵色の感じ。 3階には蒸留器。このかたちには一種独特のものがあります。銀色に輝く姿はじつによいです。工場内の清潔さが際立ち、あらためて「いいちこ」を好きになりました。 敷地内には感じのよい売店がありました。もちろん試飲しました。といっても私はハンドルキーパー。妻が楽しみました。彼女、なんだか訳のわからぬリキュールを1本買ったようでした。私は舌の代わりに身体で焼酎を楽しみました。 折角この町に来たので、ということになり、想風恋(そうふうれん)に突っ込みました。 色気より食い気の妻が、「日田焼きそば」の名を呪文の如く唱え始めたからです。それは、このまちのB級グルメとして有名です。ペロリ平らげました。これで今日の旅は完結。家路につきました。いい休日になりました。