カテゴリ:読書:日本文学&小説
■積読状態の文庫本から次は幸田文。
といっても本書は小説ではなく、 父・幸田露伴をめぐるエッセイ集というべきだろう。 ■先に読んだ小池真理子のうまさと比べると、 幸田文の文章は、うまいというよりは、素朴で地味。 ただ、一語一語をじっくり読ませる味わいがあり、 いい意味ですんなり読み進められなかった。 これは新鮮な感覚だった。 こういう感覚は、武田百合子『富士日記』(中公文庫) を読んだ感じと似ている、と本書を読みながら感じていた。 ことばをぺろりぺろりと読むにふさわしい文章だと思う。 ■内容は、前半の「父」より後半の「こんなこと」の方が 幸田露伴と筆者とのかかわりが生き生きと描かれ、 楽しく読んだ。 厳しい父の教育と娘の関係が素直に書かれている。 ■ちなみに、以前読んだことのある幸田文は 『おとうと』(新潮文庫)のみ。 このときは、読み終えてしばらく落ち込んだ。 それは幸田文の文章が、内容と相俟って、 胸にじんわりとしみこんでいたからだろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006.11.28 16:01:24
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