「上意討ち 拝領妻始末」 【テレビ朝日。2月9日】
映画版は見たことがない。 なぜか田村正和主演でテレビ朝日が定期的に放送する時代劇スペシャル。 うーむ、こういう話だったのか。 強引な設定ではあるが、ドラマチックではある。ところが、元になった事件があったというからびっくりだ。 「愛」という言葉が出てくるのだが、これは現代的すぎる。江戸時代の武家には似つかわしくない。もちろん、そういう感情はあったはずではあるのだが、それを「愛」と表現したかどうかは疑問。 ドラマは非常に丁寧に作られている。 映像も美しく、セットも重厚。屋外の場面も多く、画面に奥行きがある。 制作スタッフの心意気が感じられる。 松平健が親友の役で、国境《くにざかい》の警備役。それが途中で意味を持って、なるほど、そういう伏線だったのか、と思うと、最後にまたその設定が大きな意味を持つ。 話もよくできている。 田村正和は、肉体の衰えは隠せないのだが、超人的な強さを見せる。それが不自然に見えないのがまたいい。 その妻が、これまたこの枠のレギュラーの梶芽衣子。これが悪女役で、当然うまい。(もともと、犯罪者や女無宿人のような役でメジャーになったのだ) 見応えがあった。 もうすぐ必殺スペシャル。 こういうのを月一回放送しないかなあ。 公式サイト 楽天会員以外の方のコメントは「輾転反側掲示板」へ