「医学的ブスにならない本」 【バーバラ寺岡】
角川文庫。1985.10.10初版。 著者の名は聞いたことがあるが、どういう人なのか知らない。 美容関係の仕事をしているらしい。 ブランドものなどで身を固めてかえってブスになるよりも、生活を改善して健康的な美しさを求めよう、というもの。 少女時代に、父親とともにいろいろな国を回った経験があり、それぞれの土地の「風土」「風景」「風味」のバランスにあった生活様式を見つけることが寛容だという。 乾燥した地域用の化粧品を、湿度の高い日本で使ってもいいことはないらしい。 また、「スポーツをすればするほど、女は醜くなるんです。」(p145)と言い切っている。 美容には全く興味がないので、美容法はどうでもいいのだが、書き手の姿勢は印象に残る。 全体に、「どうして世の中バカばっかりなんだろう、わたしはこんなに賢いのに」という態度で書かれている。おそらく、意識してそうしているのだろう。「わたしの言うとおりにすれば、わたしと同じようにみんなをバカにできますよ」ということなのだ。「足」という字が口を止めると書くのは、足の疲れがストレートに食欲減退に通じるからなんです。(p110)は、いわゆる字源俗解で、こんなことは書かない方がいい。 書き手の知性が疑われる。楽天ブログランキング←クリックしてください 楽天会員以外の方のコメントは「輾転反側掲示板」へどうぞ。