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マンション管理士イダケンが管理をグッと良くする

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カテゴリ:維持・修繕
 

先日神奈川県のとあるマンションで駐車場建替え工事の完了検査に立ち会いました。

築12年のマンションで50台分のパズル(横行昇降)式機械式駐車場が設置されております。

この機械が曲者で、10年を超えてから、日によって3回も装置異常で止まることも。原因は複数。チェーンの屈曲、モーターの異音、リミットスイッチの不良、落下防止装置の固着等々・・・居住者に聞くと、竣工当初から異常停止が多いとのこと。アフター無償期間中に、抜本的な是正をすればこんなことにならなかったのかもと思いました、後の祭り。

管理会社の対応が悪く、数年前に管理会社を変えたばかりのマンションです。すでに経年劣化なのか欠陥製品なのかわからない状態です。

故障があまりにも多いので、駐車場の契約を解除し少しずつ近隣の敷地外駐車場へ、当然収入が減っていきます。そんな中、改修見積が数千万円。長期修繕計画ではこれから10年間で約8000万円の修繕費が必要な計算が業者より提出されました。複数の保守会社から意見を求めましたが、金額的な面、修繕方法はほぼ似たり寄ったりの提案でした。

他の方法も検討しました。
自走式駐車場の改修は建築基準法および消防法に抵触しダメ。
機械式駐車場を解体し平置駐車場に変更は駐車台数が減り(50台→10台)、将来近隣の駐車場が確保できる保障がないのでダメ。
隣地の空き地を購入は、購入資金が確保できずダメ。

機械式駐車場の修繕を実施せざるを得ないと言う結果にたどり着くかに見えました。

提案をした一社から、これだけ多額の金額をかけて修繕をするのであれば、故障が少なく、耐久性が現行のものより良い新しい機械式駐車場に建替えるのも一考ではとの見解を述べました。私は、一回目の大規模修繕工事を控え、合意形成は難しいのではないかと考えましたが、理事長が前向きに捉え、理事会、説明会、臨時総会で熱心に説明。とんとん拍子で話が進み、その提案を受けてから半年後に総会で承認を得ることができました。

建替え工事の費用は5000万円。この工事を実施すると、修繕積立金残高が5000万円になります。大規模修繕の予算は約7000万円。資金が一時的にショートしますが、借入(3000万円)で賄うプランを立てました。このマンションは修繕積立金適正額への見直しが早かったこと、駐車場使用料の約50%を修繕積立金に充当していたこと、管理会社変更に伴い管理費余剰金を毎年修繕積立金に振り替えられていること、携帯基地局賃貸収入があること。収入面が安定しているマンションでしたので、臨時徴収や修繕積立金の値上げをしないで済みます。

竣工当時の機械式駐車場を高額な修繕費をかけて維持しても、故障が少なくなる保障はありません。また、設置台数の約半数が5ナンバーサイズのセダンタイプしか駐車できない駐車場のため、所有車輌が納まらず仕方なく外部に駐車場を借りている方が多い実情がありました。
建替え後の駐車場は車高が高い車や、3ナンバーサイズの車輌も駐車できるパレットとなり、希望者のほとんどがマンション敷地内駐車場にとめることができるようになりました。また、安全面が向上し、駐車装置内に子供が立ち入る不安も解消されました。

機械式駐車場は、ランニング費用(保守料)、修繕費を併せると、維持していくために高いお金が必要です。10年を超えたマンションでは、機械式駐車場の存続自体を検討しているところも少なくはないでしょう。今回の建替えは一例ですが、いろいろな視点から駐車場の管理方法を考えていく必要があるでしょう。



大規模修繕 コンサルタント
修繕積立金 ドットコム





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最終更新日  2010.02.21 22:11:32



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