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碁法の谷の庵にて

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2008年10月02日
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テーマ:ニュース(99716)
カテゴリ:カテゴリ未分類
さて、弁護団勝訴判決です。ソースはこちら

認容損害額は200万円と言うことです。名ばかりの損害賠償を認めたなどとは言えず、かなりの部分で損害を支払わされているとみてよいでしょう。


昨日は、モトケン先生のブログのかつてのコメント欄の議論の応酬を一通り目を通していました。また、橋下氏のブログも一応・・・と思っていたらなんと記事は消滅。知事になって以降見てなかったせいもあるけど。

さて、判決の方ですが、例えば因果関係がない(個々の懲戒請求者が勝手にやったこととか、弁護士としては私怨ではなく社会的問題意識のある懲戒請求は最高裁判例の射程外で甘受すべき)などという形で請求棄却という道筋もないわけではなかったでしょうし、棄却の理由(特に新事実が見つかったわけでもないのに、説明責任や荒唐無稽弁護を理由とした懲戒相当性を認めた場合など)によっては、もし裁判の終結より私が弁護士の資格を手に入れる方が早ければ私も代理人に名前を連ねようかと思うものも考えたりしましたが、そんなものが採用されなかったのは当然と言えば当然ですが安心はしました。


これ以降書くことは、ここのどこかを見れば書いてあることが多いのですが、ご容赦願います。


今後控訴上告と言うことになるのかどうか知りませんし、逆転判決の可能性も少なくとも抽象的にはあるのかもしれませんが、なんであれ橋下氏にはこの落とし前はつけていただく必要があります。
少なくとも、裁判所に対して悪態をつきながら言い訳を弄して訴訟から撤退するなどと言う行動に走れば、最大級の非難に値します。

刑事弁護の必要性を説く活動に参加したり、テレビでの発言力を生かしたり、また個々の懲戒請求者の分まで謝っておくのも当然です。それを前提にすれば、橋下氏の説明責任と言った立論を織り込んでもよいでしょう。もしそれをする気がないなら、弁護士バッジは返上していただきたいと思います。
大阪府知事で忙しい?そんなことは関係ありません。自分でまいた種を自分で刈り取るべきなのは公人でも私人でも当たり前です。前大阪府知事の横山ノック氏だって、知事で忙しい、公務の時間が惜しいといってなされたセクハラの訴訟に不戦敗戦術を取って非難されていましたし、そのような知事を選んだ大阪府民の自己責任でもあります。

橋下氏のばら撒いた弊害は実に沢山ありました。法的責任が問えるかどうかはまだしも、最初のきっかけが橋下氏にあったことは争いようがありませんし、橋下氏自身それを認めています。

一、個々の弁護士に対する侵害
審理の進行に専念させたい弁護団の業務を妨害し、却って訴訟の進行を遅らせる危険さえ招きました。弁護団はそんなことで審理を遅らせてくれとは言いませんでしたが、裁判の遅延に文句をつけていながら、異例とも言える迅速な審理を評価せず、遅延呼ばわりして弁護団の首を飛ばそうとする(当然そんなことをすれば審理はもっと遅れる!)姿は、滑稽でさえありました。

二、刑事弁護制度に対する侵害
刑事弁護人という職業のリスクを殊更にあおって増大させ、ただでさえ経済的・精神的に割に合わない刑事弁護の世界をますます魅力の遠いものにしました。私は刑事法に早くから興味があったタイプなのですが、少なくとも、私も時間や経済的な余裕があったとしても、重大事件の刑事事件もやってみたいとは思わなくなりました。懲戒請求に限ったことではありませんが、彼らはただでさえ細い刑事弁護の供給管を、何本もへし折ったのです。そういう意味で怒っていた弁護士は、私の研修先の事務所にもおられました。
もっとも、覚悟の足りない人間が就任することがなくなったという意味ではプラスの効果もあったかもしれませんが。

三、懲戒請求者らに対する不誠実
橋下氏は、懲戒請求を勧めたとき、懲戒請求が不法行為となる最高裁判例にはなんら触れませんでした。個人的には最高裁判例を知らなかったか、全く意識せずに語ったのではないかと思いますが、少なくとも十分な説明は怠っていたと言うべきです。万一編集の都合であったとしても、ブログなどで方向性を変更させることは彼なら出来たでしょう。
そして、懲戒請求不法行為説が登場してからも、独自法律解釈を盾に懲戒請求の相当性をわめき散らし、結果として彼の言葉に直接・間接に応じた多くの個別懲戒請求者を危険にさらしました。もっと懲戒請求の間口を広げるべきだと言う立論で、最高裁の解釈はおかしい、あるいは最高裁の判例の射程は限定すべきだと言うだけなら説得力はあったと思います(正直、それ自体としては最高裁の立論より説得力を感じるくらいです)し、懲戒請求をやってしまった人に対し、代理人として尻拭いをしているのなら分かりますが、まだなにもしていない人に勧めるのは、論外と言うべきことです。
こんな言葉を、他の法律家(有名弁護士も多数いました)が必死に窘めていたにも拘らずほいほいとそれに従ってしまう懲戒請求者。弁護団が現段階では攻撃姿勢をとる気はなさそうですが、判決次第によっては個別懲戒請求者に民事訴訟が行くことは十分に考えられました。少なくとも私ならそうするでしょう。というより、橋下氏の言葉に反応して懲戒請求をした人は、振り込め詐欺に引っかかりはしないかと不安になるくらいです。
さらに、当初は荒唐無稽な弁護を立論の基礎にすえながら、いきなり説明責任に話をシフトしました。本人は説明責任の点についても最初から考えていたかもしれませんが、伝わっていない以上(こちらのページを参照)どうしようもありません。
そして、当の懲戒請求はと言えば、自分では懲戒請求を行わず、各弁護士会で軒並み吹っ飛ばされています。しかも、東京弁護士会の議決を引っ張ってくれば、「請求者の理解不足が原因だ」とまで言われているのです。
自分の裁判で勝ちか負けか。しかし、例え勝てたとしても、現実に一回負けてしまった以上この体たらくは決して弁護士として信用できるものではありません。
そして、彼は訴訟に出てさえきませんでした。この裁判が、一歩間違えば、個別懲戒請求者の訴訟で不利に使われかねない裁判だという自覚があるのでしょうか。まして、彼はテレビに出て来い、反対尋問を受けてみろと挑発をしていたのに、一番の本丸である法廷には出てこないという手前勝手な姿勢もとっています。

四、その他関係者に対する不誠実
ブログ上で用いていた下世話な言葉の数々。本丸の事件がどういう事件か知っているのでしょうか。言葉の応酬の中でついかっとなって口をついて出たというだけなら、私は大目に見てあげてもいいんじゃないかと言う気はするのですが、彼はブログでまで同様の言葉を書き散らしていました。
さらに、被告人の弁護団ではない児玉弁護士には、90枚の準備書面をいきなりFAXで送りつけ、法律上の義務じゃないからと言って守らない弁護団相手に自分がそんなことを守る義務なんてないなどと、児玉弁護士が弁護団の一員であるかのような見苦しい逆切れをかましていました。


はっきり言えば、彼の行動をどうやったら弁護できるのか教えて欲しいくらいの暴走振りです。既に彼に対しての多数人連名による懲戒請求もなされているとのこと。そちらの方はさほど重い処分にならない気はしますが、どの道、橋下氏に弁護士としての信用を置く人はもういないでしょう。
橋下氏は、関西での活躍は良く知りませんが、「行列のできる法律相談所」などで活躍していた様子は見ています。法的な思考が出来ているのか怪しいとはっきりいって思いましたが、それでも弁護士と言う存在をライトで親しみやすくしたと言う意味では、日本トップクラスの功労者だったはずです。彼自身、行列のドラマで体験談として不良少年を更生させた物語をやっていたこともありました。
私は弁護士がテレビに出ることはいいし、タレントがでても悪いこととは思わないのですが、最悪の形で結実させてしまったと言っても良いでしょう。私は、弁護士のテレビ言動を弁護士会がこまごま監督する必要があると思っています。また、そのために、弁護士会の方で懲戒請求と言う手段によらない事実上の通報や申し立てができるような枠組み(もちろん、番組を見た上で弁護士会が職権調査に入ることで、個々の弁護士の負担にもならないようにする)を構築できればと思います。



最後に。

私は、被告人に対する死刑判決は、少なくとも現段階においては正当であると考えています。

その最大の拠り所は、被告人に対して適正手続が踏まれた上で死刑判決が下されていると考えられるからにほかなりません。
被告人の殺意否認はきっちり審理された上で出ましたし、反省路線で行こうよといったって弁護士が事件から何年も経ってからどやしつけての反省に価値はありません。あの差戻し判決が出て、聞き苦しい否認に走った彼を救う手など私はないと思いますし、被告人と関係なく救う手があるとしたらそれは死刑判決の正当性自体疑わしくなることを意味します。弁護人がきちんと働いたからこそ、死刑判決は正当だ、と私は考えます。弁護人が愚かだから死刑になった・・・冗談ではありません。それは死刑判決の正当性が疑わしいと放言するに等しいことです。
聞き苦しい・どうせ嘘からやる必要はない、むしろ遺族がかわいそうという考えが優先されるという人もいましたが、そもそも被告人に死刑を求めたのは本村氏であり、同時に国民の利益を代表する検察官です。その考え方を支持するのは全く問題ありませんが、強硬な攻撃、まして死刑求刑という最強の攻撃に出れば反撃が来るし、まして死刑となれば、その誤判は取り返しがつかないものである以上慎重にならねばならないという当然の現象を、(忘れがちになるのは理解できますが)指摘されてまで理解できないとすれば、残念ながら社会人としてその思考回路に欠陥があると言うべきでしょう。少なくとも本村氏や検察官はそのあたりを理解していると思います。



反撃と言えば、私の方からも一つ反撃をさせていただこうと思います。1年以上、隠忍自重をしましたが、もはや遠慮する気はありません。
「おおなかこなか」なるブログの主は懲戒請求はしなかったようですが、遺族が傷つくということを立論の基礎に据え、虚偽も入っているとあちこちで説明された文章をコピペして、告げ口よろしくTBをあちこちにやって、しまいには私に暴言を浴びせ、ついに訂正しませんでした。
仕事は来ないと言うのなら耐えますが、遺族を表に出しながらその遺族を傷つける主張をコピペして、しかも誤りとわかっても訂正しない、不誠実な不届き者相手に耐えるほど私の堪忍袋の緒は頑丈には出来ていません。




しばらくすると、私のここにおける応対が保証の限りでなくなります。
今のうちに、私に対して質問なり、ぶつけたい言葉がある人は全力で向かってくることをお薦めします。
ぶっちゃけ、出てこいや、見かけ次第即刻削除の通告を解除してもいいぞと怒鳴りたい人もいますが、とりあえず名指しは避けておきます。高裁や最高裁で判決がひっくり返るのでない限り、今が最後のチャンスでしょう。





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最終更新日  2008年10月02日 11時22分54秒
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