それで充分
義務教育の最後は高校受験である。だから後1か月、塾屋として、教えていかなければならないことはまだまだ残っているが、高3については彼らに任しておいた方がいい。今年はそのくらいの高いレベルの子が最後まで残った。大学受験で手をとり足をとりでは、この先が思いやられる。昨日は事情で秋に塾をやめたKのお母さんとKが菓子折をもって合格の報告にきた。たった数か月の間にお母さんの御髪が少し白くなっていたのを自分は見逃さなかったが何も言わなかった・・・。自分も子の親であるし、彼女もこれからその経験を積んでいく。気持ちが痛いほどわかるが、何も言わなかった。それで充分だ。自分も然り、親とは迷うものであるが、それはすべて愛情から来るものであるそれは我々塾講師の理屈や理論をとうに超えている。逆にそれは一塾講師として、つねに考えさせられ、教えられるものである。知識だけを教えていれば、成績だけを上げるだけであればいい塾講師とは言えても、醸成された一人間とはならない・・・かもしれない・・・。