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テーマ:特撮について喋ろう♪(4369)
カテゴリ:トクサツ(特撮)
(…前回の続きです)
本作は、前作「地球防衛軍」とよく比較されますが、「地球…」は巨大ロボット・モゲラが登場するなどファンタジー色もあり、ミステリアンの基地内や衣装などの色彩が、三原色で鮮やかで派手。 「宇宙…」は、敵にロボットや怪獣は登場せず攻撃兵器のみ(ナタール人も姿は少ししか出ない)で、宇宙戦争をリアルに表現することに重点が置かれており、 そのため全体的に地味な色彩設計になっています。主役級の俳優陣も、どちらかというと演技派の方が中心。 これは、ストーリー面でも徹底されており、「地球…」にあった平田昭彦演じる博士との友情と裏切りなどのようなサイドストーリーが存在せず、 宇宙戦争一本で、ある意味無駄がなく非常にストレートな作品になっています。 ユーモラスな場面も一切ないのですが、この脚本が、後にキンゴジを書くことになる関沢新一であるというのも驚きです。 ※以前発売されていたレーザーディスク。LDを買い、DVDを買い…次は?すべての映画はこのパターン…。 また、「地球防衛軍」が従来の延長にある、地球上と大気圏内での攻防戦を描いているのに対して、 本作では、主な舞台が宇宙であり、流線型の名残がある宇宙ロケット、銀色の宇宙服などが登場。 「その時代で想像した宇宙描写」が映されているため、前述の色彩設計ともあいまって、「地球…」以前の作品のようなイメージがあります。 なお、DVDでは、特典映像に「ピクトリアルスケッチ(絵コンテ)集を収録。 実際の映像と交互に、全編にわたって収録というのがすごい。 パナマ運河やベニスでの事件も映像化される予定だったなど、これまで知らなかった情報や、いくつかのシーンのシナリオからのカット・変更などもコメントとして収録されており、必見です。 ※「ここは避けられないっ!なぜ誰も言わない、気になるカット」 誰も言及されませんが(DVDのオーディオコメンタリーでも無視)、ロケット発射時に乗員の二人が自分の両手で頬を広げる描写があって、最初見た時は可笑しくて笑ってしまいました。 (オールナイトでは毎回大爆笑)よく考えると、大気圏脱出時のG(重力)による顔面への圧力を描写したかったのではないかと思うのです。(ですよね?) このG(重力)の描写は、日本映画史上初であり、私の記憶では円谷プロの特撮テレビ「スターウルフ」(高圧空気を顔に放出し表現)が登場するまでなかったのではないかと思います。 なお、同様の描写は、1979年の映画「007ムーンレイカー」の遠心旋回訓練機のシーンでも見られます。 ※枝葉末節メモ ・宇宙船スピップ号の乗組員が軍人ではなく科学者中心であることも、東宝特撮映画の特徴といえます。 「戦争」を扱っているにもかかわらず、あくまでも「科学による明るい未来」を描く娯楽作品であることを強く表しています。 ・細かい未来描写として、乗用車の「車載テレビ」(各地の事故を告げるニュースが流れる)が合成で登場。当時は夢でした。 (その反面、「街頭テレビ」のような描写もありますが。) ・数回映し出される大型コンピュータ「HIPAC」は、実在の1959年製の日立製作所の汎用機で、当時最新のものと思われます。 ・第三次怪獣ブームの頃、「ゴジラ」などのサントラレコードに続いて、突然「宇宙大戦争」が単独でサントラ盤として発売され驚きました。 当時、東宝特撮はもとより日本映画の旧作品のサントラレコードが単独盤として発売されるのは、極めて異例のことでした。(もちろん即購入) 後日知ったのですが、これは、当時の「東宝チャンピオンまつり」で本作品の上映が予定されており、 しかし、実際には「地球防衛軍」が上映されたため、こうなったらしいです。(確かにモゲラが出るし、派手さでは正解だった。) DVD 宇宙大戦争 [DVDソフト] 宇宙大戦争【1225thanks2】 製作:田中友幸/特撮監督:円谷英二/監督:本多猪四郎 原作:丘美丈二郎/脚本:関沢新一 音楽:伊福部昭/コンセプトデザイン:小松崎茂 出演:池部良,安西郷子,千田是也,土屋嘉男 ほか (DVD発売日:2004.10.29) ------------ ※ぽすれんにリンク。 監督:本多猪四郎 出演者:池部良、 安西郷子、 千田是也、 土屋嘉男 収録時間:91分 レンタル開始日:2004-11-12 Story 円谷英二特技監督によるSFアドベンチャー。国際宇宙センターと地球で原因不明の怪事件が発生。センターのメンバーたちは早急に対処を試みるが…。 (詳細はこちら) ☆ 人気ブログランキングへ ☆↑ランキングに参加してます。↑もし少しでも気に入っていただけましたら、1クリック投票いただけると嬉しいです。m(_ _)m お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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