【台北旅行記】士林からバスで故宮博物院、大直へ
冰讃でマンゴーかき氷を食べた後は、いよいよ国立故宮博物院へ行きます。ところで、故宮博物院には何時頃に行けば、ゆっくりと見られるのでしょうか。 渡航前にかなり悩みました。我が家は世界的に有名な博物館の場合は、開場と同時に入場するようにしています。インターネット予約が可能な場合は、必ず朝一番で予約しておきます。でも故宮博物院は事前予約ができません。 (2015年9月時点)どうしよう。。。故宮博物院のガイドブックとしては、こちらの本が役立ちました。【楽天ブックスならいつでも送料無料】台北と国立故宮博物院 [ 清水仁 ]価格:1,576円(税込、送料込)この本によると今は大陸からの団体客が大挙押し寄せ、残念ながら鑑賞するには最悪の状態だそうです。大陸の方々は朝早くから行動するのを厭わないので、おそらくチケットを持たない個人客は勝ち目が無いと思われます。一番ベストなのは夜まで営業している金・土曜日の夕方以降ですが、今回の旅程には残念ながら週末は含まれていません。仕方がないので15時頃を目指して着くようにして、閉館ぎりぎりまで粘ってみることにしました。まずは雙連駅からMRTの淡水線で士林駅まで。士林駅の改札を出て直進すると道路に突き当たり、右側にバス停がありました。いろいろな系統のバスがガンガンきますが、紅30番バスが博物院の地下入口まで行くので待つことに。ちなみに番号の前の紅は日本でいうと赤にあたり、鉄道ラインカラーが赤のMRTへの連絡バスになるようです。MRTの赤ラインは淡水線ですので(東京だと丸の内線にあたる)、紅のバスに乗れば淡水線のどこかの駅に接続する、ということになります。これは便利しかも停留所に待ち時間も提示されるのでストレス・フリーです。すぐに紅30番のバスが来ました。故宮博物院までは約10分くらい。博物館に近づくと路上に大量の大型バスが駐車しているのが見えます。うう。。。これだけの人たちがまだ博物館の中にいるのね。紅30バスは故宮博物院の敷地に入り坂を上り、ほんとうに本館地下の入口の前に横付けされました。エントランスでは国父・孫文の銅像がお出迎え。格好の撮影スポットとなっていました。まずは翠玉白菜のある玉器が展示されている3階へと思ったら2階の階段から大行列がっ仕方がないので2階から見ることにしました。2階は陶磁器のコレクションです。不思議なことに2階はガラガラです。ということは皆さんのお目当ても玉器なんですね。唐三彩から青磁、景徳鎮まで、今まで見たことのない超一級のお宝がずらりと並んでいました。ここで故宮博物院のおさらいです。昨年開催された東京国立博物館HPによると、・宋、元、明、清に至る四朝の皇室コレクション・歴代皇帝の美意識に適った傑作・政治権力の正統性を象徴する優品などを所蔵する博物館ということです。このコレクションが世界に類をみない点としては、王朝が代わってもこの神品至宝は次の王朝へ引き継がれたこと。台北の故宮博物院によると、歴代の王朝によって継承されてきた民族の遺産を後世に伝えることは、天命によって国権を与えられた司権者の取るべき王道であり崇高な使命でもあった、のだそうです。民族の遺産の継承は国権の継承を意味する。裏を返せば皇帝は歴史が生み出した神品至宝を所有することで、自らが中華文明の正当な継承者であることをアピール出来たのでしょう。蒋介石が中国本土から台湾へ文物を輸送した背景には、このような目論見もあったのかもしれません。さて、陶磁器を鑑賞した後は3階への階段へでもまだ長蛇の列が出来ていました。この時点で4時半すぎ。仕方がないので博物館グッズを扱うミュージアムショップへ行きます。ここが想像以上の充実したラインアップで、しかも1階と2階にも3か所あり思いのほか時間をつぶせました。そして17時過ぎたところで階段を見ると、人が全くいなかったのでいよいよ3階の302展示室へ多少の列はあるものの皆さん個人客のようで、秩序は保たれていました、まずは肉形石から。小さいっ、これが最初の感想。でもこれが石だとは到底思えない、東坡肉にソックリ。そして翠玉白菜へ。白と緑のコントラストが美しい白菜は、翡翠の彫刻によく使われるモチーフです。でも実物を見ると白だと思っていた部分は青みを帯びています。そしてアイスジェイド(氷種)のような透明感があります。緑の部分はまさしくインペリアルジェイド(琅玕)。今はこのような原石を探すこと自体難しいかもしれません。3階の展示室は森羅万象を玉の中に表現した至宝の数々が並び、いくら見ていても飽きない小宇宙が広がっていました。最後に書画の展示室へ。ここも圧巻の作品群がずらりと並んでいます。面白いのは歴代の皇帝が確かに鑑賞したという収蔵鑑賞印が、書画にベタベタと押してあることです。作品の上に自分の印鑑を押すなんて西洋絵画では考えられないことですが、中国においては所蔵者や鑑賞者だけに許された特権だそうです。まさに所有の証、国権継承の証ラストエンペラー・溥儀の鑑賞印も残っていました。この博物館はまさに中国美術の殿堂であり、中華文明の神髄であることを実感しました。最後にもう一度翠玉白菜を見に行きました。この時の302号室は貸切状態、至福の時を過ごせました。夕暮れの国立故宮博物院孫文の書・天下為公の門さて、深坑のホリデイイン・イーストへ戻ります。最寄り駅はMRT文湖線の終点・動物園駅になります。文湖線の鉄道ラインカラーは茶、中国語だと棕になります。棕13番バスがMRT文湖線の大直駅を通るようです。この間5駅、約15分で大直駅に到着。大直駅からMRT文湖線に乗って終点・動物園駅で下車。ちょうど帰宅ラッシュの時間帯でしたが終点に近づくにつれて空いてきました。動物園駅からはバスの236番に乗って草地尾まで。バス停は通勤帰りのサラリーマンが多かったです。バス待ちの人に日本語で話しかけられたりして、何だか自分も通勤帰りのような不思議な感じでした。この間6駅、約13分です。ホリデイインの日記は、こちらこうして長い1日が終わりました、つづく。