カテゴリ:「本」の紹介
〇『五・七・五の力』 -金子兜太と語る- ・石 寒太編 ・毎日新聞社 ~俳句の「魅力はいったいどこにあるのか? それを存分に探ってみよう、そういう意図で 企画されたのが、この本である。 (金子氏を交えた)座談が中心になっているのは、難しい 論よりも話し合いの中から、やさしくその本質に迫ってみようという、入りやすさを考慮した」 (石氏)。 1章 季題と季語、そして反季語~金子・高橋睦郎・鈴木健一氏の座談。「江戸の 季節感」と題して田中優子、「日本語圏外の『HAIKU』を語る」~有馬朗人・星野恒彦対談。 2章 定型とは何か~金子・高橋・藤原正彦座談 「【かたち】からあふれるもの」~道浦母 都子・水原紫苑対談 3章 「切る」から生まれるあたらしきもの~金子・高橋・熊倉功対談 「切れ字の効用」~石寒太。「座談」視界はすべて石氏。 金子~・いつも季語を語るとき、季題を語るという姿勢が大事だと。 高橋~・動詞は、命令形が基本 ・季節は向こうからやってくる。 ・季は恋が基本だと思う 鈴木~・もともと季語は現実とずれがあるんですよ。ずれがないというのは幻想なんです 金子~・フィクションですよ。季語は、フィクションのおもしろさ。 高橋~この間、穂村弘・東直子両君の編した、若い人の(短)歌を二人で褒めちぎっている 本を送ってきたんだけれども、途中で読み進めなくなって、閉じてしまいました。選ばれた 歌は僕には読むにたえないものが多い。それぐらい現在の短歌は拡散してしまっています (同感!)・・・おっと、この先引用キリがないので。 1章後半は、「アンケート」まであって、『私 の季語考』として、嵐山光三郎・いとうせいこう・小沢昭一・黒田桃子・櫂未知子・冨士真奈 美・黛まどか・吉行和子ら21人が寄せている!! その中で、塩田丸男が「『季重なり』を解放 せよ」と提言している、これまた同感!! 「もう、わかったと思う。短い俳句は、いっていない部分で、読者にイメージさせる。そういう詩 形なのである。切れ字は、省略よって生まれた"間"を補充する役目をはたしている」(石)!! 常に立ち返って、自作をふり返ることが、本書に凝縮している。 読むだけのひとにも!! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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