寝れなかった
◆夜に運動しちゃいけない。コーヒーゼリーもいけない??ってか興奮するような話しちゃいけない。可能性だけの話はただの理想論で、コタエも終わりも出やしないんだから。というわけで徹夜。わざとじゃないです!朝の九時か十時頃にやっと寝れて、いつ起きたのか覚えてやいない。マンガを買ったような気がする。人形芝居というマンガ。本屋に置いてないんだ、コレ……。やっと古本屋にあったくらいで。大手の本屋って売れないのは送り返しちゃうし売れる本しか仕入れないから、古いマンガ売ってないんだよね。高尾滋というマンガ家さんがスキ。でも連載中のマンガしか売ってない。中学の時は他のも見たコトあんだけど。買いたいモノって見つけたらすぐに買わなきゃダメですね。◆小説を書いてみるけど、自分のあまりの語彙の少なさに涙。表現力の少なさに落胆。書いててもおもしろくないや。つまんない。私、本読んでいないわけではないんですけど、語彙が少ないです。頭悪いんで覚えてないんですね。しかも今脳みそ内の映像というか、想像力というかがマンガに傾いていて、思いつくモノがマンガのコマ割りでしかない。動いてくれなきゃ書けないし、想像もさきへさきへと進まないじゃないスか。私の脳みそサンってば。書きたいけど、書けない。ああこんな時二次創作とか楽なんかな。書けないのはマンガの熱が冷めていないからだから。熱さえ冷めればなんとかなるような。ストレス溜まる。ぐぉー。以下、発作的文章なり。ゼヒ無視してお戻りください。↓「先生!」「かたいこと言わないでくれ。だいたい、みんなから羨ましがられるぞ?」 心から嬉しそうな笑顔で、私を推す先生。羨ましがられるのは私の担任のあなたでしょう? その言葉を飲み込んで、覚悟を決めた。ここでいつまでもむくれていては子供。所詮はガキだ、と目で語られるのは嫌いだ。 私が頷きもせずに無言で歩き出すと、先生はありがとな、がんばれ、などとつまらない言葉を言いながら私の横について歩いている。「先生、私ひとりで平気なので」「そうか? うーん、そうか……」 名残惜しそうに言うものだから、睨んでやる。「先生、大丈夫ですから」「いや、でもなあ」 結局は、先生も壇上に上がって私を褒め称えたいだけなのだろう。そうして私に向けられた拍手も、自分に向けられていると勘違いしたいだけなのだ。 私は足を止め、先生に向き直る。「大丈夫ですから」 こんどはさっきの冷たい目とは逆に、自信たっぷりの優等生のような笑顔で言うと、さすがの先生も黙って止まった。私のこの笑顔に逆らえる教師なんて見たことがない。「菅原がそう言うなら任せるよ。じゃあ先生は戻るな」「はい、ありがとうございます」 ちいさく会釈をして、先生の確かな後姿を見送って前に向き直る。優等生みたいな笑顔はかきけして、静かに湧き出る腹の中の怒りは押さえ、こつこつとローファーの音をなびかせながら壇上へとあがった。 担任が舞台の下から言ったおじぎの合図で礼をし、マイクを手に取る。オフになっていたスイッチをオンにセットして、舞台下の生徒たちをにらみつけた。「この度は、――賞にださせていただいた作品が見事最優秀賞をいただき、とても嬉しい限りです」 口調としては、どこも嬉しそうではない。たぶん形相だって生徒教師の人たちには怒っているようにしか見えないだろう。だって、わざわざそうしているんだから。 私はマイクを握りなおしてもう一度このホールにいる全員を見渡し、室内の生温い空気を大きく吸った。「嬉しい限りですが、私は私自身の実力でこの賞をとりました。ここにいる方々には誰にも手を借りていません。それなのに、先生は私に最優秀賞を獲得した文章を読んでほしい、とおっしゃいました。その行為に私の利益はありません。ボランティアなんかで無駄にエネルギーを消費するのは嫌いです。第一に、ここに集められた生徒の中でいったい何人が聞いているのでしょうね? 一割にも達しないでしょう。どうせ早く終らせてほしいというのが切な願いでしょう。本当に私の文章が知りたいのでしたら、どうぞ主催のホームページに行けば公開されていますので、そちらをお読み下さい」 私はそれだけ言い終えてマイクのスイッチを切り、一歩後ろにさがって担任の声も待たずに一礼してもういちど音を響かせながら壇上を横切って裏手の階段から降りていった。 担任の慌てる声が聞こえる。「菅原! おい、やりなおせ!」 前から生活指導主任が走ってくる。角刈りで暑苦しいおやじだ。「嫌です。私、水崎先生のお願いに頷いた覚えはありませんし」「おまえには常識というものがないのか!」 生活指導主任が私のすぐそばに来ても私は歩みを止めない。「おい、止まれ。ひとが話しているんだからもっとちゃんとした態度をとったらどうだ」「ええ、けれど私は先生にそんなことお願いしていませんし、先生が私に話しかけているのは先生の意思でしょう? 私に止まらなければいけない理由はありません」 ちょうど舞台裏からホールへのドアに手をかけて光を見たとき、頬にしびれが走った。殴られた音が聞こえたのはそれよりも後なのに、私は殴られたという事実をそれよりも先に理解していた。 私の、思惑通り。 私を殴った瞬間は生徒、先生から丸見えだったのだ。