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![]() 江戸にある昌平坂学問所で、講師の自殺事件が起きます。遺書には「げに恐ろしきは怪物親なり」と書き残されていました。怪物親とは、学問所に対して自己中心的で理不尽な要求を繰り返す親たちのことです。大試験と呼ばれる昇級試験を控えて、特に気が立っているようでした。 今日も学問所に怪物親がやってきます。講師の椿伊織(池内博之)は、旗本の妻・高田トヨをはじめとする怪物親たちから詰め寄られ、困り果てた様子。そんな中、修吾ら侍の子弟たちが、町人の子供である作太郎(前田航基)にイヤがらせをしているのを見た伊織が、彼らを叱りつけました。 それが原因で、伊織は怪物親から暴力講師として激しい抗議を受けることに。だが、修吾の父で、昌平坂学問所を監督する役人・畠中伊右衛門(田中健)の執り成しで、なんとかその場は収まります。同僚の講師・牧山有三と島田儀一から励ましを受け、安心した様子の伊織。だが、さらなる悲劇が伊織を待ち受けていました。 怪物親とはモンスターペアレンツのことです。この種の親たちが教育現場を荒廃させているのは間違いないでしょう。教育熱心というより我が子可愛さの身勝手。こういう輩が江戸時代にもいたのでしょうか。たぶんフィクションでしょう。 封建社会では学歴よりも階級や家紋がものをいうからです。将軍職は世襲制ですし、老中や若年寄、その他幕府の要職もほとんどが親藩、旗本の中から選ばれていました。学者として後世に名を残すのは別の話です。 昌平坂学問所は、儒学を主とした学校で、林羅山の家塾(後の弘文館)にはじまります。元禄3年、将軍綱吉が湯島昌平坂に移したところから、この名前に。昌平黌(しょうへいこう)とも呼ばれ、日本における儒学の総本山であると同時に、日本の学校教育の先駆けとも言える学問所でした。 この学校は主に旗本・ご家人の子弟を教育したのですが、ドラマでは町人の子供も通っています。私立の寺子屋ならともかく、官立の学問所ではめずらしいこと。これもフィクションでしょう。 教師の自殺の裏に学問所の不正があるのですが、我々視聴者はともかく、仕事人側には事情が見えていないのではないでしょうか。ちょっと無理な展開のような気がします。それに処刑の方法も平凡でした。 源太のからくり人形もビジュアル的な見どころがありません。工夫が尽きたのでしょうか。モンスターペアレンツという現代の教育問題を題材にした意欲は買いますが、ストーリーといい、問題意識といい、ややリアリティに欠けていました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年03月16日 20時29分25秒
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