人からお金を奪い取る
『無限ループ』(講談社文庫)大村あつし・著 ―――第32回・読書前感想文『エブリリトルシング』がベストセラーになった、大村あつしさんのミステリー小説です。最近文庫化されたのですが、売れ行き好調のようです。(こちらは『エブリリトルシング』)『無限ループ』ですが、現状に不満を持っていた会社員がある装置を手に入れたところから始まります。その装置とは、他人からお金を自動的に奪い取ることができるというもの。「自らの怒り」が相手からお金を奪い取る源泉になるので、嫌な上司や同僚、部下への怒りでお金を奪い取っていくのだが……という物語。『デスノート』的な話なのですが、お金の話なので妙に生々しいです。文体や描写の仕方が、普通とはちょっと違った感じなので、その辺は読む人によっていろいろあるかも。ビジュアル的にはとても面白い感じになると思うので、ドラマに向いているんじゃないかと。