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カテゴリ:小説
最近一番ハマってるアニメ、「ゼロの使い魔」。先が気になって仕様が無いので『アニメ終わるまで原作は読まないルール』を破り、つい友人に借りてしまった。すると、これが面白い面白い。文章が軽いので読みやすく、すいすい読めてしまう。元々ルイズのツンデレ部分が注目されていたので、ただのラブコメと思いきや、さにあらず。お気楽な学園生活の裏でしっかりと進み続ける世界情勢がだんだんと二人に絡み始め、一大戦争叙事詩へと突入していく様はすごい。しかもこの作者、伏線の張り方が非常に上手く、それが印象的な形で挿入されるために巻数を越えても覚えていられる。特に『あの人』の台詞は『あの経験』に基づいて発せられていたんだ、って所は本当に驚かされた。 ただ惜しむらくは、読者にとってルイズと才人の関係の方が世界情勢よりも気になるので、場面がそっちの方になると途端につまらなく感じてしまう所。苦渋の決断で政治の世界に姫が飛び込み、他国との関係が悪化し始め、裏では各国の外交官達が調整に追われ、遂には絶望的な戦争に突入、魔法学院の男子生徒も学徒動員され・・・とストーリー自体は非常に面白いんだけども、ルイズが才人とツンデレしてる所にシエスタが加わって三角関係・・・・って方を読みたいのが読者の本音。アニメと違って意外にエロエロなシーンや台詞が多いし(特にシエスタのアプローチがすごい)まぁ仕方ないんだけど。 僕的には戦争部分もオススメ。単に魔法連打や奇跡の偶然で大勝利、とかではなく「銀河英雄伝説」みたいにしっかりと頭を使って艦隊戦を行ったり、外交戦略、謀略を駆使して戦争してる所は面白く、また学徒動員されたギーシュやマリコルヌ、スティックスといった「個」にも焦点が当てられて戦争の恐ろしさ、愚かさを身近に、迫力ある文章で書ききっている。そして平和な日本からやってきた才人の持つ「現代人の感覚」を持ち込む事で読者にその感覚のギャップを感じさせることに成功している様は実に上手い。 それぞれの脇役キャラクターにも焦点が当てられ、回を追うごとに魅力的になっていく(特にギーシュ、キュルケ、タバサ)。番外編に見えてもちゃんと最後はルイズと才人にストーリーが収束していく様は絶妙。コメディではしっかりと笑わせ、シリアス部分ではホロリと感動させることも忘れない。是非通して一気に読んで欲しい良作です。僕も「これは持っておきたい」と思い、全巻一括注文してしまったし。 その内一巻ずつレビューでもしようかな。今度はネタバレ有りで。 ゼロの使い魔 第01巻 ゼロの使い魔 第02巻<風のアルビオン> ゼロの使い魔 第03巻<始祖の祈祷書> ゼロの使い魔 第04巻<誓約の水精霊> ゼロの使い魔 第05巻<トリスタニアの休日> ゼロの使い魔 第06巻<贖罪の炎赤玉> ゼロの使い魔 第07巻<銀の降臨祭> ゼロの使い魔 第08巻<望郷の小夜曲> お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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