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テーマ:海外生活(7772)
カテゴリ:イタリア生活
トリノにはポルタ・パラッツォという区域がある。
モロッコ人がいっぱいいる区域で、普通のイタリア人は恐い区域だって言う。 ポルタ・パラッツォには安いメルカートがあって、BALONと呼ばれる中古品のフリーマーケットもある。このBALON、何でもヨーロッパで一番大きい規模のフリーマーケットなんだって。 私はポルタ・パラッツォには2度しか行ったことがないけど、メルカートが出している値段にビックリ。とにかく安い。 そんなポルタ・パラッツォを通り過ぎてBALONに、8日、行ってきた。 行く前日、夫に「バッグは持って行くな。(私が付けていた)そのデカいピアスは外して行け。時計ははめて行くな」と言われる。 そういえば、前回、数年前に行ったときもそう言われて、その気になってショボい格好して行ったっけ。財布も携帯も持たずに。 そのくらい、危ないってこと。 前回行ったときの思い出、イタリア語がほとんど聞こえない、南アフリカランドって感じ。そのくらい、モロッコ人とかナイジェリア人がいた。南アフリカじゃないけど、ジプシーもウヨウヨ。 ポルタ・パラッツォのメルカートに着くと、早速モロッコ人がいっぱい。イタリア語がすでにあんまり聞こえてこない。 BALONの方に移動していくと、モロッコ人だらけの通りがあった。そういえば、前回ここで義兄たち(二人とも同じ会社に勤めている)の同僚のモロッコ人に出会ったっけ。 モロッコ人でごった返す中、物凄い人だかりのところがあった。 何だろうと思って人と人の間を覗いて見ると、地面に広げたビニールシートの上にNIKEの靴や携帯電話、DVDプレイヤーなどを並べている人がいる。 「新商品が届いたんだ」と夫。 なるほど、新商品をいち早く見ようとしている人たちでごった返しているってわけだ。 ちなみにここで言う新商品とは、お店で売っているものを盗んだ新商品。彼ら、盗んでは、こういうところで売っている。闇でも売るんだけどね。ここが既に闇って感じ。 彼らは携帯とかも誰かから盗んでは、安く売ってくれる。 彼らにどこどこのメーカーのどの機種が欲しいって言えば、モロッコ人ネットワークを利用して、安く入手させてくれる。 でもさ、私はこういうの、買おうとは思わないなぁ。だってさ、盗品だもん。安く手に入れた嬉しい自分の影で、誰かが泣いてるわけでしょう? モロッコ人がいっぱいいるところを通り過ぎて、気になるところを見て周る。 世界の硬貨コレクターな夫、古いイタリアの硬貨を2枚購入。すっごい値切って。フリーマーケットでは値切らなきゃ、損。 ユーロ硬貨コレクターの義兄も、ほとんど出回っていないフィンランドのユーロ硬貨を購入。1セントと2セントと5セント、3枚まとめて10ユーロで購入していた。それほど出回ってないんだよ、フィンランドのユーロって。 ちょっと歩いたところで、義兄を呼び止めた人が。 何だろうと思ったら、興味があればサンマリノの1セント、2セント、5セントの新品があるから3枚まとめて5ユーロで譲るって。 騙されていないかどうかきっちり確認して、交渉成立。サンマリノの硬貨もほとんど出回っていないから。 BALONではこういうのもあり。巡回している警察に見付かると、マズイんだけど。 この硬貨売りのおじさん、土曜日はいつもこの区域のバールで他の硬貨コレクターと集まって闇で硬貨を販売しているんだって。興味があったらそっちにおいでって。 騙そうとしているんじゃないだろうな? って硬貨を吟味していた義兄が言ったら、「この道20年の俺を舐めるな」っておじさん。20年もこんなことしているの?? こうやって売り歩いている人の他にも、お金をせびる人たち、ドラッグを売る人たちもいる。 一体何人に声をかけられたことか・・・。 ひとり、「どうぞ」って何かを私にさし出す人がいて、何だろうと持っているものを見ると、パズルのひとかけ・・・。どうぞ、って言われても、そんなのどうすればいいの?? もちろん、いらない、って断ったけど、あれは何だったんだろう? もらったらお金あげなきゃならなかったのかな? フリーマーケットの最初のうちは、ちゃんと、台に商品を奇麗に並べていて、イタリア人が販売していることが多いんだけど奥の方に行くと、もう凄い。モロッコ人が地面にビニールシートを広げて、その上に商品を山のように並べて。しかもその商品が、汚い。靴とか、泥だらけだったり。こんなの誰が買うんだ? と思っていると、泥だらけの汚い、しかも犬に食われましたみたいなボロボロなビーチサンダルを、買っているナイジェリア人を見掛けた。 値段は1ユーロ。でも、ナイジェリア人、値切ろうと頑張っている。 結局、持っているお金が1ユーロに満たないって言うことで、1ユーロ以下で買っていた。 ・・・でもさ、そんなボロボロなビーチサンダル、どうするわけ?? 履くんだろうけど。 その辺はがらくたの山。多分、その辺の99%は捨ててもいいものばっかりじゃないか? そんながらくたの山から、義兄は電子血圧計を5ユーロで購入。ポンプが壊れているだけで、残りはちゃんと動く。見かけは新品に近い。説明書まで入ってる。義兄、ポンプは家にあるということで、購入。家に帰ってポンプを替えて、試してみたら、ちゃんと動いた。 こういうのはフリーマーケットならではの良い買い物。普段新品は最低でも60ユーロはするものだって言うし。 帰りにまたモロッコ人がいっぱいいた通りを通ると、すっごい人でごった返していた。しかもモロッコ人ばっかり。日本の朝のラッシュ状態。改札にすら入れないあのラッシュ状態。 そんな中、左右に段ボールの上に並んでいる商品を見ると、ブランド物の香水とか靴とか。 もみくちゃにされている中でも、「香水いかが?」と目の前に香水を差し出してくるモロッコ人がいたり、「カメラ付き携帯は?」とそれを差し出してくるモロッコ人がいたり、「良いのあるよ」とドラッグ売ろうとしているモロッコ人がいたり、人と人との間、手を泳がしているモロッコ人の手があったり(盗むつもりの手)・・・。 飛び交っているのはイタリア語じゃないし。 イタリアにいながらにしてモロッコが体験できるある意味貴重なところかな。モロッコのパニーニ屋なんかもあるし。 リトルトーキョーとかチャイナタウンやミニイタリアがあるのなら、ここはホント、ミニモロッコだかモロッコランドだわ・・・なんて思いながら帰途に着いた。 ちなみにこの日の私の収穫は、なんだかちょっとペルーっぽいデザインの薄いコート(ちなみにドイツ製)。一目ボレしちゃった。BALONに店を構えている古着屋で。 匂いを嗅いでみたら(嗅ぐなって?)、何だかBALON臭かった。洗わなきゃ着れないね、これ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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