11日の日記
不動産(建物)が、未来永劫不朽であるという誤解
形あるものは時間の経過とともに、必ず朽ちてきます。
不動産とは「土地」或いは「建築物」「立木」のことを指します。
広辞苑を調べてみますと
「物のうち容易にその所在を変えがたいもの。」と書かれています。
土地は地震等の天災がなければ未来永劫に形として残ります。
しかし、建築物は永久的に存続することは考えられませんよね。
ましてや西欧と違って住宅の平均寿命が短いこの日本では建築物は
一代で終焉を迎えます。スクラップアンドビルドの傾向が強い
わが国ではどんな強固な建物を作ろうと人間の人生、一生より
建築物のほうが命が短いのです。
公的な建物、例えば県や市の公的施設を見てもわかるように
合理性、機能性の欠如、或いは時代に合わなくなったという理由で
ほぼ30年から50年で建て替えています。
30年~50年ということは人間の一生(人生80年時代)よりも短い
ことになりませんか。
大変残念なことですが、「新しいものを良し」とする資本主義思想
の流れからいくと、やむ終えない事かもしれませんね。
私の所有するアパートは築11年経っています。去年、空室が出て
入居者の出て行った部屋をリフォームしてわかったことですが
3DKのファミリータイプの部屋の設備についてお話します。
賃貸住宅の設備は台所、浴室、洗面所、トイレなどの水周りの給排水設備
換気設備、電気設備、ガス設備、建具などあらゆる部屋にあらゆる設備が
設けてあります。
その設備のほとんどが10年程度で使用に耐えられないものになって
いたのです。
まだ使用できるもの,使用できないものに分けて取替えをする必要があり、
「10年ぐらいでこんなに駄目になるものか。」と,改めて
思い知らされたのです。
設備関係は、10年が境だと聞いてはいましたが、まさしくその通りでした。
当然、設備の取替え、手直しをいたしましたが、その費用は大変高額となり
ます。
しかし、次の入居のことを考えると設備投資に費用を掛けざるを得ません。
自分が使用するなら少々の古さは我慢も出来ますが、今の若い入居者に
とってその古さを我慢して使ってくれるかといったら疑問符が付くでしょう。
リフレッシュしなければ、まず入居者は付きません。
この実例を見ましても、建築物の経年劣化はわずか10年程で賃貸経営に大き
な変化を生み出します。
長い年月の間に建物の内外部の劣化があることを事前に予測し、経費計上を
考えておかなければこれもまた「絵に描いた餅」になります。
ですから、アパート経営は10年程度まではあまり支出はありませんが
10年ぐらいから悪さ加減が出て、今まで儲けたお金はその為に
吹っ飛んでしまいます。
人生を安定させるための賃貸経営が、お荷物になって来ることを誰が予想で
きますでしょうか?
今は入居者が入っているからと、たかをくくってはいませんか?
何年か後には必ず起こってくる出来事なんです。
あなたにその覚悟はありますか?
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To: ??????@do4.enjoy.ne.jp>
Sent: Saturday, March 11, 2006 10:37 AM
Subject: 11日の日記