『遥かに仰ぎ、麗しの』。笑顔と共に。
『遥かに仰ぎ、麗しの』 まとめエピローグも見たし、これで攻略完了か…。世間の評判通り、良いゲームだった。欠落を抱えた少女たちに、欠落を抱えた教師。それぞれの闇を抱えて生きる人々が互いを支え合い、欠けた部分を補い合って、より良い方向へと進もうとしていく話。主題は真っ直ぐで、結論は常に爽快。そしてルート問わずヒロインが司に甘える姿には悶絶する。この作品が描くのは問題を解決する方法では無く、問題と向き合う姿勢そのもの。よって、問題自体が解決される過程はしばしば軽視される。大切なことは、少女たちを勇気付けること。二人の素朴な触れ合いの中、絆が生まれていく様子は見ていてキュンキュンだ。特に殿子ルートは素晴らしい。栖香や梓乃も捨て難いが、俺は殿子が一番気に入った。俺が知る限りのあらゆるエロゲと比べて、嫌味が無く自然で、一貫していて美しい。これから俺が『かにしの』を想う時は、きっと真っ先に殿子の無垢な笑顔を思い出すだろう。凰華学院で少女たちを見守り、楽しい思い出も沢山得られた。そしてみやびは、今でもそこで前を向いて頑張り続けている。そう思うだけで、俺も頑張れる。この俺の腐った翼でも、望む自由を示せることを教わったのだから。遥かに仰ぎ、麗しの。この学院が、常に少女たちの笑顔と共にあることを祈る。高らかに校歌を歌おう。今日からここが俺の母校だ。