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![]() 小野篁(おののたかむら)は従三位の高級貴族だった。仕事は大学院の文章博士で日本と中国の歴史が専門だった。当時の貴族は朝は7時に役所に出勤はするが正午でそれぞれ屋敷に帰り仕事を家に持ち帰る在宅勤務になってはいた。しかし、それは建前であって午後はそれぞれ好きな遊びをしていた。 ある時、篁の蹴鞠仲間の藤原為時の屋敷で蹴鞠大会が開催されていたが、その為時の娘の香子に篁が一目惚れして連日のように恋の文を送っていた。香子はまだ15歳の姫でこのような恋文などは初めての経験で心は燃えていた。しかしながら篁には妻も子供いるからと自制で香子はこの恋文の返事は書かなかった。それでも篁からの恋文は100通を超えていたが、それをなんとか止めさせようと香子は篁に文を送った。 そこには「私が本当に好きなら篁さまの出身地の山科の小野村に敷地二千坪に屋敷を建てて私を迎えてほしい」という文だった。しかし、篁は高級官僚ではあるがやはり朝廷のサラリーマンでそう簡単には金の工面はできなかった。そこで当時の役人の間で流行っていたアルバイトを探していた。そのアルバイトというのはこの世ではなくあの世の地獄の閻魔様の書記官だった。 この地獄も日本の国の人口が爆発的に増えたころで日本には約400~500万人もの人間がいた。その1%が地獄に堕ちて閻魔さまが吟味するのだがその数は日に150名を超える日もあった。そこで地獄では人手不足解消に優秀な貴族を雇用していた。篁の勤務は夜の8時から朝の6時まででその地獄の勤務の終わったころには昼の仕事と24時間ほとんど寝なかった。これを2年間も続けて篁はやっと念願の香子の屋敷を建てて香子をこの屋敷に迎えていた。 しかし、この貴族の間ではこの篁が都一の美女を囲ったことに嫉妬、妬みを持つものまで現れて「篁は役人が禁止されているアルバイトをしたと」いう理由で嵯峨天皇に篁の罷免の要請があった。天皇はすぐに稲荷神社三代目の宮司の伊蔵を離宮に呼んでいた。天皇は伊蔵に、 「篁が地獄の書記官をしてそのアルバイト代で香子の屋敷を建てたと聞くが、これは本当のことか?伊蔵」 「いえ、天皇直属の諜報機関でもあるフォックス警備警備保障の狐の部員が調べたが、そんな地獄のアルバイトはありませんでした」 「そか、それならどうしてその金を手に入れたのか?」 「これはたぶんですが…なにかのワイロだと思います」 「そか、しかし、篁は大学院の文章博士になるが、どんな利権があるのか?」 「はい、これは貴族の子息を大学院に入れるための便宜だと思います」 「そか、それなら貴族の全員を芋づる式に検挙しなくてはならないが…」 「はい、そうなればこの国の政治、統治はできなくなります」 「そか、それなら篁を遣唐使として3年ほど唐の国に派遣すれば他の貴族もこのことを忘れるだろう」 「はい、貴族の誰もが悪いことをすれば遣唐使に選ばれるという事例のいい見本にもなります」 このころの遣唐使というのは無事日本に帰ってこられれば名誉、それに官位も上がって収入も増えるが、生きて帰れる確率は船の転覆、病気などで30%未満の危険な仕事になっていた。唐との国との外交だからこればかりは日本の高官の随行員を派遣しなければ相手国に失礼になるので従4位以上の高級貴族は遣唐使に選ばれないようにと願っていた。 この嵯峨天皇に采配にガックリきた篁は遣唐使が出発する半年後まではほとんど香子の小野の屋敷にいた。そのおかげで香子に姫が誕生したが、この姫が後の世界三大美女の「小野小町」になる。篁を副遣唐使にした遣唐使の4隻の船団の2隻が対馬沖で沈没してやむなく日本に帰ってきたが、嵯峨天皇は次の遣唐使にも篁を指名していた。その間にまた篁は香子の屋敷に入りびたり次も姫を授かっていた、この香子の二女が源氏物語を書いた「紫式部」となっていた。 そして篁にすれば二回目の遣唐使になるが、この時も嵐に巻き込まれて船団はやむなく日本に帰って来た。この時も不思議に篁の乗った船は無事だった。その後、この遣唐使が中止されたために篁は悪運が強いとされ、また絶対に沈没しないという理由で今も学問の神様として大学受験者の篁への墓へのお参りが絶えない。 ![]() …画像は紫式部の墓所で右横には小野篁の墓もある。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 無料の電子書籍…「働く女性たち」~18話はここでも読めます ![]() ![]() ![]()
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最終更新日
2017年01月21日 07時09分52秒
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