開運千社札

【墨攻】の制作には日本、中国、香港、韓国のスタッフ約600人、エキストラを含めると約2万人が関わっているそうです。完成まで10年ということで、セットが非常に大がかりでした。エキストラの人数もスゴイ！

「難攻不落の城」と言えば、楠木正成が立て籠もった「千早城」が思い浮かびます。おそらく【墨攻】の原作者は、楠木正成の戦術をいくつか取り入れているでしょう。

楠木正成の活躍を描いた本は、小学生のときに読み漁りました。でも、映像で見るのは初めて。【ロード・オブ・ザ・リング】にも似たようなシーンが出てきますが、【墨攻】の方が VFX に頼りすぎていない分、現実味があります。

それにしてもアンディ・ラウはカッコイイですね。知的で、ハンサムで、男っぽい。この役ができる日本人の俳優っているのかな？ いねーよなー。

それから、逸悦（ファン・ピンピン）という美人女優も出てきます。杉本彩と藤原紀香を足して、二で割って、20代にしたみたい。でも、ストーリーを大きく変えるような働きはしないんですね。花を添えただけってカンジで、イマイチ面白くなかった。

彼女が敵に捕まって、アンディー・ラウが命がけで助けに行く方が、バカバカしいけど面白いでしょ。ちょっとねー、専守防衛の反戦思想が濃すぎたような気がします。エンターテイメント性が犠牲になってしまったかな。

ということで、評価は惜しくも B 止まりでした。

墨攻（公式サイト）

※千早城

大阪南東部にあった山城です。


元弘3年（1333）に正成が築城。「千早城の守り」は『太平記』に細かく描かれています。 この城で正成は100日も籠城して鎌倉勢（幕府軍）を釘付けにしました。その間に、新田義貞らが鎌倉へ攻め込んで鎌倉幕府は滅亡したのです。

※新田義貞と言えば・・・

稲村ヶ崎ですよね。海岸沿いに兵を進めて、西から鎌倉へ攻め込むには、必ずここを通らなければなりません。

稲村ヶ崎は海岸線に飛び出した小高い岩山で、切り通しの守りは非常に堅かったようです。もちろん海上も鎌倉の軍勢が封鎖してたわけで・・・

さて、それではどうやって新田義貞は稲村ヶ崎を突破したのか？ ここが面白いところなんですが、実際のところはどうだったんですかね？ ここは渋滞するところなので、通るときは稲村ジェーンではなく、必ず新田義貞を頭に思い浮かべながら景色を堪能します。

※他に関東で天然の要塞と言えば・・・

岩殿山ですよねー。（ちょっとどころじゃなく脱線しますよ）

中央道の大月付近に「岩殿トンネル」という短いトンネルがあります。トンネルそのものはどこにでもあるトンネルなので、夜ばかりここを通っていると何も気づかないかもしれません。しかしですね、そこには異様な形の岩山がそびえ立ってまして、昼間はイヤでも目立つんです。

ここは戦国時代に武田信玄の家臣、小山田氏の居城があったところなんですねー。この岩山を見れば、誰だって「マジかよ！」と言いたくなります。現代の建設機械もこの岩山には歯が立ちません。ヘリコプターで材料を運ぶしかないでしょう。

リンクを見てもらえればわかりますが、とても険しい道なんです。途中は、まさに断崖絶壁。いろいろ調べたんですが、徳川家康も「もしも」のときは、ここに逃げ込もうと思っていたらしい。（それほど攻めにくいってことですね）

大月駅から3時間半ほどのハイキングコースです。都心からも日帰りできるので、中高年にも人気があるみたいですよ。

※「歩くのがイヤ」というインドア派のアナタは、【墨攻】でも観て、興味があったら【太平記】も読んでみてください。

※「とりあえず行ってみる」という行動派のアナタは、鎌倉見物のついでに稲村ヶ崎温泉に行ったり、岩殿山のハイキングに行ってみてください。