家庭用浄水器高機能を競う
今日のタイトルは8月1日の日経新聞の記事の見出しです。日経新聞によると、家電量販店の家庭用浄水器売り場に活気が出てきたと言うくだりで始まるこの記事によると、昨年の浄水器のメーカー出荷台数は4年ぶりに増加したそうで、やはり消費者の「水道に対する不満と健康志向」の拡大により浄水器を導入する家庭や浄水器の交換フィルターを買い求めるといった人が増加しているのだそうです。また、蛇口取り付けタイプの浄水器も売上を伸ばす中最近はこれらのエントリーモデルから高機能な物への乗り換えも活発化しているようで、新聞には料理にあわせて水質調整、不純物13種類除去など何だか的外れなことが書いてあり、新聞もいい加減なものだと思わされてしまいます。このような新聞記事を読んで、新聞に書いてあったからとその機種を買い求めてしまうのでしょうね・・・。このブログで前々から書いたように、不純物13種類なんて全く意味が無い話で、アメリカでは200項目以上の有害物質に関する項目があるし、世界中で一番遅れている日本の水道基準でも50項目以上もあるのですから、13項目の不純物除去なんてあたりまえなのですが・・・。また、料理によって水質調整って言うのも、これってアルカリイオン浄水器のことを言っていると思うのですが、アルカリイオン水に関しては賛否両論があって、実際には意味が無いと言うことで、一時は消費者センターへの苦情などもあって製品テストも行われたこともあったそうです。しかし、今でも化学的には意味があるということで曖昧なままで売られ続けているそうで、今回のように新聞誌上でも高機能・・・と言う言葉で扱われてしまうわけですね。浄水能力や機能で浄水器を選ぶとき、何のために浄水器を買おうと思ったのか、その大元をよく考える必要があると思います。ご飯がおいしく炊けるとか、煮物が柔らかくなるとか、確かにおいしくできると言うことは良いことかも知れません。しかし、浄水器で一番大切な能力は浄水能力、それも、安全な水がつくれるかどうかです。そこのところがどの浄水器も曖昧で、あたかも凄そうな表現になっていて、パッケージにも結構大げさに表現されているのですが、実際にはかなり除去できないものが多くて、その事実を知らない消費者は売り場にある13種類とか20種類という数字の多いものに目が行くし、あとは値段で決めてしまうと言う、本末転倒な結果になってしまい、安いものが売れるという現象になるのです。今の水道水は、仮に幾ら完璧な水を浄水場から送り出しても途中の水道管の問題、宅内配管の問題、マンションなどの貯水槽の問題、とにかく水道水が完璧に安心して使える状態にはならないのですから、浄水器で完璧に仕上げるという考え方がなくてはいけないと思うのです。新聞などもマスコミも、もう少しきちんと水事情を知った上で記事を書いて欲しいものです・・・。[prev][rundom][next]