今日の充填治療11.61(親知らずによるトラブル)
30代女性、下顎左右7の遠心カリエス前回のつづきだがhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202207290000/前回は親知らずによる虫歯を放置しているとどうなるのか?という話だったが、今日は虫歯が酷気なる前に親知らずをさっさと抜いてしまうとどうなるのか?という症例だ。3年前と今回の画像の2つを見比べてみると3年毎と比較して今回は虫歯はあるが、進行していない。それどころか治っているようにすら見える。これはどういうことかというと、虫歯は歯肉に覆われてしまうと進行はしないということだ。虫歯の電気化学説によると虫歯とは歯牙内外の起電力により、水素イオン(プロトン)が歯質を通り抜ける際に歯質の構成要素であるハイドロキシアパタイトの結晶中のCaから電子を奪い、プロトンは水素ガスに、Caはカルシウムイオンとなり外部に溶出し、ハイドロキシアパタイトの結晶構造が崩壊することだと思われる。しかし歯質が歯肉に覆われ接触しているとプロトンは歯質を通り抜ける時にCaから電子を奪うことなく、直接歯肉から電子をもらうことにより歯質の結晶構造は壊れないということが考えられる。歯質のインピーダンスは歯肉のそれよりも高いというふうに解釈しても良い。かえって分かりにくいか?w結論から言えば、このようにちゃんと萌えて(生えて)いない親知らずはさっさと抜いてしまうのがベストだということになる。つづく