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まいかのあーだこーだ

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2019.06.24
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カテゴリ:ドラマレビュー!
「いだてん」第24話。第一部終了。

健康な金栗四三。自堕落な孝蔵。
運動と文化。スポーツと笑い。生と死。
あらゆるシンメトリックな構造が、見事に結実したような回でした。

途中から、わけもわからず泣いてしまった。
なぜ泣けたのか、どのシーンが泣けたかすら、よく分からない。





増野シマ(杉咲花)は、前回から行方不明になっていました。
シマがいたはずの浅草十二階は、震災で上のほうが崩落してしまった。

彼女は、最上階には昇ってなかったけど、階下にいましたから、
崩落した瓦礫の下敷きになったかもしれないし、
大怪我をして、どこかで治療を受けてるのかもしれない。



震災後の東京は、不気味な闇に覆われていました。

怪しい流言飛語が飛び交い、親を亡くした子供たちがお腹を空かせ、
夜になると人々のすすり泣きが聞こえ、死者たちの亡霊が町を彷徨う。

ある夜、
金栗四三は、シマの亡霊を目撃します。
いわゆる人魂ではないけれど、聖火を手にして走るシマの亡霊。

これは、もしかしたら震災を経験した人々の共通体験なのかもしれません。



しかし、やがてスポーツと笑いが、活力を取り戻します。

金栗四三は、東京じゅうを走り回って、熊本からの救援物資を届け、
孝蔵は、瓦礫のなかの即席の高座で、がむしゃらに人を笑わせる。
チンドン屋(大友良英)は音楽を奏でる。
嘉納治五郎は、スタジアムを避難生活者に開放し、復興運動会を開催する。


そして復興運動会の当日、
人見絹枝(菅原小春)が、シマの手紙をもって、シマを探しにやってきます。



このとき、
まるで、ばらばらだったピースが当てはまるように、
「人々が生き残った意味」と「死んでしまった人の想い」が噛み合う。

人見絹枝がトラックを走る姿に、否応なくシマの想いが重なります。
これに泣けました。生きる力と強さと尊さに泣けた。


走って、笑って、寝る。


そのことによって、
生きる人たちと、死者の魂が救われていく。浄化されていく。
これもまた、日本民族の共通体験、共通記憶なのかもしれません。

クドカンが描こうとしてきたのは、政治と経済のオリンピックではなく、
いわば生と死のオリンピックなのですね。

演出の一木正恵は、脚本の深い部分を的確に汲みとっていました。



このドラマは、
わかりやすい戦国時代劇でもなく、
わかりやすいオリンピック翼賛ドラマでもない。

だから、視聴率も低いのでしょう。

しかし、本当に大切なものは何なのかを、
もっとずっと深いところから問いかけているドラマです。

第一部は、いわば「敗北することの意義」を描いた内容でした。

1964年のオリンピックまでの物語が、
こんなふうに語られたことは、今までありませんでした。




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最終更新日  2019.06.25 12:48:37


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