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まいかのあーだこーだ

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2020.10.23
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カテゴリ:ドラマレビュー!
カノブツ。
遅ればせながら見終わりました。
脚本は「心の傷を癒すということ」の桑原亮子。

ももクロのれにちゃんが好きなので見てたのですが、
なんだかボンヤリした内容の物語でした。

断片的には面白い要素も散りばめられてましたが、
見終わってみて、
結局どんな話だったのか、いまいち整理しきれない(笑)。

とくに終盤の展開は分かりにくく、
描くべき内容が全6話に収まりきれてなかった気もする。

脚本家は、
周到にいろんな伏線を配置してたようだけど、
それがスタッフに共有されていたのかどうか怪しい。

視聴者にとっては、
かなり分かりにくいドラマでした。



あらためて、
物語の内容を時系列で整理してみます。

7年前、
女性漫画家の小鳥遊玲は、
南貝荘の部屋で『氷の武将』の連載に取り組んでいましたが、
右手が動かなくなったため、連載終了を決意します。

しかし、
玲の想い人であった編集者の中路は、
「君が描かないなら別の漫画家に引き継がせる」と告げます。

絶望した玲は、
父親の開発した不老長寿装置コールドスリープに入って、
自分自身の肉体を凍らせてしまいます。

それ以来、南貝荘の部屋には、
玲の幽霊=生霊が現れるようになり、
押し入れの中はお札だらけになりました。

それから7年後、
漫画家を志望するミャンマー人のエーミンが、
南貝荘に入居して玲の幽霊と共同生活をはじめます。

一方、漫画『氷の武将』は、
かつて玲のアシスタントだった千春が、
ゴーストライターとして連載をつづけていました。

しかし、千春は、
玲から引き継いだ漫画も、想い人の中路のことも、
自分のものにできずに苦しんでいました。

千春は連載を断念しそうになりますが、
エーミンと玲の協力によって危機を乗り越え、
それ以降は、ゴーストライターとしてではなく、
自分の作品として連載しつづける決心をします。

かたや玲の幽霊は、
生前(?)の自分のことを完全に思い出して、
いったん姿を消します(成仏?)。

しかし、1年後、
プロの漫画家になったエーミンのもとへ、
コールドスリープから蘇生した玲がおとずれます。

…以上が物語の大筋です。



これは、たぶん、
冷たい海の底に沈んでいた氷の武将が、
南の海で蘇生するまでの物語なのだと思います。

冷たい海を象徴するのが、
「コールドスリープ」という肉体冷却装置であり、
南の海を象徴するのが、
インド洋に生息するという「ウミウサギ」の貝殻です。

ウミウサギの貝殻は、
玲から千春の手に渡り、
それが南洋の彼方からミャンマー人のエーミンを引き寄せた。
そんな図式になっています。

そして、
この物語の内容を暗示するのが、
『氷の武将』という劇中の漫画であり、
その舞台となったのが「南貝荘」というアパートなのです。
たぶん「氷の武将」は「氷の微笑」のパロディなのでしょう…(笑)

ちなみに、
不老長寿装置「コールドスリープ」を開発した玲の父親は、
いつも亀を連れていますが、
これはたぶん「浦島太郎」とか「亀は万年」の隠喩なのでしょう。



結局のところ、
中路をめぐる恋の行く末については、決着が示されません。

おそらく、
千春が中路と結ばれて、
玲はエーミンと結ばれたのだろうと思います。

千春は、
ウミウサギと、連載漫画と、中路とを、
すべて玲から受け継いで、自分のものにしたわけです。

『氷の武将』の登場人物に当てはめるならば、
玲は武将であり、千春は鎖奈ということになります。
(玲=鎖奈ではないのです)
武将は、鎖奈に向かって、
「そなたの心のままにワシの首をもっていけ!」と託すのですね。
その結果、千春は、玲のすべてを受け継ぐのです。



しかし、
恋の行く末よりも、もっと大事だったのは、
玲と、エーミンと、千春と、中路の、4人の連帯の物語です。

エーミンは、海岸を眺めながら、
水平線のうえに4つの丸いものを描きました。

これは、
おそらく白いウミウサギなのですが、
つまり、南の海で蘇生した4人が、
たがいに協力しあって生きていく未来を暗示しています。

ここらへんの伏線は、とても分かりにくいのですね。



ちなみに、
終盤には、ミスリードになるような台詞があり、
これは物語のなかで覆されていくのですが、
ここらへんの展開も、かなり分かりにくいです。

ひとつは、
「わずかな可能性に期待するより、落選したほうが100%あきらめがついて楽だ」
という玲の消極的な言葉。

これは、
漫画賞を獲得しようとするエーミンに投げつけた言葉なのですが、
実際は、
かつて連載を放棄して漫画を諦めた自分自身のことを言っています。

けれど、
じつは玲は、けっして漫画を諦めて自殺したのではなく、
いったん凍ることで未来の自分に託したのだということが、
やがて明らかになります。



もうひとつ、
ミスリードになっていた台詞は、
「僕の好きな人が、僕のことを全然好きじゃない」
「この世は、少ない幸せを椅子取りゲームみたいに取り合ってる」
というエーミンの消極的な言葉。
お寺の僧侶でもあるコンビニの店長も「それが世の理だ」と言います。

しかし、これを覆すのが、
草野とドゥアンの恋のエピソードです。
「草野が妻子を連れていた」というのは勘違いで、
じつは妹と甥だった、という話です。

これをきっかけに、
それまで「起・承・承・承」の漫画しか描けなかったエーミンは、
はじめて「起・承・転・結」の漫画を描くことに成功します。
そして、ここから玲との関係も「転」に回りはじめるのですね。

玲とエーミンが、
ミャンマー風の仏塔パゴダで何を祈ったか分からないのですが、
日本の仏教(コンビニ店長)には実現できなかったことが、
ミャンマーの仏教(パゴダ)の力で実現できたのかもしれません。

このへんの流れも分かりにくかったです。



最終的に、
エーミンが漫画賞に入選したのかどうか分からないし、
蘇生した玲の右手が治癒したのかどうかも分かりません。
玲が「父をモデルにした漫画を描く」と言った意味も分からない。

そもそも右手が動かなくなった原因は何だったのでしょうか?
そして、なぜコールドスリープから蘇生できたのでしょうか?

凍っていた玲の体は、
エーミンへの思いの力で暖かくなっていたともいうのですが、
ドラマを見ていると、
たんにエーミンの体温を吸い取っただけのように見えてしまう。

実際、エーミンはどんどん冷やされて弱っていったのだし、
玲はそれを恐れて、いったんコールドスリープに戻ったのです。

もしかすると、
その後も玲の体はどんどん暖かくなって、
ついには凍っていた右手も溶けて、
2人で新しい作品に着手できるようになったのかもしれません。

しかし、そう解釈するには、かなりの脳内補完が必要ですね…(笑)。


森崎ウィン/高城れに(ももいろクローバーZ)/和田正人/村上穂乃佳/中島広稀/白鳥玉季/高橋努/ブラザートム/古舘寛治





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最終更新日  2020.10.23 11:16:43


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