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まいかのあーだこーだ

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2021.04.19
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プレバト俳句。お題は「リュック」。

今回も「異議あり!」ってほどのことじゃないけど、
個人的な感想です。



梅沢富美男。
飯盒はんごうを逆さにしばし 揚げ雲雀ひばり
飯盒を逆さに蒸らし 揚げ雲雀
(添削後)

飯盒を逆さにする理由が、
若い読者には伝わりにくいだろうってことで、
添削では「しばし」を「蒸らし」に置き換えています。

実際、わたしも(若くないけど)、
飯盒を逆さにして蒸らすことを知りませんでした。


…とはいえ、
「しばし」を「蒸らし」に置き換えてしまうと、
だいぶニュアンスが変わりますし、
どちらがいいのか判断しがたいところはあります。

原句の「しばし」という言葉は、
たんにご飯を蒸らす時間だけでなく、
ほのかに心情的な要素を含んでいます。

物思いに耽っている時間かもしれないし、
心が無になっている時間かもしれないし、
ささやかな安らぎを得ている時間かもしれない。

添削では、
そうした心情的な面を切り捨てて、
ひたすら映像描写に徹しているともいえます。
その意味ではドライな添削です。

「しばし」の一語にこそ情感があるともいえるけれど、
逆にいえば、
「しばし」の一語に詩情を込めようとする安易さを、
俳句としては慎むべきなのかもしれません。

そこらへんは、かなり高度な判断を要しますね。



石塚英彦。
旅支度 真の雪解待つばかり
旅支度整う 雪解待つばかり
(添削後)

原句では、
「真の雪解」という表現のなかに、
コロナ禍収束への願いを込めているのですが、
結果として、季語が比喩になってしまっています。

添削では、
そうした比喩的な側面を切り捨てて、
たんに春の一場面を描写した句に直しています。

これも、やはりドライな添削ですね。



鷲見玲奈。
旅鞄枕に 寝て見る朧月
朧月 旅の鞄を枕とし
(添削後)

寝ない枕があるんなら持ってこい!
見ない朧月があるんなら持ってこい!
…ってことで、「寝て見る」を省いた添削です。

詩情そのものは悪くないように思ったんだけど、
先生の評価は「添削しても辛うじて凡人」という厳しさ(笑)。

わたしとしては、
余った3音分に何かしらの追加情報を足して、
もうすこし風景に具体性を加えれば、
さらに詩情が増すんじゃないかと思います。

ためしに、地名を加えて、
旅鞄枕に 能登の朧月
とか、
あるいは、破調にして、
鞄を枕に 朧月の異国
としてみました。



森口瑤子。
花疲れ リュックの底の底に鍵

このあいだ「リュックの底にチョコの染み」を詠んだばかりなので、
またリュックの底ですかあ?! …というのが正直な感想。

「底の底に」という表現に滑稽味があって、
まあ、前回よりは出来がいいのかもしれませんけど。



本上まなみ。
ちびリュック中身はおむつ 山笑う

彼女は文学的なセンスがありそうだし、
予想どおり、うまく実体験を拾い上げてましたね。





そういえば、
梅沢の俳句で思い出したのですが、

ヴォーン・ウィリアムズの「揚げひばり」という曲名を見て、
ひばりの唐揚げのことだと勘違いした、って笑い話があります。

たしかに「揚げひばり」って変な言葉ですよね。

「昇り竜」のように「昇り雲雀」とでも言えば、
そんな誤解もないだろうに。
どうして「揚がり」という自動詞じゃなくて、
よりによって「揚げ」という他動詞なんでしょうか?
誤解が生じるのも無理はない。

梅沢の俳句を見て、
飯盒でごはんを蒸らしながら、
雲雀のフライをかじっていると誤解する人だって、
けっこういるんじゃないかと思います(笑)。




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最終更新日  2021.04.19 09:40:05
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