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まいかのあーだこーだ

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2022.10.01
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今回の朝ドラが炎上しつづけた最大の理由として、
飯豊まりえが演じた「大野愛」のキャラ造形の問題があります。






漫画やドラマの恋愛において、
三角関係の恋敵を「イヤな奴」に設定するというのは、
たしかに古典的な手法としてはあるのだけれど、
最近のドラマでは、
そういう分かりやすい手法は使われなくなっています。

そもそも現実の恋愛において、
恋敵がかならずしも「イヤな奴」だとはかぎらないし、
それどころか、たとえ双方ともに善人であっても、
理不尽に傷つくことになるのが現実の三角関係なのだから、

たとえ漫画やドラマであっても、
そうした恋愛のリアリティを追求するのが近年の傾向なのですね。



けれど、
今回のドラマで飯豊まりえが演じた大野愛は、
あまりにも非の打ちどころのない女性だったために、
逆にヒロインのほうが「イヤな奴」に見えてしまった。
さらには相手役の和彦までが「イヤな奴」に見えてしまった。

そして、これをきっかけに、
SNSを中心に主演カップルへの憎悪が膨らみ、
しまいには作品に対する瑣末な揚げ足取りまで巻き込んで、
最後まで炎上が終わらないという事態になったのです。



NHKの制作チームがどのように意図していたか分かりませんが、

あえて恋敵を「出来すぎた女性」に設定するというのは、
たぶん当初からの既定の方針だったのでしょう。

さしずめ「ドラえもん」でいうなら、
恋敵の出木杉くんを差し置いて、
出来の悪いのび太くんとしずかちゃんが結ばれるみたいな構図ですが、
その男女逆バージョンみたいなものをイメージしていたかもしれません。



さらに、このドラマでは、
「良識的な本土人」に対して「あばずれな沖縄人」を対比していました。
これは、とくにニーニーの人物造形において顕著でした。

ここにも視聴者の反感を招く要素があったものの、
たしかに本土的な「良識」を美化することが正しいとは思えないし、
(それは権威主義や忖度主義や同調主義を助長しかねない)
むしろ、それを相対化させるためにこそ、
沖縄人の素朴さや自由さや破天荒さを強調する意図だったのでしょう。

そして、この対比が、
「大野愛」と「比嘉暢子」の関係にも
そのまま同じように反映されていたといえます。



かりにNHKの制作チームが、
ある種の炎上商法的な効果まで想定していたならともかく、

男女の三角関係描写についての注意をすこし怠ったせいで、
想定していた以上に視聴者の反感を拡大させたのだとしたら、
これは、ほとんど「政治的なミス」と言ってもいい。

SNSは、
そうした憎悪が拡大しやすいメディアでもあるし、
とくにNHK朝ドラは特殊なコンテンツなので、
ヒロインに対する反感が増大しやすいということがあります。



半世紀前の「おしん」の時に、
ヒロインの少女をいじめる父親役だった伊藤四郎が、
家にまで押しかけてきた視聴者から非難されたという笑い話があるけれど、

リアルとフィクションの区別がつかなくなって、
ついには俳優にまで憎悪を向けるような視聴者も、
いまだに一定の割合で存在します。

のみならず、
雑誌の記者や、頭の悪い大学教授や、国会議員のなかにさえ、
そうした憎悪にまかせて発言したり記事を書いたりする者が現れています。

昔なら決して誌面には載らなかったような、
バカげた揚げ足取りのような記事でさえ、
いまでは簡単にネット上に掲載されてしまうということもある。
そういう時代です。



今回の件で、
NHKの朝ドラ制作チームは、
男女の三角関係を描くことに恐怖心を抱いたかもしれません。

恋敵を分かりやすい「悪人キャラ」に設定したり、
ヒロインを「品行方正なキャラ」に設定することが、
かならずしも正しい手法だとは思わないけれど、

かといって、
朝ドラ視聴者の感情的な反応を、
炎上商法もまじえながらバランスよくコントロールするのは、
いっそう難しい挑戦になっていくでしょう。

そして脚本家はもちろん、
今後は、出演俳優でさえ、
ある程度の覚悟をもって臨まなくてはならなくなりました。


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最終更新日  2022.11.08 13:01:06


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