テーマ:アニメあれこれ(27064)
カテゴリ:漫画・アニメ
米林宏昌の「思い出のマーニー」を見ました。
とても綺麗な作品でした。 ◇ 原作を読んでないので、 どこが同じでどこが違うのか知らないけど、 たぶん「七夕祭」が出てくるのは宮沢賢治の引用ですよね。 つまり、 ジョバンニとカンパネルラの関係を女子に置き換えて、 カンパネルラの存在をイマジナリーフレンドに見立て、 まるで同性の恋人との出会いの物語のようにしている。 ◇ マーニーのボートに乗ることは、 「銀河鉄道の夜」みたいな死を意味しているようでもあり、 《月夜にボートを漕いで入江の奥へ行く》という場面もあるので、 松田聖子の「秘密の花園」みたいなセックスの隠喩っぽくもある。 主人公は、 自分の悲しみと憎しみと恐怖を、 マーニーの悲しみと憎しみと恐怖に置き換えながら、 さらには男女の性の役割さえも入れ替えながら、 ともに乗り越えて成長していくのですね。 ◇ 青い目の主人公は、 じつはクォーターだったというオチですが、 基本的には、 東洋人のヒロインと、 西洋人のイマジナリーフレンドの交流のお話なので、 この映画を、 東洋人の観客が見るのと、 西洋人の観客が見るのとでは、 すこし見え方が違うかもしれませんが、 そのことにさえ何らかの意義がある気はする。 ◇ 大林宣彦の「さびしんぼう」の場合は、 《イマジナリーフレンドが少女時代の母だった》というお話ですが、 本作ではおばあちゃんだったのですね。 ジブリ的にいうと、 「おもひでぽろぽろ」みたいに田舎へ行って、 「千と千尋」みたいに此岸と彼岸の境界を越えて、 クララみたいなお金持ちの美少女や、 無口なおじいさんに出会うって「ハイジ」っぽさもある。 それぞれの要素は、 過去に反復されてきたモチーフの組み合わせではあるけれど、 ひとつの物語として綺麗にまとまっています。 最後は種明かしをしすぎてる感もありますが、 あえて欠点というほどでもありません。 作画も美しかったし、村松崇継の音楽も美しかったです。 まだ本格的にブレイクする前の、 有村架純や杉咲花やTEAM NACSが参加してるのもすごい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.06.17 17:23:12
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