カテゴリ:NHKよるドラ&ドラマ10
NHK土ドラ「デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士」。
前半は、 無駄のない脚本と重厚感のある演出に、 かなりの手応えを感じたのだけど… 後半の展開と結末にガッカリ。 蓋を開ければ、 社会派を装っただけの安直なサスペンスに過ぎなかった。 ◇ 結婚式の出席者を前にして殺人の過去を打ち明けたり、 痴呆症の母親がとつぜん息子の名前を呼ぶエンディングは、 なんのリアリティもない通俗ドラマのコケ脅しとしか思えず、 NHKによる「社会派」の触れ込みがかえってアホらしい。 これがテレ朝あたりのサスペンスドラマなら、 べつに文句も言わないのだけど、 公共放送たる天下のNHKが、 あえて「社会派」を装って取り上げるべき物語じゃないでしょ。 幼女に対する性的虐待というテーマも、 「白夜行」や「三度目の殺人」などで変奏されてきたけど、 もはや社会問題を告発してるというより、 ただサスペンスのネタにしてるようにしか見えない。 ろう者をネタにしただけの通俗ミステリー小説を、 公共放送が「社会派」を装ってドラマ化するのはどうかと思う。 ◇ 脚本や、演出や、キャストの芝居そのものは、 さすがはNHK!と思わせて上出来だったのだけどね…。 手話通訳士にツヨポン。 県警刑事にエンケン。 いわくありげな元夫に和田正人。 このあたりのキャスティングは、 まあ誰でも思いつきそうな、 よくもわるくも安定の配役でしたが、 むしろ松本若菜と橋本愛のほうに新鮮味があって、 あらたな一面を見れたかなという気はします。 ◇ しかし、とにもかくにも、 企画の意図それ自体に疑問を感じざるをえなかった。 まだしも生方美久の「silent」のほうが誠実だと感じます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.06.17 19:16:43
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