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カテゴリ:小さな工夫でできる支援
校長先生からお電話あり。
「先生も決まって、教室も何とか確保できました。 特別支援学級がスタートしますが、れんれん君はきてくれるかなあ?」 そう、校長先生は4月から特別支援学級の設置をするべく、あちらこちらに働きかけて いらっしゃった。 「申請はしたんだけど、講師の先生のお願いが難しくてね。それと教室もね。」 ここ何年かで大きなマンションがばんばん建って、学校は満杯状態。 移動教室を動かしたり、プレハブを建てたりして、なんとか教室のやりくりをしていた学校。 個別支援の教室も1つしかなく、低学年と高学年は教室をカーテンでしきっている。 マンモス学校のわりに、個別支援に在籍している子どもが少ないのは そのせいでもあるのでは?と思っている。 れんれんのように普通学級に在籍しながら、ある授業は個別でゆっくりと指導を… といった逆交流もこれではとても実現しがたい。 個別を選んで、ゆっくりと静かに勉強したい子どもたちのところに、 不定期にいろいろな子どもが出入りするのは、どうかなあ…と。 …というような現状があり、 特別支援学級がスタートできるというのはすごい進歩だと思った。 教室は…「放送室で」とのこと。 ほんとうに教室がないということがしみじみわかる。 前に個別でゆっくり時間を過ごすことを提案したところ、泣き崩れてしまったれんれん。 「個別にはお友達がいないから」 無理もない。120人あまりいる同級生の中で、個別に在籍しているのはたったの一人。 しかも、その子の場合、みんなと一緒なのは週に何回かの音楽だけ。 たまたま…そうだっただけだからと思うけれど、 れんれんの中ではそれが個別のイメージになってしまった。 実際に過ごしていくと、あの静かでのんびりとした時間はれんれんにとっていいとは 思うのだけど、それを実感できていないれんれんに強引にそちらへ…ということはできない。 特別支援学級の話をこう持ち出した。 「ねえ、うちでママとゆっくり勉強したり、 塾の先生とゆっくり勉強すると、算数も国語もたくさんできることがあるじゃない? 学校に1週間に1日、れんれんとゆっくりお勉強をしてくれる先生がくるんだって。 一緒に勉強してみたらどうかな。そのときは別の教室に行くんだよ。」 「そのときだけ?」 「そう」 「たとえば、1時間目と2時間目は4組でみんなと。でも3時間目と4時間目はゆっくり。 で、4組に戻って給食もお掃除もおわりの会もするんだよ。」 「いいかも」 「ね。ちょっと行ってみたら?そこで楽しかったら行けばいいし、 嫌だったらまた考えよう」 学校という建物のなかで、学校という時間のなかで、 「できる、楽しい」という時間を持つことはとても大切なこと。 特別支援学級でそういった気持ちを持つことができれば、 れんれんの中で、多くのみんなと違う時間を持つこと(例えば個別級での時間)、 にひっかかっている何かが変わるかもしれない。 みんなとすべてが同じ必要はないということ。 自分には自分の時間の流れや、過ごしやすい環境があるということ。 それを何か特別だと感じる必要なないということ。 長い長い彼の人生のなかで、そういった風に自分を受け止め好きになってほしいと 心から思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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