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ウンとかスンとか mamatamの日記

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2011.11.20
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カテゴリ:日々の暮らし
切子、大好きなんですよ、わたし。
いわどんさんのおかげで、スイッチはいっちゃったようです。

江戸切子はいわどんさんのおっしゃる通り、江戸時代から今に伝わる
伝統工芸ですが、その江戸は江戸時代ではなく、町の江戸です。
では、江戸切子ではない切子はと言えば、ご存知の薩摩切子ですね。

江戸切子は透明な鉛ガラスにやすりや金剛砂を使って
カットを入れ、木の棒などで磨いたのが始まりだそうです。
ですから、江戸切子は、切子(カットのV字)が直線的で鋭角です。
もちろん長崎から入ってきた西欧のカットグラスの技法が
基になったものだとは思いますが、江戸時代、草創期の
江戸切子はもっと素朴なものだったのじゃないかと思います。

一方薩摩切子は、薩摩藩主の命により、西洋の書物を研究したり、
江戸から切子職人を招へいしたりして開発された技法です。
色ガラスと透きガラスを重ねて吹いた色被せ(いろきせ)ガラスに
ホイール(輪型のやすり)で深いカットをしました。
厚い色ガラスに細かく複雑な切子をした薩摩切子は、
切子(カット)が江戸切子より緩やかで深いので、
切子面にぼかしと呼ばれるグラデーションが生まれ、
これが薩摩切子の一番の特徴になっています。

ところが、藩主の交代や、幕末の戦乱で、薩摩藩の様々な工場が
集まる集成館が砲撃され、薩摩切子の工房も破壊されたため
働き場を失った薩摩切子の職人が江戸に流入したことで
薩摩の色被せガラスの技法が江戸に伝わり、江戸切子にも
色ガラスを使った作品が作られるようになったようです。

また、文様も、江戸切子は菊の花や麻の葉、矢来などのように
あっさりした着物の柄が伝統的に多用されたのに対し、
薩摩切子では、カゴメや魚々子(ななこ=細かい格子)あるいは
カゴメの中に魚々子という細かい切子が施されています。
こういうデザインも、職人の流入と共に江戸切子に影響を与え
また、道具の進歩もあって、江戸切子は、
いわどんさんのおっしゃる「華麗、精緻」なものに
なっていったのでしょう。
人気があることもあって、今は色ガラスを用いた製品が
江戸切子でも中心だそうですが、わたしは透きガラスに
シャープな切子が施された涼しげな江戸切子は
やはり捨てがたいと思います。
わたしが数年前に工房を見学させていただいた
切子職人さんは、下書きもせず、大まかな位置取りだけ
ガラス面にしるしをつけて、フリーハンドで
グラインダーをかけ、切子を仕上げていました。

ところで、明治とともにいったん消えてしまった薩摩切子は
大切に保存されていた製品や文献をもとに
鹿児島県だけでなく各地のガラス職人や研究家の協力で
1985年以降、復刻が試みられ、今では2つの会社が
製造を行っているそうです。






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最終更新日  2011.11.20 20:39:18
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