監督: スティーブン・スピルバーグ
キャスト: ダニエル・デイ・ルイス、サリー・フィールド、デビット・ストラザーン、ジョセフ・ゴードン・レビット、トミー・リー・ジョーンズ、ジェームズ・スペイダー、グロリア・ルーベン
ネタバレ。
家康は「人生は重き荷を背負いて遠き道を歩むがごとし」だったかな。
リンカーンでは「人生は重い荷物を背負って歩くもの。軽く感じられるように自分を鍛えるか、それとも重さに潰されてしまうのか。」
奴隷解放を「憲法修正」という形に落とし込む。これがどれほど大変なことだったか。
心血を注ぎ、策を講じ、リスクシナリオに備えた手はずも整える。
戦争終結が近づき、投票日まで時間がない。
限られた時間のなか、結果を出さなければならない。
「正しいことはいつか実現される」というナイーブな理想主義者とは違う。
「正しいことは必ず実現させなくてはならない」という現実的な政治家だ。
悪妻と評されるメアリーだが、リンカーンとは夫婦にしかわからない絆でつながっているようにも見えた。いろいろあっても、お互いがお互いを認め、必要としている。
であればこそ、終盤、リンカーンがホワイトハウスの廊下を歩く後ろ姿は哀しい。
ようやくひとくぎりついたところだったのに。
トミー・リー・ジョーンズの怪演。おいしいとこもっていくなー。
「ER」のジェニー・ブレ、グロリア・ルーベンが気品あふれる役ですてきでした。